【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

【中医協総会 10月17日 議事要旨 後発医薬品、バイオ後続品の使用体制、服用薬剤調整支援等の評価】

公開日時 2025/10/20 04:51
中医協総会が10月17日開かれ、後発医薬品、バイオ後続品の使用体制、服用薬剤調整支援等の評価について議論した。本誌は、総会の質疑における各側委員の発言について議事要旨として公開する。

(事務局説明略)

小塩会長:ただいまの説明につきまして、何かご質問ございますか。江澤委員お願いたします。

江澤委員:ありがとうございます。それでは論点に沿って、意見を述べさせていただきたいと思います。まず、資料「総-2」22ページの論点(後発医薬品についての課題と論点)について申し上げます。1つ目の「〇」においては、保険薬局における取り組みとして医薬品の供給が不安定である状況で、後発品の提供体制を維持する取り組みなどについて着目されておりますが、これは保険薬局に限ったことではなく、病院も診療所も同じでございます。

医療機関においても、医薬品の供給不足については、非常に苦労しており、当日、処方できる医薬品を毎日確認した上で、診療に当たっており、日々かなりの時間を要している状況であります。

また、2つ目の「〇」では、後発医薬品の使用割合が、病院では82.0%であるのに対し、診療所では66.5%と、病院と診療所に差があることに着目されております。しかし、病院、診療所ともに後発品を処方するための負担が以前よりもはるかに増えている状況であり、82.0%、66.5%という数字は、各医療機関の努力のたまものの結果であるということをご理解いただく必要があり、今後、後発品の使用割合をさらに高めていくためにも、しっかりと診療報酬で評価していくことは欠かさないことであると申し上げます。

続いて、資料「総―2」37ページの論点(バイオ後続品についての課題と論点)についてです。1つ目の「〇」においては、バイオ後続品の場合、化学合成医薬品である後発医薬品とは違い、先発品との同一性などが認められない、いわゆる似て非なるものであるため、先発品からバイオ後続品への切り替えが困難な事情もありますので、そうした点も踏まえた対応も必要があると考えております。

2つ目の「〇」については、現在のバイオ後続品使用体制加算は、入院初日にバイオ医薬品を使用する患者さんについて算定することになっておりますが、入院初日においては、バイオ薬品を使用するかどうかは明確になっていないこともございます。さらには、バイオ後続品を最初から使用するかどうか、切り替えるかどうかについては、患者さんそれぞれのご意向もあり医療機関単位での先発品か、バイオ後続品の選択は難しい実情もございます。

これらの現場の実態を十分に踏まえて、手直しをする必要があること、またはバイオ後続品を強く推進するのであれば、それなりの診療報酬の評価も必要と考えております。

最後に、資料「総―2」51ページの論点(服用薬剤調整支援についての課題と論点)について申し上げます。ポリファーマシーとは、先ほど申し上げましたが、単に薬剤数が多いことではなく、それに関連した有害事象などのリスク増加など、問題が生じる場合のことを指しますので、単に服用薬剤数の削減を評価するのではなく、服用薬剤調整支援の手法の策定状況を評価する方向については、賛同いたします。

ただし、これは薬局、薬剤師に限るものではなく、医師や医療機関の薬剤師についても、同様に当てはまるものであることは、申し上げておきたいと思います。私からは以上でございます。

小塩会長:ありがとうございました。池端委員お願いいたします。

池端委員:ありがとうございます。私も2点、江澤委員と重なる部分もありますけど、後発品の促進に関する点については、全く江澤委員と同じように、現状まだまだ不安定供給がさらに続いている、むしろ悪化しているという声もあるくらいの状況なので、そこをしっかり抑えながら、引き続き加算等はしっかりつけていかなければいけないのではないかということを、あの私も申し上げたいと思います。

それからバイオ後続品については私の理解がひょっとしたら足りないかもしれませんが、前回の薬価専門部会だったかと思いますけども、バイオ後続品のプレゼンテーションの中でバイオAGの脅威ということが確かに上がったかと思います。これについては、今回言及はありませんが、そのバイオAGがバイオ後続品の使用を促進するための課題があるのかないのか、それについて事務局のお考えがあれば、お聞かせいただきたいと思います。以上です。

小塩会長:ありがとうございました。池端委員からご質問ございましたが、事務局いかがでしょうか?

