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糖尿病合併患者へのアリスキレンとACEかARBとの併用 米国も禁忌 日本は併用不可促す

公開日時 2012/04/24 04:02

ノバルティス ファーマは4月23日、高血圧症治療薬アリスキレンフマル酸塩(一般名、国内製品名:ラジレス)に関して、米国FDAとの協議の結果、添付文書を改訂したと発表した。糖尿病を合併している高血圧症患者に対するアリスキレンと、ACE阻害薬またはARBとの併用は禁忌とするほか、ACEかARBを投与されている中等度以上の腎機能障害患者に対するアリスキレンの使用については注意喚起となった。すでに欧州では2月に添付文書が改訂されており、欧州では糖尿病合併患者だけでなく、中等度以上の腎機能障害患者に対しても併用禁忌としている。

また、ノバルティスは米国で、アリスキレンとARBバルサルタンとの配合剤Valturnaを7月20日を目途に販売中止とすることも決めた。スイスでも同様の配合剤Rasivalの承認を取得(未発売)しているが、販売承認を取り下げる。

日本では現在、PMDAと協議中の段階。しかし、ノバルティスは今年1月から、一時的な予防的措置として、糖尿病合併患者へのアリスキレンとACEまたはARBを併用しないよう医療関係者に情報提供している。すでに糖尿病合併患者に併用している場合は、アリスキレンの投与を中止し、必要に応じて高血圧の代替治療を考慮するよう求めている。

米国及び欧州での添付文書改訂や日本での予防的措置は、11年12月に公表されたALTITUDE試験の中間解析結果に基づくもの。同試験は2型糖尿病で、腎障害あるいは腎機能低下を有する心血管及び腎イベント発症のハイリスク患者群に対して、アリスキレンの有効性/安全性を検討する二重盲検・プラセボ対照国際共同試験。約4年にわたり8606人以上の患者が参加し、ほとんどの患者の血圧は試験組み入れ時に適切にコントロールされていた。患者へはACE阻害薬かARBを含む標準療法に、アリスキレン300mgを上乗せ投与した。

中間解析では、これらのハイリスク患者に対してアリスキレンによる治療がベネフィットをもたらす可能性は低いと結論付けられた。一方で、非致死性脳卒中、腎合併症、高カリウム血症、低血圧の発現率がプラセボに比べて高いことが報告された。


 

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