【中医協薬価専門部会 12月10日 議事要旨 令和8年度薬価改定について関係業界から意見聴取】
公開日時 2025/12/11 05:59
中医協薬価専門部会が12月10日に開かれ、令和8年度薬価改定について関係業界から意見聴取を行い、議論した。本誌は、各側委員と関係業界との質疑の内容を議事要旨として公開する。
【意見陳述者一覧】
・日本製薬団体連合会 会長 安川 健司氏
・日本ジェネリック製薬協会 会長 川俣 知己氏
・日本製薬工業協会 会長 宮柱 明日香氏
・米国研究製薬工業協会 在日執行委員会 委員 傳 幸諭氏
・欧州製薬団体連合会 欧州製薬団体連合会 理事 菊池 加奈子氏
・再生医療イノベーションフォーラム 副会長 廣瀬 徹氏
・日本バイオシミラー協議会 会長 島田 博史氏
・日本バイオテク協議会 理事 関 誠氏
・日本医薬品卸売業連合会 会長 宮田 浩美氏
(関係業界の意見陳述は略)
城山部会長:以上で、予定されていた一通りのご説明をいただきましたので、これから質疑に移りたいと思います。ご質問、ご意見等いかがでしょうか。はい、江澤委員どうぞ。
江澤委員:はい。色々とご説明いただきましてありがとうございました。私から3点、質問をさせていただければと思います。まず一点目は、資料「薬―1」につきまして現状、治験着手に至った事例等が増えているという前向きなご報告をいただきました。こういった傾向は今後も継続して続くようなものなのでしょうか。それについておうかがいしたいと思います。
続きまして2点目は、資料「薬-2」の3ページでございます。右下のところに市場拡大再算定の特例の名称変更は断固反対という記載がございます。この件に関しましては、創薬されるお立場とそういった恩恵を享受する患者さんのお立場、そして何よりも公費と国民の保険料、そして患者さんの一部負担で成り立っている皆保険の公的医療保険制度、これらの複雑な連立方程式の最適な解を求めるというのは非常に難しい問題だというのは十分認識しておりますけれども、我が国は独自の公的な公的な保険医療制度がある中で断固反対ということは、まず現状の名称を維持するという理解でよろしいでしょうか。
それから2つ目の四角のところに、価格調整以外の手法も含めた対応策というのがありますので、もしあのお考えが現実にありましたら、もう少し具体的におうかがいできればと思っております。
最後の3点目ですけれども、資料「薬-3」の日本ジェネリック製薬協会についてご質問させていただきます。かなり長きにわたって、当初はいわゆる、企業のコンプラ問題に端を発したと思っておりますけれども、これほど長く供給不安定が続くということは誰も思っておらず、もう約5年間ぐらい続いており、何を申しているかというと、いまだに現場の医療機関、薬局等においては大変な労力を要しており、本来ならその労力は患者さんの色々な服薬に関する指導であったり、あるいはハイリスク薬剤の丁寧な指導であったり、そういったところに本来なら充当する時間がかなり、そういった不安定供給に対する業務に日々割かれているのが現実だと思っています。
以前も同じことを質問しましたけれども、今回としてはいつ頃メドが、少しでも解消する方向に・・・今不採算品再算定など、制度はもう色々当然後押しをしている中で、今後どういったメド、特に安定供給の責任者会議というのを設置され、前向きに取り組まれているとうかがっておりますけれども、今どういった状況にあるのかを含めて、ちょっと見通しについて。もう我々は本当に切ない思いで日々そこが非常にあの労力を増し、ひいては患者さんの治療提供とかにも大きく影響している部分でございますので、 ちょっと見通しについておうかがいできればと思います。以上、3点、ご質問でございます。
城山部会長:はい、どうもありがとうございました。そうしましたら、3点質問をいただきましたので、それぞれ答えていただけると思いますが、最初、どうしましょうか。
安川・日薬連会長:ありがとうございます。1つ目は、製薬協の宮柱会長から、2つ目は私から、3つ目は川俣会長からお願いします。
城山部会長:はい、その順序でお願いします。
宮柱・製薬協会長:はい、江澤委員ご質問ありがとうございます。1点目のドラッグ・ロスに関する制度によるポジティブな影響が、今後も継続するかというご質問であったかと思います。本日ご紹介をさせていただいたとおり、過去3回の調査で制度改革後の企業の意思決定がすでに治験に着手したといった実際の開発行動に結びついていることがまずは報告されたものと我々としては考えております。
制度の予見性であったり一貫性が担保されれば、研究開発には非常に多額、そして中長期の投資が必要になりますので、そういった開発戦略も可能になる、そして持続的な効果が期待できるというふうに捉えております。
ただし、本日申し上げましたが、逆に言いますと、今回の2026 年度の薬価制度改革がどうなるかというところですね。あと、米国の最恵国待遇加算政策に見られますように、創薬、そしてお薬を届ける世界の中でも、国際競争力をどう日本が保持していくか、そういった日本の位置づけというのが非常に重要になりますし、こういった制度改革、そして予見性、そして一貫性の担保、こういったものが実現するとですね、この動きも継続するものというふうに捉えております。
安川・日薬連会長:はい、それでは2つ目、私がしゃべりましたスライドのページで2点質問をいただいたと考えております。1つ目は、イノベーションの評価と公費、保険料のバランスをいかに取っていくか、最適な解を出すのは難しいと思うけれども、業界としてこの制度維持にどう考えているかというご質問と理解いたしました。たぶん、同じような議論が言葉を変え、今回で何回も議論されたと思いますけれども、ちょっと時間をいただきまして、業界の立場を述べさせていただきたいと思います。
業界の立場というか、製薬業界の経営者という立場でどう考えているかということでございますけれども、まず我々は 営利団体でございます。慈善のボランティアではございません。多くの会社は株式会社です。あのドイツのベーリンガーさんのように巨大な富を持っている人がクローズドのカンパニーを営んでいるわけではございません。ということで、株式を全世界に対して発行し、それらの投資家の資金を元に会社を運営しております。
その投資家に対して十分なリスクを取っていただいた見返りのお金をお支払いする、あるいは株価を維持すると向上していくことで、我々は世間に存在することが許されております。これがまず大前提でございます。
