【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

東邦HD・馬田COO 再生医療等製品のフルラインサービス「いよいよ実現」 25年度中に受託第一弾開始

公開日時 2025/11/17 04:50
東邦ホールディングス(HD)の馬田明取締役専務執行役員COO(東邦薬品社長)は11月14日の2025年度第2四半期決算説明会で、「スペシャリティ製品フルラインサービス」の第一弾として、25年度中にイシンファーマの再生医療等製品に適用する予定だと明らかにした。イシンファーマが承認申請中の表皮水疱症治療用再生医療等製品「ISN001」について、大規模高機能物流センター「TBCダイナベース」(東京都大田区)内の「羽田パッケージングセンター」で今年度中に二次包装を行い、メーカー物流、卸物流まで一貫したサービスを提供すると説明した。馬田COOは「フルラインサービスがいよいよ実現する」と述べた。

東邦HDは、25年度を最終年度とする中期経営計画の主要施策のひとつに「スペシャリティ製品フルラインサービス」を位置付けている。同サービスは羽田空港に近い好立地のTBCダイナベースでスペシャリティ製品のワンストップサプライチェーンを提供するというもの。再生医療等製品の出荷判定から保管・流通にも対応できるようにした。

東邦HDは5月にイシンファーマと資本業務提携を締結したことを発表し、ISN001(予定製品名:アロステム)の外観検査・出荷判定・流通で協力するとしていた。イシンファーマは7月にISN001の承認申請を行ったと発表した。

ISN001は、健常人ボランティアから採取されたヒト(同種)脂肪組織由来間葉系幹細胞を含むゲル状のシート製剤。間葉系幹細胞特有の作用により抗炎症、血管新生、肉芽形成、表皮形成を促し、皮膚潰瘍病変の修復、再生が期待されている。製剤上の工夫によりディープフリーザーで長期保管することが可能で、東邦グループが持つ既存の医薬品物流の仕組みで医療機関に届けることができ、医療機関において保存する場合には必要な時にいつでも使えるという特長がある。

なお、ISN001の対象疾患である表皮水疱症は国の指定難病で、生涯にわたり日常生活の軽微な外力で表皮が剥離して全身に水疱、びらん、潰瘍を形成され、強い疼痛と掻痒が伴う。表皮水疱症の三大病型のひとつである栄養障害型表皮水疱症(DEB)に対しては、Krystal Biotech Japanの国内初の塗布する遺伝子治療薬・バイジュベックゲルが10月に発売された(詳細記事はこちら

◎バイオベンチャーの開発支援でセミナー開催 「複数の企業様からお声がけを頂戴した」

スペシャリティ製品フルラインサービスでは、TBCダイナベース内のCDMO事業・メーカー物流・卸物流の機能のほか、バイオベンチャーの開発支援・プロジェクト評価や、上市後のプロモーション及び服薬フォロー(ラストワンマイル)の機能も持たせる計画で、必要に応じてそれぞれの機能に強みを持つ企業との協業を進めている。

馬田COOは決算説明会で、9月に帝人リジェネット、伊藤忠商事との3社共同でバイオベンチャー企業向け「再生医療トップランナーセミナー」を開催したことを紹介した。同セミナーには40人以上が参加。再生医療エコシステム構想が紹介されるとともに、参加者と課題の共有などを行ったようだ。馬田COOは、「このセミナーを契機に複数の企業様からお声がけを頂戴した。アライアンスの可能性を見据えた具体的な協議も進んでいる」と述べた。

◎枝廣社長 3Dの株式追加取得に「企業価値、株主共同利益の向上を妨げる可能性がある」

東邦HDの枝廣弘巳代表取締役社長CEOは、10月31日及び11月6日に発表した投資ファンド・3Dインベストメント・パートナーズによる株式大量買付行為への対応方針を改めて説明した。3Dは9月末時点で、議決権保有割合で東邦HD株の23.28%を保有している。枝廣社長は、3Dによる株式追加取得は、「3Dと一般株主の皆さまとの間で利益が相反している恐れがある」と指摘。その上で、「当社の中長期的な企業価値、ひいては株主共同利益の向上を妨げることになる可能性があると考え、当社の社会的使命である医薬品の安定供給を守り、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保を目的に、大規模買付行為等に関する対応方針を導入することにした」と述べた。

対応方針公開後の3D側の反応については、「株主様との具体的なコミュニケーションの内容については回答を控えるが、現時点で開示すべき事項は特にない」と話した。

◎25年度上期の医薬品卸売事業 営業利益率0.99% 仕入原価の上昇や人的資本への投資で

東邦HDの25年度上期連結業績は、売上高が前年同期比1.71%増の7678億9900万円、営業利益は1.65%減の72億5800万円だった。

連結売上の9割超を占める医薬品卸売事業の業績は、売上高は1.43%増の7391億6500万円だった。営業利益は8.20%減の73億4900万円で、営業利益率は0.11ポイント悪化の0.99%だった。

売上高は、スペシャリティ医薬品をはじめとする「取扱卸限定製品」や帯状疱疹ワクチンが引き続き好調に推移し、新型コロナ関連製品(治療薬、検査薬、ワクチン)の需要減をカバーした。馬田COOは、新型コロナ関連製品を除く取扱卸限定製品の25年度上期売上は1518億円で前年同期比20%増だったと説明した。

一方、仕入原価の上昇により売上総利益率は0.06ポイント悪化の5.48%。販管費は、経費圧縮に努めたが、報酬体系見直しによる人的資本への投資などにより2.51%増の331億6200万円となり、販管費率は0.05ポイント増の4.49%となった。売上総利益率の減少や販管費の増加を主因に営業利益率は1%を切った。

医薬品卸売事業の25年度通期計画に対する上期の進捗率は、売上は48.92%、営業利益は38.28%となるなど厳しい状況だが、通期計画は据え置いた。枝廣社長は、通期計画の達成に向けて、「売上総利益の面では、引き続き適正価格での丁寧な価格交渉と、顧客支援システム(=診療予約システム)の提案活動を強化する」と説明。販管費については「いっそうの業務改善と物流効率の向上を推し進め、費用をコントロールする」と強調し、計画達成を目指す考えを示した。
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(8)

1 2 3 4 5
悪い 良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

MR数 24年は前年比6.7%減 1700人以上減少
24年MR数アンケート調査

MR数 前年比6.7%減 1700人以上減少

2024/06/01
2024年MR数アンケートで、MRがこの1年間に1700人以上減少したことがわかった。減少率は6.7%で、本調査開始以来最も高くなった。
【MixOnline】関連(推奨)記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
ボタン追加
【MixOnline】記事ログ
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー