薬食審・第二部会 新薬など7成分を審議 承認了承 ノバルティスの新規乾癬治療薬も

公開日時 2014/12/01 03:52
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厚労省の薬食審医薬品第二部会は11月28日、新薬など7製品の承認の可否について審議し、いずれも了承した。この中にはノバルティスが開発した新規作用機序の乾癬治療薬コセンティクス皮下注(一般名=セクキヌマブ遺伝子組換え)が含まれる。

 

承認が了承された製品は以下のとおり。

 

【審議品目】(カッコ内は成分名と会社名)

 

▽コセンティクス皮下注150mgシリンジ、同皮下注用150mg(セクキヌマブ遺伝子組換え、ノバルティス ファーマ):「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。海外では、欧州や米国で2013年10月に申請され、現在審査中。

 

インターロイキン-17Aを阻害する新規作用機序の薬剤。インフリキシマブやアダリムマブ、ウステキヌマブと同様に、既存治療に効果不十分な中等症または重症乾癬患者への治療選択肢となる。国内の乾癬患者数は推定43万人で、有病割合は0.3%と報告されている。マルホと共同販促する予定。

 

▽ゼルボラフ錠240mg(ベムラフェニブ、中外製薬):「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。米国で2011年に、欧州では2012年に承認されている。2014年9月時点で86の国または地域で承認済み。

 

悪性黒色腫の約50%にBRAF遺伝子に特徴的な変異が認められ、この変異が細胞の異常増殖などを引き起こすとされる。ゼルボラフはBRAF遺伝子変異により生じる異常なセリン/スレオニンキナーゼを阻害し、腫瘍細胞の増殖を抑制する。この変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫の患者のうち、既治療の患者は約200人で、新規患者が年間100人程度とされる。

 

▽イロクテイト静注用250、同500、同750、同1000、同1500、同2000、同3000(エフラロクトコグ アルファ遺伝子組換え、バイオジェン・アイデック・ジャパン):「血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。海外では米国で承認済みで、オーストラリアやカナダ、南アフリカで申請中。

 

遺伝子組換えBドメイン除去型血液凝固第VIII製剤とヒト免疫グロブリンGのFc領域の融合蛋白質で、消失半減期が延長した初の長時間作用型血液凝固第VIII因子製剤となる。定期的に投与する場合、週2回投与から開始し、患者の状態に応じて3~5日間の範囲で適宜調節し、週1回投与が可能な場合もある。

 

▽ネスプ注射液5μgプラシリンジ、同10μg、同15μg、同20μg、同30μg、同40μg、同60μg、同120μg、同180μg(ダルベポエチン アルファ遺伝子組換え、協和発酵キリン):「骨髄異形成症候群に伴う貧血」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。この効能・効果について、海外ではトルコ共和国で承認済み。

 

骨髄異形成症候群は骨髄中の多能性造血幹細胞に異常が起きる疾患で、異常細胞が正常細胞以上の速度で増殖し、正常な造血が妨げられて貧血などの症状を呈する。通常赤血球輸血が行われるが、輸血依存状態に陥りやすく、長期にわたる輸血ではウイルス感染や鉄過剰症を引き起こす危険性がある。国内患者数は1.1万人とされ、このうち本剤の対象患者数は推定7000人。厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外検討会議」での検討を踏まえて、2012年に同社が開発の要請を受けていた。この効能・効果で承認された医薬品はなく、標準治療となるものと見込まれる。

 

▽ロゼックスゲル0.75%(メトロニダゾール、ガルデルマ):「がん性皮膚潰瘍部位の殺菌、臭気の軽減」を効能・効果とする新投与経路医薬品。再審査期間6年。同剤は64カ国で承認済みであるが、この効能・効果については英国で承認済み。

 

がん性悪臭の軽減と嫌気性菌の消失に関連があるとの報告があり、メトロニダゾールの外用剤による処置が推奨されていた。国内では経口剤の調製外用剤が使用されるなどこの効能・効果を有する医薬品がなかったことから、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で医療上の必要性が高いと評価され、同社が開発を要請されていた。国内推定患者数は約2000人とされる。

 

▽カンサイダス点滴静注用50mg、同点滴静注用70mg(カスポファンギン酢酸塩、MSD):「真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症、カンジダ属またはアスペルギルス属による食道カンジダ症、侵襲性カンジダ症、アスペルギルス症」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。再審査期間残余(平成32年1月17日まで)。小児適応で76の国・地域で承認済み。小児の適応を有する抗菌薬が限られていることから、新たな治療選択肢として開発された。

 