一方で、世の中には格付け会社なるものが存在しております。昨今ではコンプライアンス、あるいは環境問題、人権問題、全てをクリアにした、に加えて、短期では ROE の5%以上を確保しろと。これが達成されない場合には、経営者あるいは会社そのものが存在することが不適切であるというシグナルを全世界に向けて出されてしまいます。我々はこれとも戦わなければいけません。彼らの合格ラインである ROE 5%というのも、彼らがどんぶり勘定でやっているものではなくて、全世界自由主義経済の諸国の中で、今の経済成長率とか、それからちゃんと価値あるものを、価値ある適切な値段で商売していれば ROE 5%は確保できるでしょう、とそういう計算のもと示されている数字だと思っております。
我々、この長年の経営努力で、もう非常に筋肉質な体質になっております。弊社の例で申し上げても、一時期2400人ほどいた MRは現在600人にまで減っておりまして、これ以上の経営努力というのはなかなか難しいような状況に来ております。
こういう中で、今の日本の薬価制度だと ROE5%は全然達成できません。ジェネリックの方々はもう少し厳しい状態にありまして、設備の更新なども難しいような状況になってきております。などなどを考慮しますと、 ROE5%を稼げるような薬価をつけられないのであれば、この今の現行制度は大きく見直すべき、あるいは原資を確保する他の方法を模索すべきではないかというのが我々の経営者としての意見でございます。
こう言ってしまうと、世の中には経済的に恵まれない人もいるんだから、そういう人をじゃあどうやって救うんだというのが次の質問になってくると思いますけれども。そういうような社会のネットワークですね。経済的に恵まれない方にどういう手を差し伸べるかというのは、全く別の社会問題であって、 “二列後ろ”の厚労の方々に考えていただくようなアジェンダではないかというふうに考える次第でございます。
二点目のご質問は、緑の枠の中の二つ目のポチ、価格調整以外の手法は何かということでございますが、これは私のプレゼン中でちょっと述べさせていただきましたけれども、やはり医療費の中でいま薬剤費は20%しかない。この制度全体を維持させるというか、もっと大きな視点で言えば、健康保険法をどう維持していくか。昭和31年か2年に作ったもの(※編集部注:国民健康保険法の制定は昭和33年、国民皆保険を指すのであれば昭和36年)をそのまま使い続けていくのはもう無理があるので、どういう方法にすれば一番いいのか。これを議論するためには、広く国民にもこの社会問題を理解させ、国民からの代表も募り、そして我々当事者も入った中で、中医協という枠を超えてですね、日本の健康保険をどういうふうにしていくべきかというのを考える時期じゃないかとこういう趣旨のことを申し上げましたし、同じことを先週、議員の方々、あるいは厚労、文部、経産、財務のお役人がいる中でも私は同じようなことを申し上げました。以上、二点目のご質問に回答を申し上げました。まず、3点目にご回答いただいて、その後また質問をいただければと思います。
城山部会長:川俣会長ですかね、はい。
川俣・GE薬協会長:ありがとうございます。確かにジェネリック医薬品の供給問題は、いわゆるコンプライアンス問題に端を発したものではございますが、 2020年からジェネリック医薬品の数量シェアが格段に伸びてきたという状況でございまして、 2022年の段階では80.7%というところまできましたので、大体このあたりで供給量としては十分なのではないかと考えていたところが、 2023年には82.7%、2024年には85%、2025年にはもう90%という状態でございまして、それぞれ年度ごとに40億錠ですとか、 60億錠、トータルで100億錠以上の需要が拡大しているというふうな状況でございます。
我々はこのコンプラ問題に対応すべく補償生産を行ったわけですが、増産すればするほど数量シェアが伸びていくというような環境になっております。私どもジェネリック製薬協会の主要14社におきまして大規模な設備投資を行っておりまして、これが実は2700億円もの設備投資を実施・計画をしているところです。これに基づいて、増産可能数量というものを上げていく取り組みをいたしております。また、これに加えて、ご指摘のありました少量多品目生産で非効率になっている生産動態につきまして改善をしていく、いわゆる品目の肩寄せを行って、より効率の良い製造ができるような取り組みも今、行っているところでございます。
ジェネリック製薬協会としては会員企業に対して、自分たちの設備投資が過剰であるのかどうかということを心配されている企業のために実態分析を行いまして、決して過剰ではない、まだまだ足りないということを会員企業に対して通知をしまして、より前倒しをした設備投資を進めるようにということをお願いしているところですし、また効率化に向けた、品目統合について進めるように要請をしているところです。
これらの分析を基に2027年度ぐらいには、需要が供給を上回るという計算ができております。これに向けて、私ども協会としても着実に計画を進めてまいりたいと思っておりますので、ご理解のほどお願いしたいということでございます。
城山部会長:はい、江澤委員、いかがでしょうか。
江澤委員:まず、2点目のご回答ありがとうございます。もちろん企業の経営者のお立場ということで、十分中身については理解をしております。一方で、1961年、昭和36年にできた医療保険制度、これをどう持続するかは、我が国にとっても最大の命題であります。
先ほど、“2列目以下”の人がお考えになることだというふうに第三者的に申し上げたのは、私は非常に残念だと思っています。
製薬業界も我々医療提供側もあるいは保険者側も、あるいは国民全てが真摯に取り組む課題で、厚労行政だけが考えるというのは、非常に違うのではないかと思っています。
これは、何のために中医協があるのかと考えると、これは皆で考えていく。先ほどの複雑な方程式をどう解き明かすのかということは大変重要だということは申し上げたいと思います。我々も当然企業の立場も理解した上で発言はしているつもりですから、どこで最適な解を求めるのか、真摯に取り組んでいただければというふうに思っております。
安川・日薬連会長:すみません。私の説明の順番が悪かったりして、すみませんが、貧しい、貧しいと言ってはいけないかもしれないが、経済的に恵まれない方へのセーフティーネットワークっていうのはちょっと別の問題で、それは社会セーフティーネットワークの話なのでこの場とは違うんじゃないかなと思います。それは、厚労省の方々のエリアじゃないかということを申し上げて、その前の健康保険法の維持とかですね、この辺は我々も別に丸投げするわけではなくて、一緒に考えていきたい。
