小野薬品・相良社長 長期品比率「年間10ポイントずつ改善したい」
公開日時 2010/11/05 04:02
小野薬品の相良暁社長は11月4日、11年3月期第2四半期(4-9月)決算発表説明会で、新薬の売上高を増やすことで、長期収載品の比率を「年間10ポイントずつ改善していきたい」と述べた。09年度末時点で「80%台後半」の同比率は、今年度末までに「70%台半ば」を見込んでいるといい、おおよそ2年後には50%程度まで下げたいとの意向を示した。
同社の成長ドライバーは、新しい糖尿病治療薬でDPP-4阻害剤グラクティブ錠、悪心・嘔吐治療薬イメンドカプセル、骨粗鬆症治療薬リカルボン錠、過活動膀胱治療薬ステーブラ錠。同社長はそれぞれの中期的な売上見込みとして、グラクティプ約200億円(10年度見込75億円)、イメンド約100億円(同45億円)、リカルボン約150億円(同20億円)、ステーブラ100億円(同65億円)を示した。
◎第2四半期 新製品順調も既存品の薬価改定、後発品の影響受け減収減益
第2四半期連結業績は、新製品の売上が順調に推移したものの、その他の既存製品の減収分を補いきれなかったため、減収減益となった。
昨年12月に発売したDPP-Ⅳ阻害薬グラクティブの売上が34億円と堅調に推移。同様に成長ドライバーに位置づける抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐治療薬イメンド20億円、骨粗鬆症治療薬リカルボン9億円、過活動膀胱治療薬ステーブラ27億円を売り上げ、堅調に推移した。一方、末梢循環障害改善薬「オパルモン」など既存製品の売上は、4月の薬価改定や後発品普及促進策の影響を受けて概ね減収で推移。既存製品が減収になったことに加えて、ライセンス費用を中心に研究開発費が前年同期比47億円増となったことなどから、営業、経常ベースでも2桁減益となり、業績を圧迫した。
【連結業績(前年同期比)、通期予想(前年同期比)】
売上高637億7800万円(5.1%減)1290億円(5.1%減)
営業利益130億9800万円(41.5%減)267億円(33.0%減)
経常利益147億6900万円(38.7%減)287億円(32.8%減)
純利益93億2500万円(41.4%減)185億円(33.6%減)
【製品売上高(※前年同期実績)、通期予想、億円】
オパルモン錠203(226)425
オノンカプセル92(122)165
キネダック錠69(85)130
フオイパン錠56(66)105
オノンドライシロップ37(41)80
ステーブラ錠27(21)65
注射用エラスポール24(26)55
注射用オノアクト17(16)35
グラクティブ錠34(-)75
イメンドカプセル20(-)45
リカルボン錠9(4)20
※前年同期実績値は、決算補足資料のデータをもとに本紙で計算した。