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参天製薬の近視進行抑制薬・リジュセアミニ点眼液など新薬7製品を審議へ 12月2日の第一部会で

公開日時 2024/11/19 04:47
厚生労働省は12月2日に薬事審議会・医薬品第一部会を開き、参天製薬の国内初の近視進行抑制薬・リジュセアミニ点眼液(一般名:アトロピン硫酸塩水和物)など新薬7製品の承認の可否を審議する。

この中には、日本イーライリリーの肥満症治療薬・ゼップバウンド皮下注(チルゼパチド、2型糖尿病治療薬・マンジャロと同一成分)や、ブリストル・マイヤーズ スクイブの新規作用機序の経口潰瘍性大腸炎治療薬・ゼポジアカプセル(オザニモド塩酸塩)などが含まれる。

【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

リジュセアミニ点眼液0.025%(アトロピン硫酸塩水和物、参天製薬):「近視の進行抑制」を対象疾患とする新効能・新剤形医薬品。

低濃度のアトロピン製剤であり、非選択的ムスカリン受容体拮抗薬。対象疾患とする近視は、眼軸長が長くなり、目の中に入った光線のピントが合う位置が網膜より前にある状態だが、本剤により、眼軸の伸長を抑制し、近視の進行抑制が期待されている。

参天製薬とシンガポールの国立眼科・視覚研究所であるシンガポールアイリサーチインスティテュート(SERI)が共同開発した。承認されると、国内初の近視の進行抑制を効能・効果とする治療薬となる。同社では、決算説明会などで、薬価がつかない自由診療での販売展開を予定している、と説明している。

ヒフデュラ配合皮下注(エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)/ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)、アルジェニクスジャパン):「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

抗 FcRn 抗体フラグメント・ヒアルロン酸分解酵素配合製剤。対象疾患とする慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)は、末梢神経系の希少かつ重度な自己免疫疾患。同社では、承認されると、CIDP の治療において、国内で最初のグロブリン製剤が承認されてから、25 年ぶりのイノベーションになると説明している。

エフガルチギモド(ウィフガート/ヒフデュラ)としては、全身型重症筋無力症(gMG)、慢性特発性血小板減少性紫斑病(慢性ITP)に続き、国内で3つ目の適応症となる。

クアルソディ髄注100mg(トフェルセン、バイオジェン・ジャパン):「SOD1遺伝子変異を有する筋萎縮性側索硬化症における機能障害の進行抑制」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

アンチセンス核酸医薬。対象疾患とする筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、随意筋の運動をコントロールする脳と脊髄における運動ニューロンの喪失をもたらす希少かつ進行性で死に至る神経変性疾患。

SOD1遺伝子変異は、全世界のALSの推計罹患者数16万8000人の約2%に関わっているとされる。承認されると、ALSの中のSOD1遺伝子変異を有するSOD1-ALSに対し、遺伝的原因を標的とする国内初の治療薬となる。

海外では、米国で2023年4月に迅速承認を取得。欧州では24年5月に特例的な状況下での承認を取得している。

ゼップバウンド皮下注2.5mgアテオス、同皮下注5mgアテオス、同皮下注7.5mgアテオス、同皮下注10mgアテオス、同皮下注12.5mgアテオス、同皮下注15mgアテオス(チルゼパチド、日本イーライリリー):「肥満症。ただし、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。・BMIが27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する・BMIが35kg/m2以上」を対象疾患とする新効能・新用量・その他の医薬品。

持続性GIP/GLP-1受容体作動薬。同社では、同一成分のマンジャロ皮下注を23年4月に2型糖尿病の適応で発売している。今回、肥満症治療薬・ゼップバウンドの効能・効果の食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない患者に限るといった内容は、ノボ ノルディスク ファーマの持続性GLP-1受容体作動薬・ウゴービと同様となっている。

海外でゼップバウンドは、23年11月に米国で承認・発売されている。

ゼポジアカプセル0.92mg、同カプセルスターターパック(オザニモド塩酸塩、ブリストル・マイヤーズ スクイブ):「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

経口のスフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体調節剤で、潰瘍性大腸炎(UC)に対する新規作用機序の治療薬。リンパ球を末梢リンパ組織内に保持することで、リンパ球の体内循環を制御し、病巣へのリンパ球の浸潤を阻害する。

今回の承認申請は、日本人の中等症又は重症の活動性UC患者を対象とした国内第2/3相試験J-True North試験の結果に基づく。厚労省の患者調査によると、2020年の日本におけるUCの総患者数は18万4000人と推計されているという。

タウヴィッド静注(フロルタウシピル(18F)、PDRファーマ):「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症患者におけるドナネマブ(遺伝子組換え)の適切な投与の補助」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

放射性診断薬。PET(陽電子放出断層撮影)を用いて、アルツハイマー病(AD)に関連する脳内の異常蓄積タウタンパク質による神経原線維変化を可視化する。ADの神経病理学的診断には、2つの主要な病変であるβアミロイド斑とタウ蛋白の正確で信頼性の高い評価が必要という。

▽①ウプトラビ錠0.2mg②同錠0.4mg③同錠小児用0.05mg(セレキシパグ、日本新薬):「肺動脈性肺高血圧症(小児用量の追加)」を対象疾患とする①②新用量・その他の医薬品③新用量・剤形追加に係る医薬品。希少疾病用医薬品。

経口のプロスタサイクリン受容体(IP受容体)作動薬。肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療では、プロスタサイクリン系薬剤、エンドセリン受容体拮抗薬、ホスホジエステラーゼ5阻害薬など、作用機序の異なる治療薬の併用が推奨されているが、小児PAHに対して国内で使用可能な薬剤は限られており、特にプロスタサイクリン系薬剤では静脈内持続投与を必要とする注射剤のみであることから、同作用機序の経口剤が求められている。

【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

オルダミン注射用1g(モノエタノールアミンオレイン酸塩、富士化学工業):「静脈奇形の硬化退縮」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。

硬化療法に用いる硬化剤。現在の適応は「食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮」と「胃静脈瘤の退縮」で、承認されると3つ目の適応症となる。
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