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科研製薬 熱傷焼痂除去剤「KMW-1」を承認申請 深達性II度、III度熱傷の壊死組織を除去

公開日時 2021/06/29 04:50
科研製薬は6月28日、熱傷焼痂除去剤「KMW-1」(開発コード)を日本で承認申請したと発表した。入院が必要な重症熱傷を指す深達性II度又はIII度熱傷を対象とした外用薬。熱傷部位に塗布して4時間後に除去することで、健常な組織を温存したまま、焼痂と呼ばれる壊死組織を選択的に簡便かつ速やかに除去できるとしている。申請に用いた国内第3相臨床試験結果の詳細は現時点では開示されていない。

KMW-1はイスラエルのメディウンド社の創製品で、科研は日本の独占的な開発販売権を持つ。KMW-1は厚労省から希少疾病用医薬品に指定されている。

熱傷部位では焼痂とよばれる壊死組織が生じる。重症熱傷の治療は、できるだけ早期に焼痂を除去することが臨床的に重要な第一歩と考えられており、現在の標準的治療では外科的に焼痂を除去している。

KMW-1はパイナップル茎由来のタンパク質分解酵素を有効成分とする外用の酵素製剤。KMW-1凍結乾燥品と混合用ゲルを混合し、用時調製したKMW-1製剤を対象創に塗布する。塗布開始4時間後に除去すると、壊死組織が選択的に除去される。国内第3相試験の適格基準は、▽入院患者▽深達性II度又はIII度熱傷の総熱傷面積が3%TBSA以上の患者▽浅達性II度、深達性II度又はIII度熱傷の総熱傷面積が30%TBSA以下の患者――とし、目標症例数は36例として実施した。主要評価項目は壊死組織が完全除去された被験者の割合とした。

科研は、「外科的な除去と比較して健常な組織に障害を与えることなく壊死組織を簡便かつ速やかに除去することから、医療関係者や患者さんの負担軽減に寄与することが期待される」としている。
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