FIRM・畠代表理事会長 再生医療は「バイテクの総合力」 医療、工学、DXとの連携重視、人材育成が課題
公開日時 2026/03/24 04:51

再生医療イノベーションフォーラム(FIRM)の畠賢一郎代表理事会長は3月23日のメディア懇談会で、再生医療エコシステムの構築について、「再生医療モダリティの創出はバイオテクノロジーの総合力だ。医療や工学、DXなど様々な人々とのサイエンスを作り上げる必要がある」と強調した。さらに、国内製造体制の構築や製造技術の支援の重要性にも触れ、「製造に携わる人材をいかに安定的に育てていくか、医療にも通じたダイバーシティを持った人材育成が課題になる」と述べた。
◎人材の重層的な構造が必要 「階層構造と専門領域が横で融合し、さらに領域を広げる」
畠代表理事会長は、再生医療等製品について、多様性が特徴であると同時に課題になると強調した。製品そのもののほか、開発や製造工程、薬価や保険収載など、「多様性をどのようにカバーするのか、一律に考えることが難しい点が課題の一つだ」と述べた。また、再生医療における人材育成の課題として、新たな領域を生み出していく上で、細胞培養などを担う定型業務を遂行する人材と仕組みづくりを担う人材の重層的な構造が必要だと説明。さらにそれぞれの専門領域が横断的に連携したり、俯瞰する人材が生まれたりするなど、「階層構造と専門領域が横で融合することで、さらに領域を広げていくことができる」と訴えた。
◎再生医療等製品めぐるパネルディスカッション 「社会的効果踏まえた評価を」

パネルディスカッションでは、アカデミアやコンサルティングの有識者が登壇し、再生医療をめぐる医療保険財源や薬価のあり方について議論を深めた。元厚労省医政局長の武田俊彦氏(ボストンコンサルティンググループシニアアドバイザー)は、再生医療等製品をめぐる薬価制度のあり方に触れながら、生涯医療費や介護費用も含めて、「もっと大きな社会的なコストを踏まえて(再生医療の)効果を評価すべきだ」と訴えた。
藤田医科大学橋渡し研究支援人材統合教育・育成センターの八代嘉美教授はFIRMへの期待として、「人材育成の面で、基礎研究だけでなく医療経済にも詳しいなど、スペシャリストだけでなくジェネラリストの育成にも力を貸してほしい」と述べた。日本総研の翁百合シニアフェローは、「ベネフィットについて、いかにデータを集めて評価するかということにも取り組んでいかないといけない」と強調した。