政府 「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を閣議決定 医療含む人手不足等の課題をAI活用で解決
公開日時 2026/07/22 04:50
政府は7月21日の閣議で、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を決定した。医療・介護分野など多くの業種で深刻な人手不足が発生する一方で、AIエージェントが急速に社会浸透し、ビジネス変革をもたらす可能性があることから、政府はこれまでの重点計画を見直し、AIの徹底活用による社会課題解決に官民で取り組む方針を明示した。このうち医療分野については、病院などの重要インフラにおけるサイバー空間の脅威対応を国が支援するほか、電子カルテ本格導入、クラウドネイティブ型システムの普及、PHRデータ流通基盤の構築や予防接種・自治体健診に関するDX推進などについて重点事項として明記した。
松本尚デジタル大臣は同日の閣議後会見で、「わが国では医療分野をはじめとする多くの業種で深刻な人手不足が発生している。この人手不足とAI技術の進展を適切に組み合わせることで、新しい社会のあり方が生まれる」と述べ、今回策定した重点計画の意義を強調した。
◎社会課題解決に向けた「4本柱」
重点計画は、①国のAX/DX基盤の高度化・強靱化、②自治体のDX推進基盤整備(公正・公平・迅速な給付を可能にするインフラ構築)、③国民の暮らしのAX/DX推進 (安全で便利な地域の暮らし)、④AX/DXの徹底的推進による経済成長の加速―の4本柱で構成される。国が行うAX/DX基盤整備では、特に医療機関や病院などの重要インフラや中小企業等におけるサイバー空間のサイバーセキュリティを支援する。具体的には、病院・個別システムの外部接続点の管理体制構築支援、セキュリティ製品等の国内供給力強化などをあげている。
一方で自治体に対しては、デジタル人材の確保・育成として、デジタル人材スキルプラットフォームの整備・拡充を通じた労働市場との接続、国内外からトップ人材を含めたAI研究者・開発者の確保、デジタル分野の学校カリキュラム高度化などを盛り込んだ。
◎国民の暮らしのAX/DX推進で「医療DXの加速」を明記
国民の暮らしのAX/DX推進では、「医療DXの加速」を明記。電子カルテ本格導入、クラウドネイティブ型システムの普及などに取り組む。経済成長の加速では、「国産クラウド」を政府が率先して利用し、国内事業者の技術力育成や暗号鍵の生成も国内で行う。データ連携・利活用を促進する環境整備にも注力するとしており、あらゆる組織でAIを前提とした意思決定や業務の進め方の見直しなどに取り組む方針を明示した。