キッセイ薬品が11月８日に発表した11年３月期第２四半期決算によると、腎性貧血に用いるEPO製剤のバイオシミラーであるエポエチンアルファBS注JCRの売上高は当初計画５億円に対し、実績は４億1900万円だった。同社広報部は、目標採用施設数は達成しているが、１施設あたりの納入数量が少なかったとし、まだ先行品と効果が同等かなどの様子見のところがあるという。

同剤については今後も製品に対する理解を促す情報提供を着実に行っていく姿勢で、通期目標の24億5000万円の達成については「そんなに難しくない」との見解。先行品との価格競争については「激しいものにはなっていない。今後、（納入）数量が増えれば、価格競争になることも考えられる」としている。

連結業績では、売上高全体では物品販売業や建設請負業などその他事業の大幅減で減収となったが、医薬品事業に限れば、排尿障害改善薬ユリーフ、糖尿病治療薬グルファスト、口腔乾燥症状改善薬サラジェンの主力３製品の伸長などで278億8700万円、1.1％の増収となった。一方、連結の利益面では、研究開発投資を３割増と積極的に行い販管費が大きく増えた影響などで各利益とも減益となった。通期は、6.6％の薬価改定の影響はあるが、主力品の伸長やEPO製剤の発売などで増収減益を見込む。

【連結業績（前年同期比）通期予想（前年同期比）】
売上高309億7600万円（2.2％減）658億円（5.8％増）
営業利益27億8200万円（28.1％減）66億円（0.2％増）
経常利益29億5200万円（28.4％減）72億円（0.3％減）
純利益14億4900万円（39.8％減）42億円（3.9％減）

【売上高（09年度実績）通期予想、億円】
ユリーフ46.31（87.06）100.50
グルファスト26.73（49.11）54.40
サラジェン4.95（8.28）10.70
エポエチンアルファBS注JCR4.19（－）24.50
ベザトール38.24（84.95）76.70
ウテメリン23.32（48.76）45.40
キサンボン9.07（20.30）17.50
リザベン点眼液8.53（23.84）23.20
リザベン9.14（19.09）18.40
ドメナン1.56（3.49）3.20
カバサール13.74（30.92）25.60
フラグミン4.71（12.61）9.60
リズモンTG点眼液4.70（10.50）8.90
ゾラデックス1.8mgデポ.96（7.31）7.90
フルスタン3.33（6.17）6.50