江澤委員:申し訳ないですけれども、貧しい方も含めた上で申し上げました。制度というのは、全ての国民に対して、当然所得の少ない方も含めて守っていくのが制度でありますので、その部分だけを切り取って別だというのは、公的な国民皆保険の中の考え方には相容れないと思っていますので、そういう点でも申し上げたのでご理解いただければと思います。
続きまして、3つ目はなかなか答えにくいと思うんですけれども、将来いつまでというのはなかなか期限が切れない問題だとは理解していますが、毎回出ているような対策だと、我々としては先が見通せないというふうには思っています。特に目を向けていただきたいのは、個々の医療機関や薬局の現状がどういった状況であるのかをつぶさに見ていただきたいと思っておりますし、我々の医療機関においても日々日々本当にあの苦労している現場がありますので、それが全国の医療機関の悲鳴だというふうにご理解いただきたい。その上で、どうなのかと。もちろん全体的な対策とか全体的なパーセントがこうだというのは、もちろん改善していただきたいと思いますが、最終的には個々の医療機関の状況がどうだ、ということがファイナルアンサーだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
関連で、国のいわゆる安全保障にも関わるような大きな問題だというふうに認識している中で、事務局におうかがいしたい。国として少し積極的に関与して対応していかないと、なかなか克服できない問題だと思うのですが、もしお答えいただけるようでしたらお願いいたします。
城山部会長:はい。関連して今の点、事務局の方からいかがでしょうか。
事務局:はい、医政局医薬産業振興課長でございます。医薬品の安定供給に関しましては、ただいまジェネリック協会の皆様からもお話ありましたが、まずは足下の対策として、国としては増産要請を行い、さらにそれに対する財政支援を行っているところでございます。
加えて、少量多品目生産という業界の構造問題に対応していくということも同時に必要でございます。これにつきましても財政支援を行っておりまして、先般の薬機法改正で造成されました基金についても、今回はご審議いただいております補正予算において800億を超える金額を計上しているというところでございます。
また、個々の企業の取り組みに加えて、システムとしても安定供給を組み込んでいくということで、供給確保医薬品制度でありますとか、供給管理責任者の設置でありますとか、そういった対応をしております。また、先ほど委員の方からも薬価の下支えのお話ございましたけれども、流通におきましても、医療上の必要性の高いものについては別枠品とするようなガイドラインの改訂も行うなど、総合的に対応取り組んでいるところでございまして、まだまだ現場は厳しいのだとのご指摘をしっかり受け止めて、引き続き業界とともに安定供給に取り組んでまいりたいと考えております。
城山部会長:はい、江澤委員どうぞ。
江澤委員:はい、ありがとうございます。ぜひ国としても具体的な時系列、目標年度を定めて取り組んでいただくことは要望したいと思います。以上でございます。
城山部会長:はい、ありがとうございました。はい、宮柱会長お願いします。
宮柱会長:すいません、製薬協の宮柱です。少し追加コメントをさせてください。江澤委員のおっしゃったとおり、国民皆保険を本当にどうやっていくか、国民の負担をどう考えるか。そして、我々はやはり研究開発型の企業ですので、本当に革新的な医薬品を国民にどう届けたらいいか、そういった本当に複雑な議論はぜひ産業界としても積極的に参画して、皆さんと一緒に議論をしていきたいというふうに考えています。
先ほどご質問の中にあった点で、一つだけコメントをさせていただきます。そういった中で、資料「薬-2」3ページにあった市場拡大再算定の名称変更のところ、触れられていたかと思いますが、我々は申し上げている通り、国民の負担を考えるにあたって、それを薬価だけによるものではないというふうに考えております。
つまりは、名称の変更だけではなく、その中身。廃止も要望しておりますが、その合理性をもっともっと高めるような制度、そしてそれに伴う名称、そういったものにしていただきたいというふうに考えておりますし、本日陳述をしておるような市場合理性のない市場拡大再算定、共連れを中心にそういったものはイノベーションの強化を著しく損なっているというふうに捉えております。以上です。
城山部会長:はい、どうもありがとうございました。他いかがでしょうか?それでは森委員お願いします。
森委員:はい、ありがとうございます。各団体におかれましてはご説明いただきありがとうございました。いくつか意見と質問をさせていただければと思います。まず、資料「薬―2」3ページ目(市場拡大再算定について(対応の方向性1.(4)①))についてです。市場拡大再算定の特例の見直しですけれども、前提条件が変わらずに、特例の対象となるということは市場で評価された真に有用性が確認され、市場規模が拡大した医薬品だというふうに考えております。
イノベーションの評価と、国民皆保険維持とのバランスを考慮した検討が必要で、真に優先のある医薬品については適切にイノベーションを評価することが必要だというふうに考えています。一方、イノベーションが乏しくて、市場が縮小した側の薬剤については、適正化が必要ではないかというふうに思いますけれども、これについて業界側のお考えをお聞かせいただければと思います。これが1点目です。
2点目ですけれども、資料「薬―2」の5ページ目と10ページ目のところに乖離率の考え方について言及がありました。先ほど乖離率に基づく薬価制度のあり方を見直すべきだという発言もありましたけれども、乖離率は縮小しているため、今後、安売りしなくても平均乖離率を超えることが考えられるんじゃないかというふうに思っております。
また薬局、医療機関にとっては管理コストや廃棄損耗コストを賄うためにも一定の薬価差が必要ですが、現在の薬価差の中で管理コストを賄えない薬局も少なくない状況となっております。
そもそも4.8%の乖離率は、サプライチェーン全体の視点の中で果たしてどうなのか。薬局、医療機関でかかるコストを賄うための必要な薬価差とはどういうものなのか。過度な薬価差とはどういうものかということを、ここは一度、今後整理をしていく必要があるのではないかというふうに考えております。
