日医ら43団体が決議 25年度補正予算、26年度診療報酬改定「“真水”による大規模で抜本的な対応を」
公開日時 2025/10/15 04:52

日本医師会など医療関係43団体で構成する国民医療推進協議会は10月14日、2025年度補正予算や26年度診療報酬改定について、「財源を純粋に上乗せする、いわゆる“真水”による大規模で抜本的な対応」を求めることを決議した。医療機関経営が逼迫していることから、25年度補正予算での補助金と診療報酬両面からの一刻も早い対応の必要性を指摘。26年度診療報酬改定については、「大幅なプラス」の実現を求めた。国民医療推進協議会の松本吉郎会長(日本医師会会長)は、「前例のない大規模で抜本的な対応、特に、真水による思い切った対策が必要だ」と訴えた。
◎26年度診療報酬改定「賃金上昇と物価高騰、高齢化、医療の技術革新に対応した大幅なプラス」
決議では、医療機関の経営状況について「著しく経営状況が逼迫しており、閉院や倒産が相次いでいる」と指摘。「適正化等の名目により、医療・介護の財源を削って財源を捻出するという方法でこれ以上削減されれば、地域の医療・介護の崩壊は避けられない」と危機感を露わにした。そのうえで、国民皆保険を維持するために、25年度補正予算や26年度予算編成での対応を求めた。
25年度補正予算での対応については、「医科歯科医療機関、薬局、訪問看護ステーションや介護事業所等に対し、補助金と診療報酬・介護報酬等報酬の両面からの早急な対応を行うこと」を要望。26年度予算編成での対応については、「26年度診療報酬改定をはじめ、26年度予算編成において、賃金上昇と物価高騰、高齢化、医療の技術革新に対応した大幅なプラスとすること」とした。この実現に向けて、「財源を純粋に上乗せする、いわゆる“真水”による大規模で抜本的な対応」が必要として「緊急的な対策」を求めた。
趣旨説明を行った日本医師会の茂松茂人副会長は、病院・診療所共に経営状況が逼迫していることを強調した。そのうえで、国民医療費の財源構成に触れながら、「税金による公助、保険料による共助、患者さんの自己負担の自助、この3つのバランスを考えながら進め、自己負担のみを上げないことが重要だ。あわせて、低所得者にしっかりと配慮することも不可欠だ」とのスタンスを示した。そのうえで、税金(公助)は消費税収が増税前に比べて1%あたり7000億円弱増額しており、物価が上がれば税収が増えると説明。また、保険料(共助)についても、人件費が上がれば料率はそのままでも保険料収入は増えるとして、財源確保を訴えた。
◎日薬・岩月会長 国家公務員の賃上げ引き合いに「不公平」 薬価差「一定の余裕ないと上手に回らない」
協議会の副会長を務める、日本歯科医師会の高橋英登会長は、歯科医療機関の廃業が続いているとして、「このままいくと崩壊が広がっていく。25年度補正予算で崩壊寸前の医療機関を守っていただくのが、我々にとって予断を許さない喫緊の課題だ。根本的に医療システムを転換しないと、高齢化の伸びしか出さないというのでは医療は守れない」と訴えた。
協議会副会長を務める日本薬剤師会の岩月進会長は、「国は、人事院勧告で国家公務員について3.62%の賃上げを行った。同じお財布から出ている我々には全くその話はなく、不公平だ。国がやっているのだから同じように考えいただかないと、財源の問題と言われるが国家公務員の給料はどこから出ているのかとつい言いたくなる」と指摘。「地方は今大変な状況で、医師、歯科医師、薬剤師で、顔の見える関係。皆が我慢しながらやっているのが実態。うまくやっているように都会からは見えているのかなと思う。これがなくなってしまうと、再び作り直すことは不可能だ。そうなる前に手当てが絶対に必要だ」と訴えた。
また、「薬価差益はいま、ほとんどない状況だ」と言及。「薬価差が欲しいと言っているのではない。一定程度の余裕がないと上手に回っていかないのも事実だ」と述べた。
協議会副会長を務める日本看護協会の秋山智弥会長は書面で、「物価高騰によるコスト上昇が経営努力をしても追いつかない状況だ。コスト上昇分を価格に転嫁できず個々の努力も限界を超えている。賃金上昇は不十分と言わざるを得ない。このままでは地域の医療インフラそのものが失われかねない」と危機感を示し、「一刻も早い対応」を求めた。
◎国民医療を守るための総決起大会への参加呼びかけ 「出席者数が政府、国民への発信力になる」
協議会は11月20日に「国民医療を守るための総決起大会」を開き、決議文を政府関係者に上申するなどして、必要財源の確保に向けた動きをさらに強める構え。今年は46都道府県医師会すべてにサテライト会場を設置し、メイン会場の日本医師会館とWebでつなぎ、広く動員を求める考え。松本会長(日本医師会会長)は、「出席者数が政府、国民への発信力になる」として、参加を呼びかけた。