製薬協・調査 治験参加者「新薬開発に貢献」良いと感じる
公開日時 2004/06/01 23:00
日本製薬工業協会(製薬協)は6月1日、治験参加者対象の意識調査結果を公
表した。参加者はさまざまな負担を感じる一方で、治験に肯定的な印象を持つ
実情が明らかになった。治験の良い点について、「新しい治療法が生まれる」
(76.7%、複数回答)、「新薬の開発に貢献できる」(74.2%)との回答が上
位を占め、結果をまとめた製薬協医薬産業政策研究所は、「日本ではこうした
意識は低いという先入観があったが、印象的だった」と話している。
調査は全国5医療機関で、01年4月以降治験に同意した20歳以上の患者320人
を対象に実施、283件(88.4%)の回答があった。参加のきっかけは、「医師
のすすめ」が77.7%で群を抜いて高く、以下、病院内のポスター(8.8%)、
被験者募集の新聞広告(8.1%)など。同意した理由は、90.1%が「病気が良
くなることへの期待」と回答したが、「その他」を選択したうち、自由記入欄
で、金銭的な支給があることを挙げた回答が2例(0.7%)あった。
全体の80.2%が、「参加して良かった」と回答。その理由は、新薬開発への貢
献といった回答のほか、「いつもより手厚い医療が受けられる」(31.1%)な
ど現実的な一面もあった。不安や不便さについて、副作用(54.8%)、治験薬
の効果(52.9%)、自分の治療データ(22.3%)、他の薬が使えない(21.0%)
などが寄せられた。治験終了に伴う不安を感じる52人のうち80.2%が、「治験
薬で良くなっていた症状がまた悪くなるのでは」と考えた。承認までの約2年
の期間について、69.3%が「長い」と答えた。