▽治療用ダニアレルゲンエキス皮下注「トリイ」100,000JAU/mL、同10,000JAU/mL(鳥居薬品):「ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎、気管支喘息(減感作療法)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。海外では米国やカナダ、メキシコで承認済み。

 

室内塵ダニアレルギーの主要なアレルゲンとされるコナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニの2種のエキスを含有する。ダニによるアレルギー性鼻炎や喘息に対する減感作療法薬で承認されたものがなく、ダニエキスを成分とする減感作療法薬の開発が望まれていた。アレルギー性鼻炎のためアレルゲンテストを受けた患者における既存の室内塵ダニ陽性率は成人で29.3%、小児で47.1%との報告がある。

 

 【報告品目】(カッコ内は成分名と会社名)

 

報告品目は、医薬品医療機器総合機構の審査の段階で承認が了承され、部会での審議が必要ないと判断された製品で、今回8製品が承認されることになった。この中で協和発酵キリンのポテリジオは、成人T細胞白血病リンパ腫の第一選択治療となっている10剤併用療法のmLSG15レジメンと併用できるようにするもの。これに伴い、mLSG15療法に含まれる▽ドキソルビシン▽シタラビン▽ラニムスチンについても、既承認の効能・効果や用法・用量がmLSG15療法での使用法と差があったため、それに伴う一部変更を承認することが報告された。

 

▽ポテリジオ点滴静注20mg(モガムリズマブ遺伝子組換え、協和発酵キリン):「CCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間残余(平成34年3月29日まで)。

同剤は、国内ガイドラインにおいて成人T細胞白血病リンパ腫の第一選択治療となっている10剤併用療法のmLSG15レジメンと併用する。成人T細胞白血病リンパ腫はT細胞の異常により生じる悪性腫瘍で、5年生存率が約14%と予後不良の疾患。患者数は約2000人とされる。

▽ドキソルビシン塩酸塩(成分名):「アドリアシン注用10、同注用50」(協和発酵キリン)、「ドキソルビシン塩酸塩注射用10mg「NK」、同50mg「NK」 (日本化薬):「悪性リンパ腫の自覚的および他覚的症状の緩解」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。mLSG15レジメンに関する効能および用法・用量が追加された。

▽キロサイド注20mg、同40mg、同60mg、同100mg、同200mg(シタラビン、日本新薬):「急性白血病(赤白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化例を含む)」を効能・効果とする新投与経路医薬品。mLSG15レジメンに関する用法・用量が追加された。

▽注射用サイメリン50mg、同100mg(ラニムスチン、田辺三菱):「悪性リンパ腫」を効能・効果とする新用量医薬品。mLSG15レジメンに関する用法・用量が追加された。

 

▽スクラッチダニアレルゲンエキス「トリイ」(鳥居薬品):「アレルギー性疾患のアレルゲンの確認」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。海外では米国やカナダ、メキシコで承認済み。治療用ダニアレルゲンエキス「トリイ」の開発に併せて開発された。コナヒョウヒダニエキスとケヤヒョウヒダニエキスを含有する室内塵ダニのアレルギー診断薬。

 

▽パッチテストパネル(S)(佐藤製薬):「アレルギー性皮膚疾患のアレルゲンの確認」を効能・効果とするパッチテスト用医薬品。 日本皮膚学会のガイドラインに掲げる25種のアレルゲンのうち、21種をカバーしており、原因アレルゲンの初期スクリーニングに位置づけられる。

 

▽献血ヴェノグロブリンIH5%静注2.5g/50mL(ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン、日本血液製剤機構):「血清IgG2値の低下を伴う、肺炎球菌またはインフルエンザ菌を起炎菌とする急性中耳炎、急性気管支炎または肺炎の発症抑制(ワクチン接種による予防および他の適切な治療を行っても十分な効果が得られず、発症を繰り返す場合に限る)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。血清IgG2濃度低下に伴い、肺炎球菌やインフルエンザ菌などの感染リスクが高まる。IgG2を欠乏する患者数は3年間で100人で、同剤の適応となる患者数は3年間で10~40人とされる。

 

▽アブラキサン点滴静注用100mg(パクリタキセル、大鵬薬品):「治癒切除不能な膵がん」の効能・効果を追加とする新効能・新用量医薬品。人血清アルブミン懸濁型のパクリタキセル製剤。ゲムシタビン塩酸塩との併用で用いる。治癒切除不能な膵がん患者の治療選択肢の1つとなる。膵がんは早期発見が困難で、予後不良の悪性腫瘍。膵がんによる死亡数は年間約3万人(2012年)。

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