それから資料「薬―2」7ページ目ですけれども、重要供給確保医薬品の見直しの趣旨に鑑みれば、「B」群も含める意見には賛同します。その上で、医療上の必要性の観点から追加すべき薬については、「A」、「B」に限らず、ここでは適宜追加していくべきだというふうに考えております。また、資料にはありませんが10月の中医協で示された薬価基準から削除する506品目がありました。その中でおうかがいしたいことですけれども、削除に向けた経過措置期間は、来年の3月までとなっております。経過措置期間については、流通状況などを踏まえて、延長が必要な場合、企業からの申し出により延長可能となっていますけれども、これまで延長されたものは正直そう多くはありません。
経過措置期間を過ぎると、使用できなくなったり、残った医薬品は、薬局、医療機関の負担となるとともに廃棄されるため、医療資源の無駄にもつながっています。現状の供給不安の中では、医薬品供給への影響もあります。経過措置期間に関しては、最終ロットの使用期限までにしたいしていただきたいというふうに現場では考えていますけれども、これに関して企業側としてのお考えを教えていただければと思います。
次に日本ジェネリック製薬協会の方に質問です。安定供給責任者会議に関して説明がありましたので、ここは下げておきますけれども、資料「薬―3」の中で、後発品の各種ルールを見直すにあたり、まずは大前提として、安定供給に貢献する企業が正しく評価される形にすべきというふうに考えております。その中で質問になりますけれども、今回のAGの新規収載時に先発品の薬価と同一するということが提案されていますけれども、これに関して受け止めをお聞かせいただければと思います。
また、G1ルールの見直しなどで、長期収載品の適正化が進んで後発品への置き換えが進んでいくことが考えられます。置き換えへの対応について業界として、各企業をどのようにリードしていくのか、支援することがあればお考えをお聞かせいただければと思います。
それから、もう一点。先ほど薬価差の縮小の話がありましたけれども、今回は平均乖離率を超えない品目を対象とすべきというふうに記載されていますけれども、先ほどお話したように、いわゆる安売りしなくても、今後超えてしまうということが起きてくるのではないかというふうに思っています。そのことに関してどのように考えているかお聞かせいただければと思います。
あと資料「薬―3」4ページ目に供給不安の解消の対策について、個々の企業だけではできないものに関しては協会がしっかり取り組むという意見表明がありましたので、ここはしっかりと取り組みをしていただきたいというふうに思っております。
日本バイオテク協議会ですけども資料「薬―5」の資料の中で、具体的に開示の評価方法について、何か協会としての考えがあればお聞かせをいただければと思います。
最後、医薬品卸売連合会ですけれども、資料「薬―6」3ページ目です。卸と一部の医療機関、薬局のグループの本部交渉、価格交渉の中で単品単価交渉がされていない場合があるということですが、66%が単品単価交渉を行っていないということでしょうか?念のために確認をさせていただければというふうに思います。私からは以上です。
城山部会長:はい、4つの資料についてご質問があったので、それぞれについて、ご担当からお願いしたいと思いますが、まず資料「薬―2」について3点ほどご質問があったかと思いますが、安川会長の方からよろしいでしょうか。
安川・日薬連会長:資料「薬―2」につきまして、1つ目が市場が縮小した薬剤の取り扱い、2番目が乖離率4.8%はどう思うか、あるいはそれを上回った薬剤でも薬価を調整しない方がいいんじゃないかという観点。3つ目が経過措置についてのご質問だと理解しました。
1つ目ですけれども、一番考えられるケースは、まずAという薬剤が先に上市していて、その後Bという薬剤が同じ適用について上市されたと。Bの方が明らかに効果が良い、あるいは安全性に改善が見られたなど明らかに決定的な差があったような場合が一番典型的だと思っております。
この情報化の時代ですので、そういう明らかにBの方が良いという情報が医師のところに行けば、自動的に速やかに市場は置き換えられますし、薬剤Aは天寿を全うすると思っておりますので、自動的に市場から無くなっていくということで、措置をする必要がないようなケースじゃないかと思っております。これは弊社でも経験がございます。
もう1つは、例えば、その先行品のAという薬が適用1、適用2、適用3を持っていて、そのうちの適用1については、先ほど申し上げたようなことが起こったけれども、適用2、適用3については代替品もなく、患者さんを救うための唯一の手段であるような場合もあると思いますので、ケースバイケースで柔軟な対応をしていただくのが一番いいんじゃないかと考えます。
2つ目のご質問、平均4.8%のところでございますけれども、自由取引下においては償還額である薬価が事実上取引価額の上限となるのが通常。時折、委員の方が発言されるけれども企業が安売りをしていなくても、常に一定の価格差が生じる仕組みになっているのが今の慣行でございます。
森先生のご意見の通り、平均乖離率がこれだけ縮小している状況において、製薬企業の立場以上に、医療機関、薬局、卸のステークホルダーの皆様にとって、平均乖離率を基準とした薬価見直し制度は、もはや限界に来ているのではないかということでは同感でございます。
制度にとらわれず市場実勢取引価格をもとに引き下げることを前提とした現行の薬価改定ルールそのものを見直す時期ではないかというふうに考えております。
3つ目の経過措置についてのご質問ですが、これは厚労省の方のご指導に従うというのは業界の立場でございます。
城山部会長:まずこれについていかがでしょうか。森委員お願いします。
森委員:はい、ありがとうございます。最初の薬剤A、Bのところですけども、薬剤Aが出て、Bが出て、Bがすごく評価させて売れたと。ここの前提条件が変わらず、評価された時には下げることを考えてくれよとご指摘されていて、私もその通りだと思います。
一方、イノベーションがあまりなく、Aの方が売れなくなって、撤退していけばいいんですけども、あるものをどうするかっていうと、ここはメリハリっていうことを考えると、何か考えていかないと違うところに評価をつけるっていうのは、なかなか難しいかなというふうに個人的に思っていて、やはり真に評価されたものに関しては、しっかり考えていくべきではないかと思っています。
それから経過措置ですが、本当にもったいないと思うんですよね。正直、使えるものを使わない。例えば、安全上の問題で回収とかあって何かケースで出たものは別ですけども、そういうものに関しては最終ロットの最終期限まで使わせていただけると。いまこれだけ供給不安がある中で、今回の品物の中にも例えば感染症の治療薬とも入っていましたけれども、そういうものに関して、患者がすぐに来るわけではありませんから、最後まで使わせていただくというのが良いかというふうに思っております。
