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薬食審・第二部会 ジェノタイプ1型C肝薬ハーボニーの承認了承 ソホスブビルとレジパスビル配合

公開日時 2015/05/29 03:52

厚労省の薬食審医薬品第二部会は5日28日、新薬など7製品の承認の可否について審議し、承認を了承した。この中には、高い奏効率で注目され、今月に発売になったジェノタイプ2型C型慢性肝炎治療薬ソバルディに、NS5A阻害薬レジパスビルを配合したギリアド・サイエンシズのハーボニー配合錠も含まれる。同剤の適応はジェノタイプ1型のC型肝炎。日本の患者の7割以上はジェノタイプ1型といわれ、その患者を対象にした治験では、持続的ウイルス学的著効率(SVR12)は治癒したと判断される100%という結果が得られている。

 
28日の会合では当初、9製品が審議予定だったが、2製品については一部委員が製品との利益相反の関係で審議に参加できなかったため定足数に満たず、審議できない状態となり、承認の可否の判断が先送りとなった。審議できなかったのは、▽「手術部位の皮膚の消毒」を効能・効果とする大塚製薬工場のオラネジン消毒液1.5%、同液1.5%消毒用アプリケータ10mL、同液1.5%消毒用アプリケータ25mL(オラネキシジングルコン酸塩)▽「発熱性好中球減少症」を効能・効果に追加する大鵬薬品工業のゾシン静注用2.25、同静注用4.5、同配合点滴静注用バッグ4.5(タゾバクタム/ピペラシリン水和物)--。ゾシンの追加適応症は、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を経て、厚労省から開発要請を受けていた。
 
通常の手続きなら承認は来月下旬となるが、承認の遅れは同省も避けたいところ。今回の事態に対し、同省医薬食品局の担当官は「大きな影響が出ないよう臨時に部会を開くなりして対応したい。鋭意努力する」としている。

今回承認が了承されたのは以下のとおり。
【審議品目】(カッコ内は成分名と会社名)
ハーボニー配合錠(レジパスビル アセトン付加物/ソホスブビル、ギリアド・サイエンシズ):「セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合薬。再審査期間8年。優先審査品目。
 
レジパスビル及びソホスブビルはC型肝炎ウイルスの複製に関わるNS5A及びNS5Bポリメラーゼをそれぞれ阻害することでウイルスの増殖を抑制する。通常、成人には1日1回1錠を経口投与し、投与期間は12週間。
 
ソホスブビル単剤(製品名:ソバルディ錠)はリバビリンとの併用でジェノタイプ2のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変に対する適応で3月26日に承認されている。ハーボニーはC型慢性肝炎患者の7~8割とされるジェノタイプ1に対する治療薬。申請時の提出データでは、国内フェーズ3試験において、終了後12週時の持続的ウイルス学的著効率(SVR12)は100%という。
 
なお、ハーボニーと同様の適応を持ち、経口薬だけで治療可能なのは、ダクルインザ錠(一般名:ダクラタスビル塩酸塩)とスンベプラカプセル(同アスナプレビル)の併用がある。また、インターフェロンを併用する経口薬としてはテラビック錠(同テラプレビル)、ソブリアードカプセル(同シメプレビル)、バニヘップカプセル(同バニプレビル)が承認されている。
 
プラケニル錠200mg(ヒドロキシクロロキン硫酸塩、サノフィ):「皮膚エリテマトーデス・全身性エリテマトーデス」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
 
同薬は4-アミノキノリン骨格を有し、抗炎症作用、免疫調節作用、抗マラリア作用、腫瘍増殖抑制作用などを持つ。
 
海外では標準薬で、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」が開発の必要性を指摘し、同省が10年12月にサノフィに開発要請していた。海外での承認は論文のデータなどに基づいたものだったが、今回はサノフィが世界で初めて治験を日本で実施し、最新のエビデンスデータを作成し、申請となった。 
 
過去にクロロキンを有効成分とする経口薬があったが、高用量での使用によって網膜症を発現することが国内外から報告されたため、日本では1974年に製造中止となった。しかし、同剤を6.5mg/kg/日を超えない用量で投与すると網膜障害を含む眼障害を発現する可能性が低いことが明らかとなり、海外では当該用量で長年使用されている。
 
