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薬食審・第二部会 新薬など9製品を審議、承認了承 4製品は抗がん剤

公開日時 2016/02/29 03:52

厚労省の薬食審・医薬品第二部会は2月26日、新薬など9製品の承認の可否を審議し、全て承認することを了承した。日本肺癌学会が早期承認を求めていたEGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性のEGFR T790M変異陽性非小細胞肺がん治療薬タグリッソ錠(アストラゼネカ)や、再発・難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫含む)に用いる新規機序のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬イムブルビカカプセル(ヤンセンファーマ)が含まれる。抗がん剤はこれら2製品のほか、骨転移のある去勢抵抗性前立腺がん治療薬ゾーフィゴ静注(バイエル薬品)、ALK阻害薬ジカディアカプセル(ノバルティスファーマ)の計4製品となる。

承認が了承されたのは以下のとおり。

【審議品目】(カッコ内は成分名と申請社名)

ゾーフィゴ静注(塩化ラジウム223Ra、バイエル薬品):「骨転移のある去勢抵抗性前立腺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

進行した状態である去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)では、患者の多くが骨転移しているといい、疼痛や骨折、脊髄圧迫、生存期間に影響するとされる。同剤は放射性医薬品で、骨転移巣に対し、同剤から放出されるアルファ線がDNAの二重鎖切断を誘発し、殺細胞効果を示す。用法・用量は「通常、成人には1回55kBq/kgを4週間間隔で最大6回まで、静脈内に緩徐に注射する」。

骨転移のあるCRPCに対する治療選択肢のひとつとなる。類薬には前立腺がんに関する効能・効果のある薬剤として、ザイティガ錠、イクスタンジカプセル、タキソテール点滴静注用――などがある。海外では15年10月時点で、前立腺がんに関する効能・効果で45の国・地域で承認済。

ジカディアカプセル150mg(セリチニブ、ノバルティスファーマ):「クリゾチニブに抵抗性のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

クリゾチニブ(製品名:ザーコリ)などと同様、ジカディアは肺がん治療に精通し、リスクなどについても十分管理できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ投与する。患者は、処方医から交付される同剤の効果や副作用について十分な説明を受けたことを証明するカードがないと薬を受け取れない。

同剤は、がん細胞の増殖に関与するALK融合遺伝子の活性を阻害することで効果を発揮するALK阻害薬。通常、成人には1回750mgを1日1回、空腹時に経口投与する。ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん患者数は約2200~5500人と推測され、非小細胞肺がん全体の2~5%程度とされる。類薬にはザーコリ、アレセンサがある。海外では14年4月に米国、15年5月に欧州で承認済。

タグリッソ錠40mg、同80mg(オシメルチニブメシル酸塩、アストラゼネカ):「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。優先審査品目。

クリゾチニブ(製品名:ザーコリ)などと同様、タグリッソは肺がん治療に精通し、リスクなどについても十分管理できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ投与する。患者は、処方医から交付される同剤の効果や副作用について十分な説明を受けたことを証明するカードがないと薬を受け取れない。

イレッサなどEGFR阻害薬による治療に耐性が生じた患者にみられる「EGFR T790M変異」という新たな遺伝子変異を標的にするもの。EGFR阻害薬が奏効しても、ほとんどの症例で1年程度で耐性化し病状が進行するが、この耐性化した症例の過半数にT790M変異がみられるという。ただ、T790M変異陽性肺がんに対する治療薬が市場にはないため、日本肺癌学会が15年7月に同剤の早期承認を厚労相に求めていた。同剤は同年8月に申請、優先審査された。EGFR T790M変異陽性の非小細胞肺がん患者数は約1万9700人~3万5300人と推測されている。

1日1回経口投与で用いる。T790M変異の遺伝子変異があるかどうかを検出するため、厚労省は、同剤の承認とほぼ同時期にコンパニオン診断薬も承認する方針。海外では15年11月現在、米国で承認済。

イムブルビカカプセル140mg(イブルチニブ、ヤンセンファーマ):「再発または難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。

1日1回経口投与タイプの新規作用機序を有するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬。慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)は血液がんの一群で、白血球の一種であるB細胞由来のB細胞性悪性腫瘍。がん細胞の大部分が血液中や骨髄にあればCLL、リンパ節に位置すればSLLとされる。患者数はCLLが約1000人、SLLが約1600人と推定される。

悪性B細胞ではBTKを含むB細胞受容体シグナル伝達経路が過剰に活性化しているが、イブルチニブはBTKと強固な共有結合を形成し、悪性B細胞の過剰な細胞生存シグナルの伝達を抑え、リンパ節などでの過剰な細胞増殖を阻止する。

類薬にはマブキャンパス点滴静注やアーゼラ点滴静注などがあり、同剤は再発・難治性のCLL/SLLに対する治療選択肢のひとつとなる。海外では15年12月現在、CLLの効能・効果で64カ国で承認済。

アディノベイト静注用250、同500、同1000、同2000(ルリオクトコグ アルファペゴル(遺伝子組換え)、バクスター):「血液凝固第8因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

出血時の止血管理、定期補充療法に用いる。既存のアドベイト静注用の有効成分であるルリオクトコグ アルファ(遺伝子組換え)に分子量約20kDaのポリエチレングリコール(PEG)を結合させた遺伝子組換え血液凝固第8因子製剤。PEG化することでアドベイト静注用よりも血中半減期を延長させた。これにより投与頻度は週2回くらいまで減らせることが期待できるという。

既存薬に比べて血中半減期の延長を目的に修飾を施した血液凝固第8因子製剤としては、イロクテイト静注用に続く2剤目。海外では15年11月現在、米国で承認済。

コバールトリイ静注用250、同500、同1000、同2000、同3000、同静注用キット250、同キット500、同キット1000、同キット2000、同キット3000(オクトコグ ベータ(遺伝子組換え)、バイエル薬品):「血液凝固第8因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

