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レカネマブとドナネマブ ARIA対策で添付文書改訂 3回目投与前MRI検査の実施 受診指導を追記

公開日時 2026/06/08 04:49
アルツハイマー病治療薬のレカネマブ及びドナネマブの2製品の添付文書が改訂された。アミロイド関連画像異常(ARIA)対策の強化に向け、ARIAを示唆する症状が認められない場合の3回目投与前MRI検査の実施や、ARIAを示唆する症状が認められた場合に速やかに医療機関を受診するよう患者指導を行うことなどが追記された。厚生労働省医薬局医薬安全対策課が6月5日、課長名で添付文書改訂を指示したことを受けた対応となる。

ARIAを示唆する症状が認められない場合のMRI検査について、レカネマブは現在、5回目投与前、7回目投与前、14回目投与前、並びにそれ以降も定期的にMRI検査を実施し、ARIAの有無を確認することとされている。今回の添文改訂では、「本剤の3回目投与前(投与開始後1カ月までを目安)にもMRI検査を実施することが望ましい」とし、「特に本剤投与開始前に脳微小出血が認められている患者、高血圧症を有する患者、他にARIAの発現に注意を要する患者では、3回目投与前のMRI検査の実施を考慮すること」と追記された。

ドナネマブは現在、ARIAを示唆する症状が認められない場合の3回目投与前のMRI検査について、「多くの重篤なARIAは治療開始12週以内にあらわれるので、必要に応じて本剤3回目の投与前にもMRI検査を実施することが望ましい」と記載されている。今回これを削除し、2回目、4回目、7回目の投与前、及びそれ以降のMRI検査と同様に、3回目投与前も「MRI検査を実施し、ARIAの有無を確認すること」に変更された。

なお、ドナネマブの最適使用推進ガイドラインでは、3回目投与前のMRI検査について、2回目、4回目、7回目の投与前、及びそれ以降のMRI検査と同様に「MRI検査を実施し、ARIAの有無を確認すること」とされている。

今回、添付文書の改訂指示が行われた医薬品は次の通り。

レカネマブ(遺伝子組換え)(製品名:レケンビ点滴静注、エーザイ)

改訂概要:
・「重要な基本的注意」の項のARIA発現に関する注意事項に、投与期間に関わらず、ARIAを示唆する症状が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するように患者及び家族・介護者に指導すること、速やかに臨床評価を行い、ARIAの発現が疑われる場合はMRI検査を実施することを追記する。
・「重要な基本的注意」の項のARIAを示唆する症状が認められない場合のMRI検査の頻度(5回目、7回目、14回目の投与前、それ以降も定期的に実施)について、▽3回目投与前のMRI検査を実施することが望ましいこと、▽特にARIAの発現に注意を要する患者では、3回目投与のMRI検査の実施を考慮すること――を追記する。

改訂理由:副作用報告、製造販売後調査、海外添付文書を調査した。専門委員の意見も聴取した結果、以下の理由から、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。
・症候性ARIAが認められた症例のうち、症状の発現からMRI検査の実施までに時間を要している症例が認められたことから、投与期間に関わらず、ARIA関連症状が認められた場合には速やかに医療機関を受診するよう患者及び家族・介護者に指導し、速やかに臨床評価を行い、ARIAの発現が疑われる場合はMRI検査を実施することが重要であると考えること。
・5回目投与前までに重篤なARIA(ARIA-E、ARIA-H)を発現した症例が認められており、4回目投与前までに重篤なARIAを発現した症例の多くは症候性ARIAであることから、無症候の段階でARIAを早期発見するため、3回目投与前のMRI検査を実施することが望ましいと考えること。
・5回目投与前までに重篤なARIAを発現した症例の患者背景等を踏まえ、特に注意を要する患者においては、3回目投与前のMRI検査の実施を考慮することが重要であると考えること。

ARIA関連症例の集積状況:国内症例は、ARIA発現日における本剤最終投与回数5回未満の症例として36例、死亡0例。海外症例は、米国添付文書改訂(MRI検査の頻度変更)の契機となった症例として5例、死亡5例。なお、国内、海外とも因果関係評価は実施していない。

ドナネマブ(遺伝子組換え)(製品名:ケサンラ点滴静注液、日本イーライリリー)

改訂概要:
・「重要な基本的注意」の項のARIA発現に関する注意事項に、投与期間に関わらず、ARIAを示唆する症状が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するように患者及び家族・介護者に指導すること、速やかに臨床評価を行い、ARIAの発現が疑われる場合はMRI検査を実施することを追記する。
・「重要な基本的注意」の項のARIAを示唆する症状が認められない場合の3回目投与前のMRI検査について、「必要に応じて実施することが望ましい」から、2回目、4回目、7回目の投与前、及びそれ以降のMRI検査と同様に、「MRI検査を実施し、ARIAの有無を確認すること」に変更する。

改訂理由:副作用報告、海外添付文書を調査した。専門委員の意見も聴取した結果、以下の理由から、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。
・症候性ARIAが認められた症例のうち、症状の発現からMRI検査の実施までに時間を要している症例が認められたことから、投与期間に関わらず、ARIA関連症状が認められた場合には速やかに医療機関を受診するよう患者及び家族・介護者に指導し、速やかに臨床評価を行い、ARIAの発現が疑われる場合はMRI検査を実施することが重要であると考えること。
・副作用報告における重篤なARIA症例(ARIA-E、ARIA-H)のうち2回目投与後に多くのARIAの発現が認められていることから、3回目投与前のMRI検査を「MRI検査を実施し、ARIAの有無を確認すること」に変更することが重要であると考えること。なお、最適使用推進ガイドラインでは、3回目投与前のMRI検査について、2回目、4回目、7回目の投与前、及びそれ以降のMRI検査と同様に「MRI検査を実施し、ARIAの有無を確認すること」とされている。

ARIA関連症例の集積状況:国内症例58例、死亡0例。因果関係評価は実施していない。
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