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薬食審・第二部会 初のBCL-2阻害薬ベネトクラクスなど新薬4製品の承認了承

公開日時 2019/08/26 03:50
厚生労働省の薬食審医薬品第二部会は8月23日、杏林製薬のキノロン系抗菌薬ラスビック錠(一般名:ラスクフロキサシン)や、アッヴィのファーストインクラスとなる選択的BCL-2阻害薬ベネクレクスタ錠(同ベネトクラクス)など、新薬4製品の承認可否を審議し、承認することを了承した。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
ラスビック錠75mg(ラスクフロキサシン塩酸塩、杏林製薬):「咽頭・喉頭炎、急性気管支炎、肺炎などの感染症」を適応症とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

自社創製のキノロン系合成抗菌薬。17年4月に申請したが、追加の非臨床試験を求められるなどし、対応していた。標的組織(肺)への優れた移行性を示すことが最大の特徴とされる。現在、海外では、同剤が承認されている国や地域はない。

イスパロクト静注用500、同1000、同1500、同2000、同3000(ツロクトコグ アルファ ペゴル(遺伝子組換え)、ノボノルディスク ファーマ):「血液凝固第8因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

半減期延長型血液凝固第8因子製剤。既承認のノボエイト(ツロクトコグ アルファ)をペグ化し、半減期を延長させた。同社の発表資料によると、その半減期は、標準的な半減期第8因子製剤に比べ、成人/青年期患者で1.6倍、小児患者で1.9倍に延長されたという。海外では19年2月に米国で、19年6月に欧州で承認されている。

ベネクレクスタ錠10mg、同50mg、同100mg(ベネトクラクス、アッヴィ):「再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

BCL-2タンパクを標的とする初の分子標的薬。慢性リンパ性白血病ではBCL-2が過剰発現してがん細胞のアポトーシスを阻害するが、同剤はその過程を回復させる。19年5月時点において、同疾患に関する効能・効果で、米国や欧州など68か国で承認されている。

オテズラ錠10mg、同20mg、同30mg(アプレミラスト、セルジーン):「局所療法で効果不十分なベーチェット病による口腔潰瘍」を効能・効果とする新効能医薬品。再審査期間は残余(24年12月18日まで)。

cAMPに特異的な経口ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬。PDE4を阻害することにより細胞内cAMP濃度を上昇させ、間接的に炎症性メディエーターの産生を調節すると考えられているが、詳しい作用機序は明らかになっていない。尋常性乾癬と関節症性乾癬の適応で販売中。19年6月時点、ベーチェット病による口腔潰瘍に関する効能・効果で、同剤が承認されている国や地域はない。

■報告品目に抗PD-L1抗体テセントリクに乳がん適応、第一三共のアバスチンBS


【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

テセントリク点滴静注840mg(アテゾリズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん」の新効能・新用量・剤形を追加する医薬品。再審査期間は残余(2026年1月18日まで)。
アブラキサン点滴静注100mg(パクリタキセル、大鵬薬品):テセントリクの乳がん適応との併用に伴う新用量医薬品。再審査期間なし。

テセントリクはがん免疫療法薬で、抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体。国際共同第III相臨床試験(IMpassion130試験)では、全身薬物療法を受けていない切除不能な局所進行または転移性トリプルネガティブ乳がんの患者を対象に、テセントリクとパクリタキセル(アルブミン懸濁型)の併用と、パクリタキセル(アルブミン懸濁型)単独を比較した。その結果、統計学的に有意な病勢進行および死亡リスクの低下を示したという。

ベバシズマブBS点滴静注用100mg、400mg「第一三共」(ベバシズマブ(遺伝子組換え)〔ベバシズマブ後続2〕、第一三共):「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を効能・効果とするバイオ後続品。

抗がん剤アバスチンのバイオ後続品。米アムジェンにより開発されたもの。2016年7月にアムジェンと第一三共が締結したバイオ後続品の商業化に関する独占契約に基づいて、米アムジェンが製造し、第一三共が流通と販売を行う。

アービタックス注射液100mg(セツキシマブ遺伝子組換え、メルクバイオファーマ):現在の効能・効果である「EGFR 陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」を「RAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」と改める新効能医薬品。公知申請。再審査期間なし。

同剤は、抗ヒトEGFRモノクローナル抗体。頭頸部癌の効能・効果も取得しており、2008年9月から販売されている。

リツキシマブBS点滴静注100mg、400mg「ファイザー」(リツキシマブ(遺伝子組換え)〔リツキシマブ後続2〕、ファイザー):「CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫、免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患、多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎」を効能・効果とするバイオ後続品。

抗がん剤リツキサンのバイオ後続品。先発品は7つの効能・効果を持つ。初めての後続品となったのは、サンドの「リツキシマブBS点滴静注100mg「KHK」、同500mg「KHK」だった。

ベンリスタ点滴静注用120mg、400mg(ベリムマブ(遺伝子組換え)、グラクソ・スミスクライン):効能・効果の「既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス」に5歳以上の小児の用法・用量を追加する新用量医薬品。再審査期間は残余(2025年9月26日まで)。

同剤は全身性エリテマトーデス(SLE)の発病に関与するとされている因子、可溶型Bリンパ球刺激因子(BLyS)を標的とした完全ヒト型モノクローナル抗体。可溶性Bリンパ球刺激因子に結合し、生物活性を阻害することを通じ、SLE患者の疾患活動性を低下させる。2017年9月に、成人を対象に承認を取得、12月に発売していた。

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