事務局:薬剤管理官でございます。脅威があるかどうかは、まだ1品目しかございませんので明確には言えませんが、前回のプレゼンテーションの中ではバイオAGという全く同一のものがありますと、バイオシミラーと似ているもの、ただ臨床的は同一ということで、臨床試験をしていますが、その市場がほぼ無くなってしまうので新しいバイオシミラーが開発できないというようなこと、それからバイオAGが存在していることによって、バイオシミラー自体が開発されない。そうしますとバイオ先行品がずっと市場をとっていくのではないかという恐れが指摘されておりました。

今後、薬価専門部会等で慎重に議論していただいて、ご意見いただこうかと思っております。以上でございます。ありがとうございます。

小塩会長:ありがとうございました。それでは森委員お願いいたします。

森委員:はい、ありがとうございます。各論点について発言させていただきます。少し長くなりますけど、お許しいただければと思います。まず資料「総―2」22ページ目の後発薬品についてです。後発品の使用促進策が始まって、まだ後発医薬品という言葉が一般的に浸透していなかった頃から、先発医薬品から後発品に切り替える際の患者さんへの丁寧な説明と、薬剤師を含めた関係者の努力により、今の水準まで使用が進んでまいりましたが、薬局では依然として、先発医薬品と後発医薬品の両方の備蓄・管理と、患者への後発医薬品の説明、意向確認、薬学的な観点も含めた後発品への変更調剤可否の確認、医師への問い合わせ、新規収載される後発医薬品の情報収集・備蓄などの業務を行っており、後発品の使用率が上がったからといって、業務が変わるは変わるものではなく、これらの業務は、継続していくものです。

また、長期収載品の選定療養の導入により、後発品のさらなる使用促進に取り組んでいるところですが、医薬品の供給不安の解消の出口は、全く見えてきておりません。

資料「総―2」13ページ目にありますように、8月時点で12%の医薬品が供給停止、限定出荷となっています。その影響で資料「総―2」15ページ目にあるように、84.1%の薬局で業務に支障が出ており、1年前と比べて、さらに悪化したと回答した薬局が43.1%もあります。

私の薬局でも、医薬品の調達に大変苦労しており、医薬品が入手できなかったり、数が足りないということがあって、調剤済みとならなかったりした患者さんの薬が、今でも常にいくつも残っている状況です。

供給不安が5年近く続いていますが、現場では、患者さんのために代替となる医薬品の情報収集・確保、医師との相談、患者への説明、後日の配送等に取り組んで、なんとか治療に支障が出ないよう医薬品の提供に尽力しています。

また、資料「総―2」19ページ目にありますように、薬剤師会では、医薬品を安定的な提供体制を確保するため、地域単位で薬局・薬剤師会の協力を得て、各地域の医薬品リストの作成に取り組んでいます。

今後も後発医薬品の使用を止めたり、後戻りしたりするようなことがないよう、後発品の使用率の維持や使用促進はもちろん、医療現場の医薬品の安定した提供体制の確保、支えるための評価は不可欠です。

令和8年度診療報酬改定においては、後発医薬品に関する診療報酬上の評価を、この状況で止めてしまうということは、歯を食いしばって現場で頑張っている薬剤師の心が折れてしまいます。地域医療の中で連携し、患者さんへの安定した医薬品提供のために対応している現場の努力を後押しできるような視点が重要と考えます。

また、重要なところですが、国におかれましては、関係業界と連携して、安定供給に向けた取り組みを引き続き、お願いしたいというふうに考えます。

次に、資料「総―2」37ページ目のバイオ後続品についてです。バイオ後続品の使用は、患者負担の軽減や医療費削減、日本のバイオ産業育成の観点からも進めていくべきものと考えます。バイオ後続品の特性として、特定の領域で患者が対象となること。先ほど江澤委員の方からもありましたけれども、同一ではなく、同等、同質であること。つまりシミラーという位置付けであること。また低分子の医薬品と比べて、価格が高額であることや注射剤であることなどの特徴があります。これらのバイオ後続品の特性を踏まえた形での使用促進の取り組みが必要です。

