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SGLT2阻害薬 部会通過の4成分比較 用量設定多様なスーグラ 海外使用経験はフォシーガ

公開日時 2014/02/27 03:52

新しい2型糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬は、4成分が厚労省の薬食審医薬品部会を通過した。順調に承認・薬価収載手続きを経れば、4~6月の間にも相次ぎ発売となることが見込まれる。そこで、部会後の会見資料などをもとにミクス編集部で各成分の特徴を整理・比較したところ、用法用量や海外での使用状況に違いが見られた。

 

SGLT2阻害薬は、過剰なグルコースを尿中に排泄することで血糖値を低下させる、既存薬とは異なる作用機序を有する経口薬。国内では6成分が開発されているが、最も上市に近いと見られるのがスーグラ(一般名:イプラグリフロジン、共同販促:アステラス製薬/MSD/寿製薬)で、1月17日に承認を取得している。順調に進めば4月に薬価収載となる見込み。続いて1月24日にフォシーガ(ダパグリフロジン、アストラゼネカ/小野薬品)が、2月24日にはルセフィ(ルセオグリフロジン、共同販売:大正富山医薬品/ノバルティス)、デベルザ(トホグリフロジン、興和)、デベルザと同成分のアプルウェイ(トホグリフロジン、サノフィ)が部会を通過し、これら3成分4製品が承認待ちの状態にある。これらも順調に行けば3月承認、5~6月頃の薬価収載となることが見込まれる。

 

各成分に関する公表資料から整理していくと、用法用量については、同一成分のデベルザ/アプルウェイが20mgの単一用量、スーグラ、フォシーガ、ルセフィは増量が可能な設定になっている。フォシーガとルセフィは標準用量とその倍量の2段階で用量調節でき、増量しても1錠の服用で済む。スーグラは開始用量の50mgで効果不十分な場合に75mg、100mgと段階的な増量ができ、多様な用量設定が可能。ただ、増量の場合は2錠服用することになる。単一用量の製剤を販売する興和やサノフィは、患者背景に応じた用量調整を要さない使いやすさを訴求ポイントに据える可能性がありそうだ。

 

4成分とも1日1回の服用であるが、スーグラ、ルセフィ、デベルザ/アプルウェイは朝食前か朝食後と指定されているのに対してフォシーガではその指定がなく、この点も製品特性に位置づけられることになりそうだ。

 

◎審査期間は全て1年未満 スーグラは8か月半

 

申請日から部会通過までの期間を見ると、4成分全てが1年未満だった。具体的には、スーグラが8か月半、その他は約10か月。一番手での登場が見込まれるスーグラの審査期間が短くなっているが、厚労省は当局からの質問に対する申請企業の回答の速さを背景に挙げていた。

 

複数成分が同時期に発売となることもあって、各成分間の差に関心が高まっているが、有効性や安全性など作用機序での差は少ないとされる。発売順や用法用量に加え、国内外の臨床データからも製品特性が訴求されていくものと考えられるが、海外の状況を見ると、フォシーガのみが欧米など41カ国で承認済みとなっている。フォシーガの承認用量は国によって異なるが、米国での用量は日本と同じであり、海外の臨床成績も情報提供に活用されるものと考えられる。

 

なお、部会通過した4成分のほか、田辺三菱製薬のカナグリフロジンが13年5月に申請されたほか、日本ベーリンガーインゲルハイムと日本イーライリリーは同年10月にエンパグリフロジンの申請を発表している。

 

以下の「関連ファイル」に、厚労省薬食審医薬品部会後の会見資料や取材を基にした4成分の比較表を掲載しました(プレミア会員限定)。 

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