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【マーケティングTOPICS】 ネキシウム  効果の強さ前面にプロモーションミックスでトップシェア狙う

公開日時 2011/11/02 04:00

プロトンポンプ阻害剤(PPI)の新薬として9月15日に発売された「ネキシウムカプセル10mg、20mg(一般名:エソメプラゾール)」。オメプラール(一般名:オメプラゾール)でPPI市場に最初に参入し、スキルと経験を持つアストラゼネカ(AZ)と、国内トップクラスの営業力を持つ第一三共が、強力にタッグを組む。同剤の特徴である“優れた酸分泌抑制効果”を、MR活動、e-ディテール、MSのコール数、講演会(Dr. to Dr.)、DTC広告などあらゆる方向からドクターに訴求する“プロモーションミックス”で、同市場のトップシェアを狙う。


◎NSAID投与時、アスピリン投与時早期の適応取得で差別化

エソメプラゾールは、オメプラゾール(ラセミ体)の一方の光学異性体。これまでに患者によってみられた効果のバラツキを減らし、“誰にでも高い効果が期待できる”ことに加え、効果発現が早いことが特徴の薬剤だ。

PPIの国内市場は、IMSの調査によると、2010年で2200億円。2000年からの10年間で年間平均25%の伸び率を示す。すでに成熟していると捉えられがちな市場だが、第一三共・医薬営業本部プロダクトマーケティング部新製品推進グループストラテジープランナーの川口友一氏は「患者アンケートでは、1週間のうちに自覚症状を感じている患者さんが約7割いることも分かっている」と説明。逆流性食道炎の患者数が増加していることからも、「まだアンメット・メディカルニーズがある」と指摘する。

アメリカで55%、イギリスで45%、フランスで59%など欧米では、PPIの先発品市場で、高いシェアをほこるブロックバスターの1つだが、「日本でも欧米並みのシェアを目指したい。早期にナンバーワンマーケットシェアを先発品の中で、獲得したい」と、アストラゼネカ・プライマリーケア事業本部マーケティング統括部消化器領域ブランドマネジャーの古銭一郎氏も意欲をみせる。

同市場は、タケプロン(ランソプラゾール、武田薬品)、パリエット(ラベプラゾール、エーザイ)がけん引するが、すでにジェネリックが登場しており、比較的GEへの切り替えも早いことも指摘されている。このような中にあって、「患者さんの症状をとって、酸をとってあげるという効果を考えれば、効果が強いネキシウム」と川口氏は同剤の薬剤としての価値の高さに自信をみせる。

適応症の幅の広さも同剤の特徴の1つ。これまでタケプロンが唯一適応を取得していた「非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」を通常用量の20㎎で発売時にすでに取得している。アストラゼネカの古銭氏は、同剤のアドバンテージと話す。さらに、「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」についても効能追加を申請している。

◎小規模講演会の開催でディスカッションを

プロモーションの中心は、PPI市場の7割を占める開業医をターゲットにする。そのため、「MR活動が成果につながる領域。プライマリケア医の処方は、MR活動と相関することが前から分かっている」(第一三共・川口氏)と語る。そのため、MRは、第一三共のMR約2000人、アストラゼネカのMR約1500人のリソースを最大限に活用する。

また、ドクターからドクターへの情報提供を行う講演会については、「Awareness(認知)をあげるために、全国でどれだけ多くの先生を招聘するか」(AZ・古銭氏)がカギと話し、発売記念講演会や学会、座談会に加え、全国中継シンポジウムやTVシンポなどを積極的に開催する。

これに加えて、エリアでの小規模の講演会にも注力したい考え。開業医は、診療時間中クリニックを離れることもできず、なかなか聞きたいことをKOLに聞くチャンスもなかったということも指摘されている。そのため、小規模の講演会を通じ、開業医と専門医が膝を詰めたディスカッションを行う“双方向”の会を設けることを視野に入れる。内容も製品に注力するのではなく、疾患啓発やガイドライン(GL)の内容、治療などをメインに据える考えだ。また、TVシンポなどを通じ、「小規模のエリアのオピニオンの医師と海外の医師でディスカッションできるような会を行うことで、ドクターの満足度を高めたい」(第一三共・川口氏)という。

◎第一三共・川口氏「MRの営業力自体が強み」

第一三共の川口氏は、「MRの営業力自体が強み」と話し、同社のMRが医師のニーズに応じ、最適な方法で医師に情報提供をできると自信をみせる。さらに、既存品のプロモーションで注力してきたため、ターゲットドクターの約95%が重複するとの見方も示し、「ご指導いただいている先生とのつながりも強み」と話す。川口氏は、同社の目指す「国内ナンバーワンカンパニーにするためには、早期にネキシウムをNO.1のPPIにすることが使命だと思っている」と意気込みを語った。


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写真を掲載できず、後悔しているのだが、取材に応じていただいたAZの古銭氏、第一三共の川口氏ともに、取材に紫のネクタイ、紫のピンバッヂと、ブランドカラーの紫を意識した服装だったのが印象に残った。ふと見れば、発表スライドも紫だ。色、視覚を通じたプロモーション…と聞き、ARBディオバンの赤を連想される方も多いのではないだろうか。まさに、MR活動に向けた姿勢は、こんな所にも垣間見られるのだと感じた。(望月)

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