まず重要なのは、バイオ後続品というものがどういうものかということを患者さん、そして改めて医療関係者に理解してもらうことです。後発医薬品の使用促進では、当初患者さんや関係者にご理解いただくまで時間がかかりましたが、バイオ後続品の使用促進は後発品の時よりも時間を要すると思います。

次に、バイオ先行品からの切り替えは困難さを伴います。薬局での切り替えは、後発医薬品と同様に行うことができません。医師と、より密な連携をして、慎重に行うことが必要です。

また、バイオ医薬品は高額なため、在庫負担が大きいです。途中で、先行品から後続品に変更したとき、また、他剤に変更になったとき。薬局では、大きな在庫リスクを生じることをご理解いただくとともに、使用促進においては、それらへの配慮は必要な視点です。そして、バイオ医薬品の保管は基本的に冷暗所で実施しますが、バイオ後続品の使用促進のために、先行バイオ医薬品とバイオ後続品と両方を備えておくということになると、その分、化学合成品の後発医薬品の備蓄管理と比較して、より高いコストがかかってまいります。

バイオ後続品の使用促進は重要なものと理解しています。薬局が積極的に取り組んでいけるよう、現場に負担がかかりすぎないよう、在庫や廃棄のリスクを支える評価もセットで検討していくことが必要です。

次に資料「総―2」51ページ目の服用薬剤調整支援についてです。ポリファーマシーとは、多剤服用により、薬物有害事象のリスク増加、飲み間違いや、服薬アドヒアランスの低下等の問題につながる状態を指し、単に服用する薬の数が多いことではありません。

減薬のみならず、適切な薬の管理や調整を行うことで、副作用を防止すること、飲み忘れや、飲み間違いを防ぐことができます。

資料「総―2」41ページ目にあるように、医師と歯科医師との連携は重要で、薬局では、疑義照会を通した重複投与の防止、それから資料「総―1」15ページ(診療所におけるポリファーマシー対策の状況)にもありましたけれども、例えば、診療所におけるポリファーマシー対策では、診療時にお薬手帳の内容を確認しているというのが85%だったり、薬局の薬剤師からポリファーマシー対策にかかるトレーシングレポートを受け取っている。これが例えば、地域包括診療料加算届出ありのところで42.5%が活用しているというような、結果が出ています。

そのような医師への提案のみならず、資料「総―2」48ページ目(高齢者施設の服薬簡素化提言)の事例にあるように、施設に限らず医師と連携し、服薬回数を減らすことや、服用時点を合わせる取り組みは重要です。

また、資料「総―2」49ページ目(日本版抗コリン薬リスクスケール)にあるように、抗コリン作用のある薬剤を併用している場合、薬剤師が服用している抗コリン作用のある薬剤を把握し、患者の総コリン負荷を計算して、包括的にリスク評価を行い、医師へ情報提供を行う取り組みも重要であり、前向きに進められていくべきと考えます。

資料「総―2」47ページ目(75歳以上の服薬薬剤種類内訳)にあるように、高齢者は経時的に服用薬剤の種類数が増加しているなか、ポリファーマシー対策の重要性は増しており、減薬のみならず、患者さんの生活状況も加味した、服用薬剤の調整、処方医との連携、服用薬剤の調整後のモニタリング計画の立案など、質に着目した取り組みの推進が重要です。現場の取り組みを進めるためにも、必要な評価をお願いできればと考えます。私からは以上です。

小塩会長:ありがとうございました。他よろしいでしょうか。それでは松本委員お願いします。

松本委員:はい、ありがとうございます。後発医薬品とバイオ後続品の積極的な使用やポリファーマシー対策は限りある財源を有効に活用し、国民皆保険制度の持続可能性を確保するためには不可欠でございます。インセンティブとディスインセンティブを組み合わせたメリハリの効いた評価体系にすべきと考えております。