オフェブカプセル100mg、同カプセル150mg(ニンテダニブエタンスルホン酸塩、日本ベーリンガーインゲルハイム):「特発性肺線維症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。
 
国内患者数は約1万数千人とされる。同薬は血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)α及びβ、線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)1~3、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)に結合して、特発性肺線維症の病態形成に関与する線維芽細胞の増殖、遊走、トランスフォーメーションに関わる細胞内シグナル伝達を阻害する。承認されれば、この疾患で初めての分子標的治療薬となる。
 
特発性肺線維症は慢性かつ進行性の肺線維化疾患。呼吸機能の低下を特徴とし、時間経過と共に肺組織の肥厚や硬化が起こり、主要な臓器に酸素が届きにくくなる。このため、息切れや咳などの症状が続き、日常の身体活動にも支障が生じる。
 
アコアラン静注用600(アンチトロンビンガンマ遺伝子組換え、協和発酵キリン):「先天性アンチトロンビン欠乏に基づく血栓形成傾向」「アンチトロンビン低下を伴う播種性血管内凝固症候群(DIC)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
 
国内初の遺伝子組換えアンチトロンビン(AT)製剤。ATは、血液中の主要な凝固阻害因子のひとつで、トロンビンのほか、血液凝固第X因子、第XII因子、第IX因子と複合体を形成することで、これらの凝固因子群を不活化する。
 
類薬には、血漿由来乾燥濃縮ヒトAT製剤のノイアート静注用、アンスロビンP注射用、献血ノンスロン注射用がある。今回部会通過したアコアラン静注用は血漿由来AT製剤と同様の位置付けで、選択肢を増やすもの。
 
ヤーボイ点滴静注液50mg(イピリムマブ遺伝子組換え、ブリストル・マイヤーズ):「根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。
 
同剤は免疫反応を活用して効果を発揮する薬剤で、T細胞の活性化を抑制するCTLA-4の働きを抑え込むことで、腫瘍抗原特異的なT細胞の活性化と増殖を促して腫瘍増殖を抑制する作用を持つ。ヒト型抗ヒトCTLA-4モノクローナル抗体で、CTLA-4免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれる。悪性黒色腫の日本の患者数は約4000人、年間約700人が死亡するという。進行期悪性黒色腫の場合5年生存率は10%前後と予後不良。
 
ファリーダックカプセル10mg、同カプセル15mg(パノビノスタット乳酸塩、ノバルティスファーマ):「再発又は難治性の多発性骨髄腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。
 
日本での推定患者数は約1万4000人。人口10万人あたり推計年齢調整罹患率は約2人で、年間死亡数は4066人と報告されている。多発性骨髄腫を含む複数のがんでは、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)活性の上昇が見られ、腫瘍の形成や増殖、血管新生などがんを促進するプロセスが生ずる。同剤は、このHDACを阻害することで、細胞死を誘導し、腫瘍の増殖を抑える新たな作用を持つ。
 
ベルケイド注射用3mg(ボルテゾミブ、ヤンセンファーマ):「マントル細胞リンパ腫」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。
 
マントル細胞リンパ腫は進行性の血液がん。悪性リンパ腫の3%程度を占める。生存期間中央値はおよそ3~5年と予後不良という。患者数は約1600人。厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を経て、厚労省から開発要請されていた。
 
【報告品目】(カッコ内は成分名と会社名)
報告品目は、PMDAの審査の段階で承認が了承され、部会での審議が必要ないと判断された製品。
 
エンドキサン100mg、同500mg(シクロホスファミド、塩野義製薬):「悪性リンパ腫の自覚的並びに他覚的症状の緩解」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間なし。
 
プレドニゾロン錠「タケダ」5mg、同散「タケダ」1%(プレドニゾロン、武田薬品)/プレドニン錠5mg(同、塩野義製薬):「悪性リンパ腫及び類似疾患(近縁疾患)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間なし。
 
上記製品は、「マントル細胞リンパ腫」に対するベルケイドとの併用による有効性と安全性が確認できたことから、併用療法に使用できるように効能追加する。
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