【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

フェリング 膀胱がんの遺伝子治療薬・ナドファラゲン フィラデノベクを承認申請 3カ月に1回投与

公開日時 2025/09/08 04:50
フェリング・ファーマは9月5日、非複製型遺伝子治療薬・ナドファラゲン フィラデノベク(一般名、開発コード:FE999326)について、筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC)を対象疾患に承認申請したと発表した。インターフェロン遺伝子を3カ月に1回、膀胱内に注入するもの。国内第3相オープン試験は、膀胱内BCG療法が奏功しないNMIBC患者を対象に実施した。BCG療法が奏功しなかった場合の次の治療選択肢が膀胱の完全切除となるなか、同治療薬が承認された場合、BCGが奏功しないNMIBC患者に膀胱を温存する治療選択肢を提供することになる。

ナドファラゲン フィラデノベクは、化学療法を用いない非複製型アデノウイルスベクターを用いた治療法で、インターフェロン・アルファ2b遺伝子を含み、カテーテルを用いて膀胱内に直接投与する。化学療法とは異なり、患者自身の膀胱上皮細胞をインターフェロン産生工場へと変換する新しい治療アプローチとなる。インターフェロン・アルファ2bタンパク質を局所的に高濃度かつ一過性に発現させることで、体の自然な抗がん力を強化する。

◎国内第3相試験 初回投与から3カ月後に完全奏効率75%を達成

国内第3相試験は、BCG不応性高グレードNMIBC患者を対象に行われ、初回投与から3カ月後に完全奏効(CR)率75%を達成した。安全性は、薬剤に関連すると判断された有害事象はグレード1(84.2%)またはグレード2(15.8%)にとどまり、グレード3、4、5の有害事象は報告されず、良好な忍容性が確認された。

高知大学医学部泌尿器科学講座の井上啓史教授は、「利便性の高い3カ月ごとの投与スケジュールにおいて、国内第3相試験で75%の完全奏効率を示した本治療薬は、これまでに治療選択肢が限られていた患者さんに新たな希望をもたらすことが期待される」とコメント。

フェリング・ファーマのジョン・プルバー代表取締役社長CEOは、「BCG治療が奏功しなかった高リスク筋層非浸潤性膀胱がん患者さんには膀胱全摘除術という選択肢しかなかった状況は、数十年にわたり進展がほとんどなかった」と指摘。その上で、「ナドファラゲン フィラデノベクはその状況に光明をもたらす」とし、「当社は、ナドファラゲン フィラデノベクを日本におけるNMIBCの新たな標準治療、そして中心的治療薬として確立したいと願っている。膀胱がん治療における新たな潮流を牽引できることを誇りに思う」とコメントしている。
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(3)

1 2 3 4 5
悪い 良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
ボタン追加
【MixOnline】記事ログ
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー