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世界の医薬品市場 16年に1.2兆ドルへ 患者増もGE使用の流れ IMS研究レポート

公開日時 2012/07/27 04:00

IMSヘルス傘下の研究機関であるIMS Instituteはこのほど、2016年の世界の医薬品市場が1兆2000億ドル程度(11年実績=9560億ドル)になるとの研究レポートをまとめた。医薬品新興国市場での医療アクセスの拡大に加え、米国でも医療費負担適正化法(Affordable Care Act)の施行による患者増が見込まれるためだ。しかし、世界的にブランド薬の成長は殆ど見込めず、低分子ジェネリック薬の成長が加速するとしており、ジェネリック薬市場は16年に4000億~4300億ドル(11年実績=2420億ドル)になると予測している。

日本市場の16年まで5年間の年平均成長率は、12年、14年、16年の隔年の薬価改定を見込んで、年率1~4%と予測した。

研究レポートは「The Global Use of Medicines:Outlook Through 2016(世界の医薬品市場:2016年までの展望)」というもの。世界の医薬品市場は、12年は3~4%の低成長となりそうだが、16年には5~7%の成長が期待されるとしている。16年まで5年間の年平均成長率は3~6%となる。

◎新興国市場は規模倍増

先進国市場と新興国市場で見ると、先進国市場の成長は鈍化、新興国市場は今後5年間で規模が倍増する。先進国市場の規模は06年~11年の5年間で合計1040億ドル増加したが、11年~16年の5年間は合計600億~700億ドルの増加に留まる。これは世界売上がピーク時に100億ドルを超えた高脂血症治療薬リピトールや、100億ドル近くの抗血小板薬プラビックスといったブロックバスターを含む特許失効薬の数が史上最多となり、16年までの5年間で市場が1060億ドル消失する(ブランド薬支出が1270億ドル減少、ジェネリックへの置き換えが210億ドル)ことが大きく影響するためだ。

米欧日各市場の16年まで5年間の年平均成長率は、米国が1~4%、欧州が△1~2%、日本が1~4%――。このうち米国はブランド薬の特許切れが大きく影響するものの、新薬の上市や、医療費適正化法の施行で14年には患者アクセスが増大すると予測した。欧州は大規模な緊縮プログラムや医療費抑制イニシアティブによるとしている。

一方、新興国市場の規模は16年に3450億~3750億ドル(11年実績=1940億ドル)に成長する。この成長をけん引するのは▽所得の向上▽継続した薬剤費の低コスト化▽治療アクセス拡大を目的とする政策――で、ジェネリック薬をはじめとして市販薬、診断薬、非治療薬などで増加分の約83%を占めると分析した。

◎新規有効成分の上市数 年間30以上に AD、自己免疫疾患、糖尿病、がんなど

ブランド薬市場の16年の規模は6150億ドル~6450億ドル程度で、5年間の成長率は年率で横ばい~3%となる見込み。特に主要先進国市場では特許失効、保険支払者による費用抑制策の強化、上市される新薬の小幅な成長――により、5年間の伸びは金額ベースでわずか100億ドルにとどまる。

しかし、新規有効成分(NME)の上市数は、世界的に今後5年間で回復基調となるようだ。16年までの間に1年あたり32~37のNMEが上市されるとし、07年~11年のNME上市数が142であったのに対して、11年~16年は160~185のNMEが上市されると分析した。疾患分野はアルツハイマー病(AD)、自己免疫疾患、糖尿病、多数のがん、希少疾病などとなる。

そのほか、バイオ医薬品については、16年には世界の医薬品市場の売上の約17%を占めると予測した。5年以内に世界売上上位10製品のうち7製品がバイオ医薬品となるという。さらに「多くの国々で特許や市場優先権によるバイオ医薬品への保護が続くことから、低価格なバイオシミラーへ代替薬として採用する動きは、引き続き限定的な範囲に留まると予想される」としている。


 

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