まず、資料「総―2」22ページの論点の後発医薬についてですが、資料「総―2」6ページにもありますけれども、長期収載品の選定療養の導入後に後発品の使用割合が大幅に上昇しており、資料「総―2」7ページに目を移しますと、薬局の後発品調剤割合は9割に達しているということがわかります。

後発医薬品調剤体制加算はインセンティブの役割を終えたということで廃止し、例えば、地域支援体制加算に後発品調剤割合やカットオフ値を設定し、基準を満たさない場合に減算するといった仕組みに移行すべきだというふうに考えます。

また、長期収載品の選定療養が導入された後の状況につきましては、資料「総―2」10ページを見てみますと、特定薬剤管理指導加算3の算定状況が徐々に減少しており、先ほどの6ページにまた戻りますと、特に1月以降に後発品の数量割合は伸びておりません。

前回改定の議論や、特定薬剤管理指導加算3のロを、今年4月に引き上げる議論を行った際にも指摘いたしましたが、現在は後発品に変更しなくても、資料10ページにある算定条件にもありますように、後発品に変更しなくても説明をすれば算定できるということになっております。

今後、さらなる後発品に置き換えを推進するためには、実際に後発品に変更した場合のみ算定できる「実績評価」に見直すか、過渡期が終わったということで、選定療養の対象患者を算定対象から除外して、安定供給問題の対応だけを評価する仕組みにすべきです。

一方で、医療機関については薬局に比べ、数量割合が低いですが、後発品の使用がすでに一般化されていることを踏まえれば減算を導入すべきと考えます。

続きましてバイオ後続品についてです。資料「総―2」26ページ(バイオ後続品の使用促進に関する政府方針)にある政府方針に沿って確実に対応することが重要だと認識しております。資料「総―2」37ページの論点(バイオ後続品についての課題と論点)の1点目、療養担当規則等にバイオ後続品の記載を追加することについては、事務局案に賛同いたしますが、資料「総―2」26ページの骨太方針の一番最後では、フォーミュラリにも言及しているとおり、今後は長期収載品から後発品、先行バイオから後続品への切り替えに限らず、同種同効の薬剤の中から経済性も考慮して医薬品を選択することを規定する必要があると考えます。

論点の2つ目、医療機関の評価についてですが、先ほど申し上げました。後発使用体制加算の適正化とセットでバイオ後続品への対応を重視するのであれば異論はございません。また、DPCや人工腎臓等に包括されるバイオ後続品の使用率が高いことを踏まえれば、例えば加齢黄斑変性の治療に薬剤包括の技術料を設定するなど、外来についても包括評価を推進すべきだと考えます。

また、一定程度までバイオ後続品が普及しているものについては、後発品と同様に医師が十分説明を行った上で、患者の希望で先行バイオ品を選択した場合には選定療養の対象にすることもあり得るというふうに考えております。

最後に資料「総―2」51ページの服用薬剤調整支援に関する論点についてコメントいたします。ポリファーマシー対策については、第4期医療費適正化計画において、重複投薬、多剤投与を適正化する方向性が示されており、保険者としても重要な課題だと認識しておりますが、実態としては、まだまだ十分な成果が出ておらず、むしろ後期高齢者が今後さらに増加する中で、問題が深刻化する可能性が資料「総―2」47ページのデータから示唆されております。

資料「総―2」40ページにあります通り、入院外来分科会からは、薬剤数ではなく、質を評価すべきと指摘されていることも踏まえれば、処方提案だけではなく、服薬回数を少なくする取り組みや、対人業務として薬剤師による薬物療法への介入を強化し、一剤でも着実な減薬の実績や有害事象の抑制につなげていくために、現行の評価を整理することも考えられます。

また、病院の薬剤師が不足している中では、薬局の薬剤師の取り組みをより促すことも課題だというふうに感じております。一方で、電子処方箋が薬局に広く普及し、重複投薬や緊急薬剤の使用が自動でチェックできる環境が整ってきたことを前提とすれば、資料「総―2」41ページの右下にございます重複投薬・相互作用等防止加算を見直すことも必要だというふうに考えます。

最後になりますが、本日は薬剤師の取り組みが論点になっておりますが、処方元の医師への対応として、処方箋料によりメリハリをつけることも選択としてあり得るというふうに考えております。私からは以上でございます。

小塩会長:どうもありがとうございました。他いかがでしょうか? 鳥潟委員お願いたします。

鳥潟委員:はい、ありがとうございます。後発医薬品の使用状況は薬局でも医療機関でも非常に高い割合に達しており、後発医薬品の使用に対する体制加算につきましては、今後も継続して評価する状況では無くなったのではないかと考えております。

バイオ後続品の使用に関する加算についてですが、バイオ後続品の使用促進につながっていると感じており、さらなる使用促進を図る観点から、現在対象となっていない成分を対象とすることや、置き換え80%以上の成分を増やすことを検討すべきというふうに考えております。

最後になりますが、ポリファーマシー対策については、患者様の状態の改善につながる対応を評価すべきであり、今後の医療DXの進展も踏まえながら有害事象のリスク解消に向けて、重複投与の解消や減薬にきちんとつながる対応を評価する必要があると思います。以上になります。

小塩会長:はい、ありがとうございました。佐保委員お願いします。

佐保委員:はい、ありがとうございます。示されている方向性におおむね異論はありません。その上で服用薬剤調整支援について申し上げます。資料「総―2」46ページ、47ページには、高齢になるほど服用薬剤の種類数が増える傾向があるということで、年齢階級別や75歳以上の数の推移などについて示して頂いております。

資料「総―2」42ページでは、ポリファーマシーが高齢者に与える影響について記載がございますが、ポリファーマシー対策の適正な実施に向けて、例えば、どういったものが服薬されているのか、推奨される使用法の範囲内なのか、重複処方はないのか?などの実態について、さらに詳細を分析いただければと考えます。私から以上です。

小塩会長:ありがとうございました。それでは池端委員お願いいたします。

池端委員:追加で申し訳ありません。ポリファーマシーに対して一点だけ意見を申し上げたいと思います。資料「総―2」42ページにありますように、高齢者の抱える多剤服用の具体的問題等とあって、これは医薬局の高齢者医薬品適正使用検討会で議数年にわたって議論し、ご覧の通り医薬品適正使用の指針の総論と各論、療養環境別ということで冊子が出てきます。この仕様がまだまだ十分に伝わってないのです。ここにかなり詳しく、どうやったら療養環境別に、どういう対応をしたらポリファーマシーを改善できるかが出ているので、ぜひこれに準拠して、それを使用しながらポリファーマシーを進めていただきたい。医療課としても、そこを準拠するということをコメントとして書いていただけるとより進んでいくと思いますので、もし可能であればお願いできればと思っています。以上です。ありがとうございました。

小塩会長:ご要望がございましたので、ご検討お願いいたします。太田委員お願いいたします。

太田委員:今回の論点に関係することではないのですけど、ポリファーマシーの問題は非常に重要だと思います。一点だけ、支払い側の方にもご理解いただきたいなと思っているのですけれども、先ほど生活習慣病のところでガイドラインに沿った標準的な治療の推進というのが結構大きく出てきてございます。高血圧、糖尿病、高脂血症の高齢の方がたくさんいらっしゃいます。一般的なガイドラインというのは、様々な分析やRCTによってエビデンスが出て作られるのですけど、高齢の方々だけに限定したガイドラインというのは殆どないのです。ガイドラインとは、ガイドに導くものであって、ガイドラインを標準的に順守して治療しろと言うと、どんどん薬が増えるのです。

先ほど江澤委員からありましたけど、テーラーメイドということで、全体を考えながら、どれぐらい生活習慣病を診ていく上で、サジ加減でやっていくかをいろいろ考えて、ポリファーマシーの副作用が出ないような形でやっていくということで、かなり難しい中で管理しながら患者さん1人1人を見ているということがございます。

ですので、今後、あの生活習慣病のあの検討も進むと思いますけれども、必ずしもガイドラインだけに基づいて行う医療というのが全身を見たときに、その患者さんのためにならないというのを我々もしっかりと考えながらやってございますので、そういうのを妨げにならないような形で制度の方を作り上げていただけたらというふうに思います。以上でございます。

小塩会長:はい、ありがとうございました。それでは高町委員お願いいたします。

高町委員:ありがとうございます。後発医薬品の使用割合が9割を超えた中で、後発医薬品調整体制加算に関しましては、もはやインセンティブにはならないと考えます。他の1号委員もおっしゃられたように、この加算に関しては、そろそろ廃止する時期に来ているのではないかと私も考えます。

次に服用薬剤に関して質問があります。75歳以上の患者の2020年から5年間の服用薬剤数の推移を見ますと増加傾向にあります。この要因はどのようなものなのでしょうか?

また、診療報酬上で減薬について取り組みを評価してきましたが、この取り組みが効果を発揮していないということなのでしょうか? 以上についてお教えください。私からは、以上です。

小塩会長:ありがとうございます。高町委員からご質問いただきましたが、事務局いかがでしょうか?

事務局:薬剤管理官でございます。ご質問は75歳以上の患者の資料「総―2」47ページだと思いますが、2020年から5年間、服用薬剤数がどんどん増えてきている。この要因はということと受けいたしました。

明確に言うことは難しいかと思いますが、加齢とともに疾患が増えることによって、それぞれの治療に必要な薬剤が増えてくるということと、長期間使われている要因から服用薬剤数は、疾患が増え、それに対する治療薬が出されて、結果的には薬剤数が加齢とともに増えてきている傾向があるのかなと思っております。

あと、診療報酬上の評価が効果を表しているのかということですが、資料「総―2」43ページに薬剤調整加算、あるいは資料45ページに服用薬剤調整支援料1ということで、2剤以上減薬ことに対する評価ですが、これは順調に増加しておりますので、ある程度、評価はできるのかなと思っています。

一方で、高齢者の疾患上の要因から服用薬剤数が増える傾向にもありますので、診療報酬上での評価はしておりますが、これは追いついていないのかなと思っております。さらに何か拡充していかなければいけないのかなと思っております。以上でございます。

小塩会長:高町委員よろしいでしょうか。

高町委員:はい、ありがとうございます。高齢者の減薬は大変重要な問題だと思いますので、診療報酬上の取り組みが不十分であるのならば、新たな方策を考えるなど、今後検討していただければと思います。ありがとうございました。

小塩会長:では江澤委員お願いします。

江澤委員:ありがとうございます。簡単に2点申し上げたいと思います。1点目は、臨床医の立場として申し上げたいと思いますが、ポリファーマシーばかりに注目が集まっています。ただ、我々は、例えば腎臓や肝臓の機能に応じて、患者さんごとに常用量でいいのかどうか、1日3錠であれば、それが3錠でいいのか、あるいは2錠がふさわしいのか?

例えば、腎排泄型の薬剤であれば、特に高齢者などにおいては半減期の長い1日1回薬剤は好ましくないということ。どんどん血中濃度に蓄積されるなど、そういうきめの細かい配慮は、当然のごとく行っており、したがって、多剤対策に加えて、個々の患者さんに応じたきめの細かい処方量の調整をしていることは、まずご理解いただきたいと思っている。

2点目は現場の立場で申し上げます。以前も申し上げましたが、いまだに薬剤の供給不安定は全く解消された感覚がございません。毎日、日々1つ1つの薬剤について供給状況を確認して、その日に応じて本日処方ができるもの、あるいは在庫が限られているもの、それをすべての診察室あるいは病棟において共有する、あるいはすべての医師に説明していくなど大変業務量が増えています。

