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Veeva Japan 医師との面談レビューやサマリー共有で「Agentic Call Report」導入へ 会話型AIも準備

公開日時 2026/06/18 04:50
Veeva Japanは6月17日の事業戦略説明会で、「Veevaインダストリークラウド」の全体像を公開した。医薬品開発から品質管理、上市後の情報提供までのDXを単一のプラットフォームとデータベースで実現するというもの。製薬企業のR&D、品質管理、コマーシャルの各部署が扱うデータについて部門を超えた共通基盤で蓄積・更新し、組織全体の意思決定のスピードと質の向上を支援するというものだ。一方、コマーシャル部門におけるAI活用については、従来のVeeva Vault CRM(顧客管理システム)にVeeva AIをつなげて医師とMRの面談レビューやサマリーの社内共有が可能な「Agentic Call Report」を導入する。さらに対話型AIでMRとAIの会話を繰り返すことで、アウトプットの最適化や活動精度の向上を図る「Conversational AI」の導入なども予定していることが明らかにされた。

「製薬業界は大きな転換点を迎えている。各国の規制対応、AIの急速な普及、パテントクリフをはじめとする経営課題など、日本メディカルの製薬企業がグローバルに競争力を維持し、新薬をいち早く患者に届けるには、さらなるデジタル化とAI活用が不可欠だ」-。説明会冒頭で千葉弘崇ゼネラルマネージャーはこう切り出した。

◎製薬個社に限らず業界全体の課題はまさに現在進行形

社内データの分断、サイロ化した組織、それに伴う意思決定の遅れ―など、製薬個社に限らず業界全体の課題はまさに現在進行形だ。その経済損失も年間最大12兆円(経産省DX研究会レポート)に及ぶとの試算もある。千葉ゼネラルマネージャーは、この間のVeevaの取り組みを振り返りながら、「ライフサイエンス業界向けに特化したソフトウェア、AI、データ、さらに5年前にコンサルティングチームを立ち上げた。また、治験のオペレーションからデータ管理、薬事、安全性、品質保証、上市後の営業・マーケティング、メディカルをカバーするプラットフォームも構築できた」と強調した。グローバルの事業成果も世界165か国、1500社以上の企業が同社サービスを利用している。グローバルの売上成長率は年平均15%以上。「2030年には売上高を現在の2倍に増やす」との計画を明かした。

◎コマーシャル部門に導入した「Agentic Commercial」 自律的なループとして回す

一方、山下篤志バイスプレジデント(コマーシャル・ストラテジー)はコマーシャル部門に導入した「Agentic Commercial」の考え方を紹介。新しいコマーシャルモデルでは、①デジタル(生成AIの医療現場等への浸透)、②エージェント(必要な時に必要な情報にいつでもアクセスできる)、③フィールド(例えばMRのスペシャリティ・シフト)、④コンテンツ(制作に伴う審査プロセスの迅速化)-など。「4つの要素が上手く連携して自律的なループとして回すことが求められる時代になった」と語り、その結果、「MRは医療者に的確な情報を適切なタイミングで届けることが可能になる」と強調した。

◎MR自身が音声で面談内容を読み上げて記録 面談のバックグラウンドが明確に 社内共有も

Veevaの具体的ソリューションとして、「Agentic Call Report」を紹介した。従来型のMRが行う医師面談報告のプルダウンによるクリック方式を見直し、MR自身が音声で面談内容を読み上げて記録する方式を採用する。旧来型のクリック方式では、マーケ部門やメディカル担当者が医療現場の温度感を把握できないという課題があったが、Agentic Call Reportによって「医師との面談のバックグラウンドを音声記録方式に変える」ことで、他部門のスタッフが背景情報を把握しやすくなる。また、生々しい面談内容をそのまま本社に伝えることができるという。

◎「Veeva OSTRO」繰り返しAIに質問することで、最終的に医師が求める回答にたどり着く

一方、AIツール「Veeva OSTRO」は、医師が繰り返しAIに質問することで、最終的に医師が求める回答にたどり着くというもの。山下バイスプレジデントは、「利用者に対するストレスを軽減することができる」と強調。海外ではすでにこのAgentic Call Reportの利用が始まっており、そのうち65%で「患者への処方の妨げになっている要因の特定できた」として、「デジタル上で医師がどのようなことを考えているか把握できる。まさに“コマーシャル・エビデンス”として、より的確かつ迅速に患者さんに薬剤を届けることができる」と山下バイスプレジデントは期待感を込めた。

なお、山下バイスプレジデントは、新しいVault CRM(顧客管理システム)の導入状況について、すでに150社以上、日本を含む100か国以上で利用されていると報告した。

このほか次世代型ツールとして「Conversational AI」のデモを紹介。Vault CRMのVoice Agentが音声入力に特化していのに対し、Conversational AIは会話型AIを想定したもので、MRとAIとの音声対話を繰り返すことで活動の精度を向上させる狙いも込められているという。

◎AI同士が対話するイメージ 内田洋亮バイスプレジデント

内田洋亮バイスプレジデント(CRMプロダクトマネジャー)は同社のVault AIについて、従来のスタンダードなVault CRMのVoice Agentに加えて、クライアントのニーズに応じたカスタム・エージェントや、顧客側のAIをつかってVault CRMの中身を理解した上で、ユーザーにアウトプットを出していくことや、MCP(Model Context Protocol)を用いて外部の市場データに対し、AI同士が会話するようなユースケースへの対応も含めて検討していると明かしてくれた。


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