それからもう1つ。いま様々な新薬が開発されて、1品目で複数の適用を持っていて、さまざまな部位の同一疾患への適応が拡大されている。そういうものをどう見ていくかっていうのは課題で、そこはしっかり考えながら進めていくべきではないかというふうに考えております。以上です。
城山部会長:はい、ご意見ということでよろしくお願いします。続いて、資料「薬―3」ですね。川俣会長いかがでしょうか。
川俣・GE薬協会長:はい、ありがとうございます。今の薬価の経過措置期間の話でございまして、GE薬協としても今後かなり多くの品目の薬価削除願いを申請する形になろうかと思います。
今までは品目がさほど多くなかったということもありましたので、あまり先生方にご迷惑をおかけするということはなかったんだろうと思いますが、今回上期で500、下期でおそらく1000品目ぐらい薬価削除というふうな形になるところでございますが、薬価削除願いを供給停止事前報告書を提出させていただいて、薬価削除願いを出すまでの間は、確実に安定供給を続けなければならないわけです。その後、経過措置期間に入る期間が短いということで医療機関における在庫が無駄になってしまうという状況の中で、これまで我々としては、薬価削除願を出す前に、少し生産を絞ったりというようなケースが認められたということでございます。
今後においては薬価削除願いを出すまでは、着実に安定供給を行って、経過措置期間に入った時点で供給は停止。停止はするんだけど市場の流通品については申請が保険適用できますよっていう環境においていただくというのが限りある資源をより有効に活用できる方法だと思います。ご検討のほどをよろしくお願いしたいというふうに思うところです。
また、4.8%の平均乖離率を超えるか超えないかというところでございます。現在も逆ザヤ問題で一部ご迷惑をおかけしているようなものがあるわけですが、この4.8%以内で価格コントロールするというのは非常に我々としても苦労するところですし、森委員や医療機関の先生方においても、必要な経費というのがあろうかと思いますので、その狭間で我々が苦労して、また、卸連の方々にもご迷惑をおかけしながら、安定供給を努めてまいるところでございますので、この不採算品再算定の適用ルールについては一定のご配慮をいただきたい。全体の平均乖離率と、長期収載品やジェネリック後発医薬品の平均乖離率は、またちょっと違うところにありますので、そのあたりも見ていただいた対応をしていただければ、というふうに考えているところです。それでよろしいでしょうか。
城山部会長:最初のご質問に、もうちょっと個別のいくつかありましたね。ちょっとご確認いただければ。
森委員:AGの質問、AGの価格が同じになることに関しての受け止めをお願いします。
安川・日薬連会長:オーソライズド・ジェネックの価格についてのご質問だと思っておりますけれども、(AGは)物量で言いますと約20%ぐらい。ジェネリックは80%として、そのぐらいの物量がありまして、適用あるいは薬剤によっては、もっと高い市場占有率があると理解しておりますので、価格等を調整する場合には、なんらかの経過措置がないと、やはり安定供給ですね。急にどちらかが売れて、どちらかが売れなくなって、どちらかがカバーしなければいけないというのは時間のかかる話でございますので、時間を十分とっていただいてルール変更するならしていただきたいというふうに考えております。
城山部会長:はい、どうぞ。
森委員:はい、ありがとうございますの。そうしますと先発品メーカーからしたら、市場を挙げ渡すということの1つとして価格が同じになることに関しては特に何も考えていない。もう1つは、そうなったときにAGよりも後発品の使用が進むことになると、そこは安定供給をしっかり体制をとっていただきたいということになります。
それから先ほどの平均乖離率のところですけども、安売りをしていて不採算品再算定を申請するのはあってはいけないことだと思いますけれども、これだけ乖離率が縮小された中で、意図せず超えてしまうときに不採算品再算定を申請できないことが起こるんじゃないかということを心配しています。
定価があれば差益というのは出る。定価が薬価ですので。それで例えば医療機関や薬局に入ってきた時に管理コストも損耗廃棄コストも出ません。モノを動かす、管理するといってコストがかかります。そこは一定程度あるなかで、やっぱり今の平均乖離率4.8%というものが本当にサプライチェーン全体としてどうなのかということは考えていかなければならないと考えております。
城山部会長:いまの点はよろしいですかね。そうしましたら続いて資料「薬―5」についてもご質問があったかと思います。いかがでしょうか。
関・日本バイオテク協議会理事:ご質問ありがとうございました。開示度の評価方法については独立企業間の取引分を除外して算出する方法が考えられると考えております。特に海外企業と我々国内企業の独立した企業同士の取引の場合、開示度が困難な場合が多いため、これを除いて開示度を算出していただくことを考えられます。
一方、独立企業間以外の取引については、基本的に企業努力で開示できるという前提に立った考え方でございます。以上でございます。
城山部会長:ありがとうございます。森委員いかがですか。
森委員:開示度を向上するという中で、なかなか難しいことかもしれないですけど、次々改定に向けて、ここのところはしっかりと現状を見ながら検討していくべきだというふうに考えています。以上です。
城山部会長:最後に資料「薬―6」ですね。如何でしょうか。
宮田・卸連会長:ご質問ありがとうございます。資料「薬―6」3ページの資料は、令和6年9月の末に厚労省の方で調査していただきまして、価格交渉のあり方・形態、流通改善ガイドラインの実効性を高めるためには、どういう形態があるのかという実態を調べた結果でございます。
流改懇でこの資料が厚生労働省の方から出されて議論されているんですが、ご指摘のあるように、この「2」のところ、「グループあるいは本部一括で交渉しているようなケース」においては34%が単品単価で、66%が単品単価になってないというご指摘のとおりでございます。
普通でないわけでございますので、これは継続的に調査しながら流通改善ガイドラインの順守の相互理解を深めていくということが非常に重要であると、そのように考えております。ぜひご協力の方よろしくお願い致します。以上でございます。
城山部会長:森委員どうぞ。
森委員:ありがとうございます。ということは、これは医療機関と薬局のグループから総価での価格交渉を求められているということでよろしいですか?
宮田・卸連会長:実態として総価交渉になっているということですね。ベンチマークだとか、あるいはコンサルが入った部分だとか、それから価格を代行する業者、こういったところの交渉が入っているということでございます。
城山部会長:はい森委員お願いします。
森委員:先ほど、流通当事者間というお話がありましたけれども、求められても受けるかどうかは卸が毅然とした態度で、ぜひこれをやって欲しい。この問題はずっと続いている。私も流改懇の委員を10何年やっていましたけれど、ずっと続いている。求める方が悪いのか、受ける方が悪いのか、このことがずっと問題になっている。しっかりと取り組みをしていただきたいと思います。
宮田・卸連会長:ご指摘を真摯に受け止めます。ただ、乖離率が現状のように圧縮というか、こうなってきている状況では、流通改善ガイドラインが、少しずつではございますが浸透してきているのかな?そういう実感を持っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。以上でございます。
城山部会長:はい、森委員どうぞ。
森委員:はい、ありがとうございました。あと、資料「薬―6」6ページ目を見ていただいて。逆ザヤのところですけども、この中で特に低薬価品っていうこともあったんですけども、1000円以上10万円未満が結構品目としてはあります。これ、結構高価な薬の中で逆ザヤが出てきてしまっているということなので、きょうここでお答えできない部分もあるかと思う。これは企業の方の問題もあるかと思うんですけれども、何故こういうところで逆ザヤが出てきているのか。
例えば10万円の薬が1錠残ってしまったら、これは大変なことになると思います。一般的な薬局の月間の最終的な収益が税抜きで123万円です。1錠、2錠残ったら、もうマイナスということになります。なぜ起きているのか、低薬価品が良いというわけではありませんけれども、ここはしっかりとこういうことがないような形でサプライチェーン全体で考えていかなければいけないんじゃないかと思います。以上です。
城山部会長:問題提起ということでしょうかね。
森委員:はい。
宮田・卸連会長:ありがとうございます。詳細については、ちょっと資料がございませんので確認をさせていただきます。ありがとうございます。
城山部会長:他いかがでしょうか。松本委員お願いします。
松本委員:ご説明どうもありがとうございました。2号側の方からたくさん質問が出ましたので、私から質問とコメント1件です。
質問は、資料「薬―6」(卸連提出資料)に関してです。薬価調査の結果を見ますと、速報値の内訳で、令和7年度薬価改定で最低薬価を3%引き上げたにもかかわらず、最低薬価品も7.3%ということで、値引きをしても下支えによって薬価が戻るところで、こうした事態が生じているのではないかと思わざるを得ません。
資料「薬―6」の8ページ(持続的な医薬品の流通へ向けた意見)に示されておりますが、これまでも、流通改善ガイドラインを踏まえ、適切な価格形成に取り組まれてきたかと思いますが、その結果、会員企業の動きにどのような影響があったのか教えていただきたいというのが1つ目の質問です。
また、資料「薬―6」8ページの「2」にありますけれども、「流通改善ガイドラインの実効性のある改訂と周知」というのは、具体的にどんなことを示されているのか教えてほしいというのが質問です。
あと、コメントでございますが、複数の委員の方から、薬価の平均乖離率が縮小しているので、薬価差をさも是認するかのような発言が出ておりますけれども、そもそも調整幅というのが、そういった管理コストを考えて認められるということは、ご承知かと思います。
また、こうした過度な薬価差については、4大臣合意の中で「国民に還元する」という政府方針が示されております。それに従って薬価改定、さらには特に中間年改革も行われているということを忘れずにいていただきたいということはコメントしておきます。私からは以上です。
城山部会長:それでは、最初のご質問の部分についていかがでしょうか?
宮田・卸連会長:ご質問ありがとうございます。少し背景からお話しさせていただきますが、現在の価格交渉のあり方、先ほどの森委員からもご質問ございましたけれども、医療機関、薬局も経営が相当厳しい中で、まさしく先ほど江澤委員からお話あったように、我々卸だけが需給調整で大変な思いではなくて、医療機関や薬局も大変な思いで時間や労力がかかっている。そういった中で、実は価格交渉のあり方の中に資料「薬-6」の3ページに示めさせていただいていますように、ベンチマークやコンサルを使った一括交渉があるわけですね。
価格交渉をやる前提として、前年度の加重ベースを基本としてスタートするっていうことが、一般的にこの商習慣が続いているわけでございます。そういう中で卸も当然、受給調整あるいは業務負荷がある中で、別枠品あるいはそういったものについて、新創品もそうですが除外交渉というものを一生懸命やっている。現場では担当のMSを含めてやっております。
ただし、そういう中でも、やはり前年の加重ベースがまだベースになっているということで、先ほども意見陳述の中でお話をさせていただいていますが、総価交渉の取引がまだまだ残っているということでございます。
先ほど、森委員から厳しいご指摘がございましたが、ここについては相互の理解のもと解消していかなくちゃいけないのですが、ただ、松本委員からご指摘のあった最低薬価品目を挙げていただいたのに、また下がっているじゃないかと、価格調整に使われているんじゃないかというようなご質問だと思いますけれども、実態として2023年が12.4%、昨年が12.1%、今回7.3%ということで、こういう価格交渉の実態がある中で平均乖離率を超えてしまっていますが、前年度の加重、そういったものをあわせ持った中では、圧縮というか、改善の方向に行っているということ。それから後発品についても、9.4%が8.7%ということで、使用量が増えている中で改善の方向に行っているということはご理解をいただきたい。
そういう中で、流通改善ガイドラインの実効性を高めるということで、今は未妥結減産制度の中で、価格妥結した報告書を薬局、200床以上の医療機関に報告書を出すのですけれども、その報告書と卸側の参考資料という形で、同じ設問項目をお得意先にお持ちして、価格交渉のあり方とか、流通改善の実効性を高めるための項目が書かれているものを突き合わせて、MSなど営業担当者と現場が突き合わせを行い、実際にそういった認識合わせ、コミュニケーションを行っている。
今回、厚労省産情課の方でこの様式を変えていただいて流通改善ガイドラインをちゃんと進めるため、ある意味、相互理解を深めるコミュニケーションの機会を作っていただいているということです。
今年初めてスタートしていますが、まだまだ認識が薄いというところがございますけれども、そういうところをしっかりと進めることによって、先ほどの総価取引だとか返品のあり方だとか、いろんなことで流通上の問題を提起しております。そういった中で、今回の平均乖離率4.8%よりも高い値引き率になってしまっておりますが、そういう状況であるということはご理解していただきたいなということでございます。以上でございます。
城山部会長:松本委員いかがでしょうか。
松本委員:はい、ありがとうございました。個々のケースなりでご尽力されていることは承知いたしますけれども、我々はその細かいネゴの状況を存じ上げている訳でございませんので、数字というのがベースになってしまいますので、厳しい言い方になることもご理解いただきたいということでございます。
それと流通改善ガイドラインの改訂は良いのですけど、先般指摘しましたけれども、流通改善ガイドラインを知らない関係者が5割も出しちゃうということですので、ここに、周知というのもありますけれども、これは1号側にも厳しくなりますけれども、皆さん方もその一因だと思っておりますので、それについては十分理解いただきたいというふうに思います。ありがとうございました。
城山部会長:ありがとうございましたか。鳥潟委員お願いします。
鳥潟委員:ありがとうございます。日本ジェネリック製薬協会にお伺いしたいと思います。令和6年度に不採算品再算定が適用されました品目について、幾つか個別事例として、企業別の供給量を示していただき、ありがとうございます。
1つお伺いしたいのですが、資料「薬―3」(GE薬協提出資料)10ページ(不採算品再算定適⽤品⽬ 個別品⽬ごとの事例 去たん剤(錠剤)/供給確保)のケースなんですけれども、この場合、「E」の企業は、適用したにもかかわらずゼロになっているということで、最終的に供給停止ということで、市場から撤退したかと思います。市場から撤退する予定の品目や、加えて数量シェアが極端に低い品目の不採算品再算定については基本的に慎重にならざるを得ないというふうに考えております。
この表ですけれども、例えば、全部まだ限定出荷の領域で、通常出荷になってないと、私たちが一番見たいのは、限定出荷、通常出荷はゴールではなく、やっぱり需要に対してどれだけ満ちていくかを最終的に見たいのですが、そういったことは一切出てきてないなという印象。この去たん剤の項目に限って言えば、今後どのような動きになっていくのかというのは、ちょっと興味のあるところです。
例えば、「A」の企業は44.1%のシェアを持っていますけど、「F」と「G」の企業のシェアをどんどん伸ばしていくことによって通常出荷に持っていこうとされていくのかっていう、そういう見方であっているのか教えてください。そこが一点です。
もう一点は、価格帯集約において、企業指標の活用が事務局案として示されているかと思います。現在は企業指標の公表前のテスト期間だと理解しております。来年度は、いよいよ企業指標に基づき個別企業の評価結果の公表が必要と考えておりますが、その点については、十分もう準備ができているというような理解でよろしいかどうか、2点をお伺いしたいと思います。
城山部会長:それでは川俣会長お願いします。
川俣・GE薬協会長:ありがとうございます。不採算品再算定をいただいた品目の増産、また減産から残念ながらやめざるを得ないという判断について、それぞれの理由があろうかと思います。自分たちの利益追求のためだけにやめるということではなく、原薬の供給が停止されてしまって、新しいところに切り替えることができないという判断でやめざるを得なくなったケースもあると聞いています。
また、適用後に価格が非常に膠着して、より薬価差益のある方に流れていくような、市場動向というのもありますので、意図せず流れてきてしまって増産しているのだが、まだ限定出荷を解除できてないというような、そういう状況にあります。私ども協会では「安定供給責任者会議」を立ち上げまして、その中で情報共有をしていこうと、どれだけ増産できるのかという情報を理解した上で、また、やめざるを得ないという判断をされた方の情報で、どのくらいの期間、どのくらいやめるのかという情報も共有した上で、先生方にご迷惑をおかけしないような対策に取り組もうというふうに思っているところでございます。
また企業指標につきましては、すでに我々がいまA区分なのか、B区分なのか、C区分なのかということ自体は理解しております。来年度以降、これが公表されるということになったとしても、それによって何か対応を変えるということはないだろうというふうに思っています。
ただ、このB区分やC区分の人たちの供給を、真摯にされているメーカーさんのものがB区分だからよくないということで、A区分の企業に流れてくるということになりますと、また需給バランスが崩れるということもありますので、そのあたりは需要予測を十分にやった上で、増産対応できるような余力があることが望まれるというふうに考えております。
城山部会長:ありがとうございます。よろしいでしょうか?
鳥潟委員:いまのご説明で理解したつもりでございます。引き続き企業間の調整をお願いしたいと思っております。一点だけ、例えば、今回資料「薬―3」10ページの表で、Eの企業は、この薬に対しては供給停止になったわけですけれども、他のまだ供給が至っていないというところに調整いただいているというような理解でよろしいのでしょうか。
川俣・GE薬協会長:よろしいというふうに思います。
鳥潟委員:ありがとうございます。
城山部会長:はい、どうもありがとうございました。ほかいかがでしょうか? 永井委員お願いします。
永井委員:ご説明ありがとうございました。患者が必要とする医薬品・医療機器へのアクセス確保の観点から、ドラッグ・ラグ/ロスの解消、創薬イノベーションの推進は重要と考えますので、革新的薬品の評価などについては、資料「薬―1」7ページの総括にあります通り、米国の動向なども鑑みながら、適宜検討し、対応することが必要と考えます。
質問を用意していたのですが、すでに質問が出ております流通改善ガイドラインのところですけれども、医薬品の安定供給確保に向けて、流通改善は重要であり、資料「薬―6」の5ページ、6ページに、単位薬価帯別の出荷調整の数量状況や薬局における薬価を上回る購入条件の例などをお示しいただいている通り、低価格品の下支えが重要と認識しております。
資料「薬―6」の8ページにあります「流通改善ガイドラインの実効性のある改定と周知」に関しましても、すでにご意見がありましたけれども、さらに周知いただき実効性を高めていただきたいと考えております。意見として申したいと思います。
城山部会長:はい、どうもありがとうございました。他いかかがでしょう。宮田卸連会長どうぞ。
宮田・卸連会長:先ほど、森委員の方から1万円以上10万円の商品がどんなものがあるのかというおたずねがございました。例えば、オプスミット錠だとかオムジャラ錠とかですね。10万円以上50万円以下でそういうふうになっているのは、ヌーカラ皮下注がそういう状態にあるということでございます。やっぱりペン製剤とかですね。錠剤、内服剤よりも注射剤の方が多く、自己注射の関係のものなど、そういう状況になっているようでございます。以上です。
城山部会長:はい、森委員どうぞ。
森委員:一点だけ、宮田会長の方からちょっと厳しいと言われてしまったので。なぜ総価にこだわっているかというと、総価取引をするっていうと、どの薬も例えば10%引きになってしまう。そうなると仕切価を適切に設定しても、安くなってしまう。そうすると予期せぬ薬価の下落が起きる。最終的に安定供給に支障をきたすことになって、国民が困る。この構図をなんとかしようと思って流通改善に取り組んできたのに、いまだに総価取引が続いている。これは、なんとかしなければいけないという思いで、普段は優しいのですが、厳しく言いました。
城山部会長:はい、よろしいでしょうか。
宮田・卸連会長:ありがとうございます。
城山部会長:他かいかがでしょうか。奥田委員お願いします。
奥田委員:はい、ありがとうございます。私からは簡単にコメントだけ申し上げたいと思います。すでに複数の委員の方々から質問、意見が出ましたけれども、資料「薬―2」の3ページの市場拡大再算定の特例の名称変更の件ですけれども、確かに、あの国民皆保険の維持のための対応という趣旨は十分理解しているのですけれども、やはり販売額が大きく拡大するということは、医療現場において、その医薬品の価値が認められているということでもありますので、国民負担軽減価格調整という、その名称案のニュアンスは、若干異なるような感じがしました。
今回の名称変更のところで、うまくその趣旨が示されているかどう定かではないという印象を受けたという点だけコメントをしておきたいと思います。私からは以上です。
城山部会長:はい、どうもありがとうございましたとか、いかがでしょうか江澤委員お願いします。
江澤委員:一点だけ質問です。いまAGについて価格設定をどうするかという議論がある中で、今後のAGの開発とか、生産について全体的な見通しが分かれば教えていただければと思います。
城山部会長:はい、どなたからでしょうか。
川俣・GE薬協会長:すいません、という趣旨でございましょうか。
江澤委員:例えばAGの価格設定の議論については、後発品とか、あるいはバイオであれば、バイオシミラー製品をどう促進するかという観点もありつつ、その上で、先発品とAGの価格設定をどうするかという議論があるのはご承知のことかと思います。
今後、AGの生産が増えて、どんどん拡大していくのか、あるいは場合によっては、今後そんなにも生産は増えず収束していくものなのか、あるいは新規にどんどん開発が今後検討されているのか、その点の見通しについてお伺いしたいということであります。
川俣・GE薬協会長:ありがとうございます。AGの薬価上の取り扱いについて、いまご提言をいただいているところであると理解しているのですが、その取り扱いの状況によってAGの存在意義も含めて大きく変わってくるものと思います。
おそらくAG自体を、ジェネリック医薬品として認知しないというふうな形になりますとAGの製造数量はほぼゼロになってしまうと思います。もちろん、通常のジェネリック医薬品の製造企業としては、その市場を見込んだ上での生産計画を立てますので、新規品におきましては、発売するときにどのくらいの在庫量を持った上で、発売に踏み切るのかという計算をする中で、AGがある場合とAGが無い場合というので計算がそもそも違うんですね。
AGがないから、自分たちは市場の20%、この会社は15%取れるだろうという計算をする中で、AGがなかったからといって、安定供給ができないということはないと思います。
ただ、例えば、AGが市場の50%ぐらいを占めていて、残りの30%が通常のジェネリックですという時のAGが急になくなってしまいますと、その分を通常のジェネリックでカバーできるのかという問題が出てくると思いますので、そのあたりについては、きちんと時間を追った形の対応が必要だというふうに、安川日薬連会長の方からもお願いをしたところでございます。
城山部会長:はい、よろしいでしょうか?
江澤委員:理解いたしました。ありがとうございます。
城山部会長:他はよろしいでしょうか? ご意見、ご質問も出尽くしたということかと思いますので、関係業界からの意見陳述については、ここまでとさせていただきます。今後、事務局において今日いただいたご意見も踏まえ、ご対応いただくようにお願いいたします。
本日の議題は、以上であります。次回の日程についてはって、事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いします。それでは、本日の薬価専門部会は、これにて閉会いたします。どうもありがとうございました。