エーザイ 英・ハットフィールド工場に約4800万ポンド投資 レケンビなど低温管理医薬品の供給体制を強化へ
公開日時 2026/06/16 04:51
エーザイは6月15日、英国政府によるライフサイエンス革新的製造基金(LSIMF)の支援を受け、低温管理(コールドチェーン)が必要な製品の供給・包装体制の構築に向けた戦略的投資を実施すると発表した。契約条件の最終合意を前提とする。投資先は同社が英国内に構えるハットフィールド工場で、製造能力を拡充する。アルツハイマー病治療薬・レケンビ(一般名:レカネマブ)をはじめ、低温管理が必要な注射剤や点滴製剤、オートインジェクター製剤などの包装・供給を担うグローバル拠点としての機能強化を目指す。
LSIMFは、英国のライフサイエンス分野の基盤強化と、将来の公衆衛生上の緊急事態に備えた供給体制の強靭化を目的とした資本補助制度。対象となるのは、低温管理を要する製品に対応した包装・供給施設で、入出荷機能の拡張、低温及び常温対応の倉庫、包装棟、包装ラインの整備を行う計画だ。
投資は複数段階で進め、LSIMFによる補助を含む総投資額は約4800万ポンドを見込む。投資自体はすでに開始しており、2027年度中には整備が完了する予定。
今回の投資により、従来は経口固形剤を中心に製造していた同工場で、低温管理を要する注射剤や点滴製剤の包装や供給機能を拡充する。また、これまで外部委託をしていた包装工程を内製化し、供給の安定性と柔軟性の向上を図る。レケンビに加え、今後同社が開発するバイオ医薬品など低温管理が必要となる製品にも対応を進める方針だ。
さらにハットフィールド工場は、欧州や中東、アフリカなどの複数地域に向けた供給拠点としても位置付けられている。今回の整備では、生産対応の柔軟性向上に加え、すでに同工場が強みとしている多言語少量包装への対応強化や品質管理体制の高度化を進め、グローバル供給網の強化につなげる。
内藤晴夫CEOは、「今回の戦略投資は、当社の革新的な医薬品や開発品の供給体制の強靭化に向けた長期的な取り組みであるとともに、英国との長年にわたる関係をさらに深化させるものだ。将来のライフサイエンス分野の製造基盤強化と医療供給体制の強靭化に向けて、英国政府とともに取り組めることを大変意義深く思う」とコメントしている。