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中外 抗体薬物複合体カドサイラ HER2陽性早期乳がん術後薬物療法の適応追加を申請

公開日時 2019/09/02 03:50
中外製薬は8月30日、抗HER2抗体薬物複合体のカドサイラ(一般名:トラスツズマブ エムタンシン)について、HER2陽性早期乳がんにおける術後薬物療法の適応追加を日本で申請したと発表した。申請は同日付け。

同社の伊東康・上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長は、「術前薬物療法で病理学的完全奏効(pCR)が得られなかった際の治療開発は未だアンメットメディカルニーズが高く、今回の申請は新たな術後薬物療法の選択肢としてカドサイラを患者さんに提供するための第一歩になる」とコメントした。さらに、「ハーセプチン、パージェタ、カドサイラを有する当社のHER2フランチャイズは、HER2陽性乳がんの治療成績向上に貢献してきた」とし、今回の適応追加承認を早期に取得してHER2陽性乳がんへの更なる貢献を果たすとしている。

海外で実施した非盲検ランダム化第3相国際共同臨床試験「KATHERINE試験」の成績を用いて今回申請した。米国FDAではこの成績に基づき、同剤の術後薬物療法を画期的治療薬(Breakthrough Therapy)に指定するとともに、Real-Time Oncology Reviewパイロットプログラムを適用し、申請後12週間で承認した。

同試験では、ハーセプチンを含む術前薬物療法で病理学的完全奏効(pCR)が得られなかったHER2陽性早期乳がん患者約1500人を対象に、浸潤性疾患のない生存期間(IDFS)を主要評価項目として、ハーセプチンに対するカドサイラの術後薬物療法としての有効性と安全性を検討した。

その結果、IDFSの1回目の中間解析で、カドサイラのハーセプチンに対するIDFSの優越性が検証された(非層別ハザード比:0.50(95%信頼区間:0.39-0.64)、log-rank検定、p<0.0001)。副次的評価項目である全生存期間の1回目の中間解析では、ハーセプチンに対するカドサイラの優越性は認められなかった。

有害事象はカドサイラ群で98.8%に認められたが、HER2陽性転移性乳がんにおける治療で認められている安全性プロファイルと同様で、HER2陽性早期乳がんの術後薬物療法での使用においてもカドサイラの忍容性は認められた。

カドサイラは、抗HER2ヒト化モノクローナル抗体である乳がん治療薬トラスツズマブと、細胞傷害性を有するチューブリン重合阻害剤DM1が安定したリンカーにより結合した抗体薬物複合体。HER2陽性乳がんでは、がん細胞表面にHER2タンパクが過剰に発現し、増殖シグナルを細胞内に送る。カドサイラはこのHER2タンパクを標的とするよう設計されており、トラスツズマブによるHER2シグナル伝達の阻害と抗体依存性細胞傷害作用を発揮するとともに、チューブリン重合阻害剤DM1を直接HER2陽性のがん細胞の内部に送達し、これらのがん細胞を破壊する。
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