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イドルシア くも膜下出血処置後の脳血管攣縮用薬クラゾセンタンを国内申請 22年上期上市へ

公開日時 2021/03/03 04:50
イドルシア ファーマシューティカルズ ジャパンは3月1日、速効性のエンドセリンA受容体拮抗薬クラゾセンタン(一般名)について、脳動脈瘤によるくも膜下出血(aSAH)処置後の脳血管攣縮と、これに伴う脳梗塞及び脳虚血症状の発症抑制を対象疾患に日本で承認申請したと発表した。同社の田中諭社長は、「2022年上期の上市を見込み、準備を行っている」とコメントした。

今回の申請は、aSAH後の日本人成人患者における血管攣縮に関連する症状及び原因を問わない死亡発現の低下に対するクラゾセンタンの有効性と安全性を評価する2つの二重盲検、無作為化、プラセボ対照試験をもとにしたもの。患者を無作為に割り付け、aSAH発症後15日間まで、クラゾセンタン10mg/hrまたはプラセボのいずれかを静脈内持続投与した。2試験は同じ試験デザインで、ひとつは外科的クリッピング術により脳動脈瘤が治療された患者221例が登録され、もうひとつの試験では血管内コイル術により脳動脈瘤が治療された患者221例が登録された。

同社によると、両試験の結果、クラゾセンタンがaSAH後6週間以内の脳血管攣縮に関連する症状及び原因を問わない死亡の発現に対して統計学的に有意に低下することを確認した(両試験においてp<0.01)。原因を問わない症状及び死亡に対するクラゾセンタンの効果は、事前に計画された併合解析においても統計学的に有意であり(p<0.05)、各試験において数値的に改善傾向が認められたとしている。

安全性上予測できない所見はなかった。クラゾセンタン群で>5%、かつプラセボに比較して>2%多くクラゾセンタン治療下で発現した有害事象は嘔吐、血液希釈または体液貯留の徴候(低ナトリウム血症、低アルブミン血症、貧血、胸膜滲出液、脳浮腫、肺水腫)だった。

田中社長は、クラゾセンタンの開発及び承認申請にあたり、「幸運にも日本におけるCOVID-19パンデミックによる影響を受けなかった」、「我々はできる限り速やかに患者さんにクラゾセンタンをお届けできるよう、チームはデータの解析及びPMDAへの承認申請資料を準備する業務を迅速に遂行した」と振り返った。そして、「現在、我々は薬事プロセスを通じて業務を遂行し、また並行して科学文献及び22年上半期の上市を見込み、準備を行っている」とコメントした。

イドルシアはスイスのバーゼルに本社を置く低分子化合物の発見と開発に特化した製薬企業。日本法人は18年3月に設立した。
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