出血時の止血管理、定期補充療法に用いる。既承認のコージネイトFSでは生産培養工程において、アルブミン及びグロブリンを含有するヒト血漿タンパク質溶液を使うが、同剤はこの溶液を使わないで生産できるようにしたもの。これにより安全性を高める。

具体的には同剤は、血液凝固第8因子(FVIII)の発現を向上させるため、コージネイトFSのワーキングセルバンクを改良(ヒト熱ショックタンパク質70遺伝子を導入してアポトーシスを抑制し、FVIIIの発現を向上)して樹立した新たなマスターセルバンクを利用して産生する遺伝子組換え全長型FVIII製剤。海外では未承認。

マラロン配合錠、同小児用配合錠(アトバコン・プログアニル塩酸塩、グラクソ・スミスクライン):「マラリア」を効能・効果とする新用量、剤形追加に係る医薬品。再審査期間は残余(平成32年12月24日まで)。

小児用配合錠は1/4の含量で、アトバコン62.5mg、プログアニル塩酸塩25mgとなる。追加されたのは小児の治療における体重11kg未満の用法・用量(1日1回3日間食後投与)と、小児の予防における体重40kg以下の用法・用量(1日1回、流行地域到着24~48時間前より投与開始。流行地域を離れた後7日間毎日食後投与)。

海外では15年11月現在、配合錠は欧米含む約70の国及び地域、小児用配合錠は欧米含む約50の国及び地域で承認済。

プリマキン錠15mg「サノフィ」(プリマキンリン酸塩、サノフィ):「三日熱マラリア及び卵形マラリア」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

これらマラリアの治療には、まず血液中のマラリア原虫を殺す薬剤を用いるが、休眠原虫が肝細胞内に残存し、再発のおそれが残る。それに対し今回申請した薬剤は効果を発揮して完全治癒に導く。唯一の根治治療薬として60年以上、臨床使用されてきたという。

日本では未承認だが、他の代替薬がないことから、熱帯病治療薬研究班に所属する医療機関にて、海外と同様の用法・用量で使用されてきた。日本熱帯医学会、日本感染症教育研究会から厚労省に開発要望があり、同省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で開発の必要性があると判断され、厚労省から開発要請されていた。

成人には30mgを、小児には0.5mg/kg(最大30mg)を1日1回14日間食後に経口投与する。

海外では、1951年に米国で三日熱マラリアの再発予防(根治療法)で承認されて以降、カナダで三日熱マラリア、卵形マラリア、コロンビアで三日熱マラリアで承認され、他の国では後発医薬品として広く使用されているという。

ヌーカラ皮下注用100mg(メポリズマブ(遺伝子組換え)、グラクソ・スミスクライン):「気管支喘息(既存治療で喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

喘息の症状に関与するインターロイキン-5(IL-5)を標的とし、好酸球の増殖・活性化を抑制し、好酸球に起因する気道炎症に伴う喘息増悪を抑える。高用量の吸入ステロイド薬、他の長期管理薬によっても増悪をきたす重症患者が適応となる。類薬にはゾレア皮下注用があるが、同剤は症状に関わるIgEに作用するもので、ヌーカラと作用が異なる。

成人、12歳以上の小児には1回100mgを4週間ごとに皮下注射する。海外では15年11月に米国、同年12月に欧州で承認済。

■水痘ワクチンに「50歳以上の帯状疱疹予防」適応 日本初

【報告品目】(カッコ内は成分名と申請社名)
報告品目は、PMDAの審査の段階で承認が了承され、部会での審議が必要ないと判断された製品。

コロンフォート内用懸濁液25%(硫酸バリウム、伏見製薬所):「腸内容物の標識による大腸コンピューター断層撮像の補助」を効能・効果とする新効能・新用量・剤型追加に係る医薬品。再審査期間なし。

これまでの検査薬は腸管洗浄し、腸管内の残渣を全て取り除くものだが、これは腸管内の残液、残渣を標識とし、腹部組織と識別する新たな経口造影剤。そのため腸管洗浄剤による前処置の必要がなくなる。1回32mL(硫酸バリウムとして8g)を検査前日から毎食後に3回投与する。海外では承認されていない。

乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」(乾燥弱毒生水痘ワクチン、阪大微研):「50歳以上の者に対する帯状疱疹の予防」を効能・効果とする新効能医薬品。再審査期間なし。

帯状疱疹の予防適応を持つワクチンは日本で初めて。海外では欧米を含む60カ国以上の国または地域で承認されていることを踏まえて、公知申請された。

沈降細胞培養インフルエンザワクチンH5N1筋注30μg/mL「北里第一三共」(沈降細胞培養インフルエンザワクチンH5N1株、北里第一三共ワクチン):小児用量を追加する新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は残余(平成36年3月23日まで)。

6カ月以上13歳未満、13歳以上20歳未満のそれぞれの用法・用量を定めた。筋肉内に2回注射する。海外では承認されていない。

【公知申請が可能と判断されたもの】
以下の医薬品の適応追加は、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で公知申請が妥当と判断され、今回それが了承されたもの。これらは保険適用された。

コルヒチン錠0.5mg「タカタ」(コルヒンチン、高田製薬):予定適応「家族性地中海熱

バリキサ錠450mg(バルガンシクロビル塩酸塩、田辺三菱製薬):予定適応「臓器移植(造血幹細胞移植を除く)におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制

ゼローダ錠300(カペシタビン、中外製薬):予定適応「直腸がんにおける補助化学療法

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