したがって、後発医薬品使用体制加算について、いろいろご意見があったところですけれども、現状の供給不安定な状況も踏まえ、これだけ業務量が増えて、大変苦労していることを考えれば、現場としては、むしろ評価を高めていただきたいというぐらい思っているのが率直な感想でございます。以上でございます。

小塩会長:ありがとうございました。森委員お願いいたします。

森委員:はい、ありがとうございます。まず後発医薬品体制加算ですけれども、90%まで行きました。ただ進んでいる県と、進んでいない県で数%の差があります。それから資料「総―2」8ページ目をご覧いただきたい。正直、後発品の使用促進に取り組んでいない薬局っていうのは、もうゼロだと思います。

資料「総―2」8ページの右側を見ていただきますと、いわゆる体制加算の算定の対象となっていない薬局、どんなに頑張ってもそこまで届いていないが約1万件あります。まだまだ90%まで届いてない薬局が2万6000件あります。ある意味で、これ“もがいている”ところだと思っています。どんなに後発品の使用率が進んでも、自分たちのやることは変わりません。さらに安定供給に大きな問題を期待している中で、なんとかして、必要な薬を調達することを努力しています。ぜひ、そうした現場の心が折れないように、また、この主張が後戻りすることがないように、ここは考えていただきたいというふうに思います。

それから選定療養ですけれども、資料「総―2」10ページ目を見ていただければと思います。確かに、あの松本委員が言われたように、ある意味では去年の10月というのがピークだったのですけども、10月に行くために、去年の4月から患者さんに選定療養の説明をしていきました。10月以降の特定薬剤管理指導加算3のロを見ていただきます。算定率が下がっていますけれども、まだ算定しています。これはのべつ幕無しで算定しているわけではなく、10月以降も患者さんの薬が変わるたびに、全患者さんに説明しています。そういうことで、必要があるものに関しては算定していますので、そのことはご理解いただきたいというふうに思っています。

最後に、重複投薬と相互作用防止化ですけども、オンライン資格確認が進んで、確かに様々な情報を集められるようになりました。ただ、重複投与や相互作用防止加算は、情報を集めることを評価したわけではなくて、その集まった情報から、薬剤師が薬学的に判断をして、医師に疑義照会をして、その結果、処方が変わったことを評価しているものになります。

オンライン資格確認の情報で、実は、重複投与のアラートが16%出るという結果があります。16%でたからといって医師に連絡した医師も業務が滞りません。どういうものが出ているか、きちっと評価をして、これは医師に疑義紹介すべきか、これは重複しても大丈夫だということも含めて、疑義紹介をやっています。

オンライン資格確認の情報を使えるということ。さらに、そういうことを使って、より質の高い業務に取り組んでいきたいというふうに考えております。以上です。

小塩会長:はい、ありがとうございました。他はよろしいでしょうか?奥田委員お願いします。

奥田委員:はい、どうもありがとうございます。後発医薬品に関しまして、後発医薬品調剤体制整備加算について、すでに1号側、2号側の両委員から意見が出ておりますけれども、資料「総―2」6ページにありますように、長期収載品の選定療養導入後、後発医薬品割合が9割を超えたことが示されております。

そうしたファクトから考えると、当初の目的がほぼ達成された状況と言えます。また、それに伴い、資料「総―2」8ページにあるように、加算全体の算定数が増加する中、加算1の算定が減少し、要件が厳しい加算3の算定が増加をしているという状況にあります。こうした点を踏まえると、すでに役割を終えた加算の廃止、もしくは使用割合が低い場合の減産など、患者負担に配慮した見直しを行うべきというふうに考えております。

1号側委員と重複はいたしますけれども、改めてこの点を申し上げたいと思います。私からは以上です。

小塩会長:ありがとうございましたが、よろしいでしょうか?はいえ、特に他にはご質問の内容ですので、本件に係る質疑は、このあたりとしたいと思います。今後、事務局におかれましては、本日いただいたご意見も踏まえて、対応していただくようにお願いいたします。
 
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(5)

1 2 3 4 5
悪い 良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
ボタン追加
【MixOnline】記事ログ
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー