ニプロ山崎社長「次の成長ステージへ」 30年売上高1兆円へ向け高付加価値ダイアライザ投入
公開日時 2026/03/27 04:50
ニプロの山崎剛司代表取締役社長は3月26日に開催した事業説明会でビデオメッセージにより挨拶し、「当社は現在、事業の規模・事業領域ともに次の成長ステージに入ったと考えている」との認識を示した。同社は透析関連事業を中核に、医療機器や医薬品、ファーマパッケージ事業などで事業を拡大しており、「2030年度に売上高1兆円」の達成を目標に掲げている。山崎社長は、「世界に存在する医療課題に対してこれまでなかった解決法や治療法を提案し、将来に向けて夢のある商品、すなわち医療のニューノーマルを世に出していく」と強調した。
◎透析事業 付加価値・量・実行を重視
同社の宮住悟一取締役国際事業部長は、主力の透析事業について、「価格戦略、価格競争に巻き込まれることなく、付加価値、量、実行の3点に注力していく」と述べた。“付加価値”では、日本で「ELISIO HX」として販売されているダイアライザⅡa型の海外販売を開始しており、北米市場においても「今年FDAの承認を得る」と見通しを語った。“量”では市場のボリュームゾーンの獲得と生産稼働率の向上を掲げ、“実行”では「生産自動化による原価低減、品質向上、コンプライアンス強化と基盤の強化を図っていく」とした。
また、透析市場全体については、「まだ伸びしろがある」と分析。世界の透析患者数が年平均で6.1%の増加を続けていることや、アフリカ・アジア・インドなどで「経済的な制限や施設不足から透析を受けられない潜在的患者数が多い」ことを挙げた。さらに、中南米やアジアなどでは「複数回ダイアライザを使用しているため、シングルユースになったら約2倍の市場に拡大する」との見方を示した。
◎サプライチェーン改革で収益力強化
同社ではサプライチェーン全体を意識したコスト削減策として、1月から需要予測から生産・配送までを可視化する「PSIマネジメントシステム」を導入した。加えて、生産の全自動化による省人化、地産地消の強化にも取り組む。これらの施策により、「25年から27年までの中期計画の初年度は、計画に対して約101%の達成見込みで走っている」とし、「30年の1兆円ビジョンに貢献する」との見通しを示した。新しい高付加価値のダイアライザの投入により利益率の向上も図る構えだ。
そのうえで、「現在は透析分野が7割、ホスピタル関連が3割の事業構造で、これらの分野は今後数年間、堅調な伸びを見込んでいる」とした。さらに、「透析以外のデジタル化製品、安全製品、バスキューラー製品、ニューノーマルの製品として医薬、再生事業、感染対策等の価値のある高い製品を導入し、販売利益の拡大を行っていきたい」と今後の展望を示した。