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薬食審・第二部会 季節性アレルギー性鼻炎初の抗体製剤ゾレアなど2製品を審議 承認了承

公開日時 2019/11/01 03:50
厚生労働省は10月31日、新薬として2製品の承認の可否を審議し、いずれも承認することを了承した。この中には、ノバルティスファーマのヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体製剤ゾレア皮下注に季節性アレルギー性鼻炎の効能を追加することが含まれており、正式承認されれば、同疾患に対する初の抗体製剤となる。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

ゾレア皮下注用75mg、同150mg、同皮下注75mgシリンジ、同皮下注150mgシリンジ(オマリズマブ(遺伝子組換え)、ノバルティスファーマ):「季節性アレルギー性鼻炎(既存治療で効果不十分な重症または最重症患者に限る)」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間は4年。

アレルギー反応に関与しているIgEに直接結合し、その作用を特異的に阻害することでアレルギー炎症反応を抑えるヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体。季節性アレルギー性鼻炎としては初の抗体製剤。用法・用量は、成人及び12歳以上の小児に対し、同剤1回75~600mgを2または4週間ごとに皮下注射する。1回あたりの投与量及び投与間隔は、初回投与前血清中総IgE濃度と体重に基づく。

国内では2009年1月に承認され、気管支喘息や慢性蕁麻疹に用いられている。海外では、19年8月現在、気管支喘息又は慢性蕁麻疹の効能・効果で欧米を含む90以上の国・地域で承認済み。

トルツ皮下注80mgシリンジ、同80mgオートインジェクター(イキセキズマブ(遺伝子組換え)、日本イーライリリー):「既存治療で効果不十分な強直性脊椎炎」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(2024年7月3日まで)。

サイトカインであるインターロイキン 17A(IL-17A)に特異的に結合し、IL-17受容体との相互作用を阻止する、ヒトIL-17Aに対するヒト化IgG4モノクローナル抗体。IL-17Aは自然発生するサイトカインで、炎症及び免疫反応に関与するが、同剤によって、炎症性サイトカイン及びケモカインの放出が阻害される。

類薬には抗IL-17A抗体製剤コセンティクス皮下注などがある。海外では、強直性脊椎炎に対して米国で19年8月に承認済み。

■乳がん薬イブランスに錠剤追加 食後投与の制限なく

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

テセントリク点滴静注1200mg(アテゾリズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新用量医薬品。再審査期間は残余(2026年1月18日)。

同剤はがん免疫療法薬で、抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体。化学療法未治療の扁平上皮がんを除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの用法・用量について、これまでの「カルボプラチン、パクリタキセル及びベバシズマブ(遺伝子組換え)との併用において」との部分を、今回、「他の抗悪性腫瘍剤との併用において」に変更する。併用可能な薬剤は、添付文書に新たに記載される国際共同フェーズ3試験結果に基づき、プラチナ製剤のシスプラチンを用いることも可能にする。

イブランス錠25mg、同125mg(パルボシクリブ、ファイザー):「ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん」を効能・効果に追加する新効能・新剤形に係る医薬品。再審査期間は残余(2025年9月26日まで)。

サイクリン依存性キナーゼ4および6(CDK4/6)とサイクリンD複合体の活性を選択的に阻害する薬剤。現在のカプセル製剤に今回、錠剤を追加する。カプセル剤は食後投与だが、錠剤は食事の摂取状況にかかわらず服用できる。

エムプリシティ点滴静注用300mg、同400mg(エロツズマブ(遺伝子組換え)、ブリストル・マイヤーズ スクイブ):「再発又は難治性の多発性骨髄腫」を効能・効果とする新用量医薬品。再審査期間は残余(2026年9月27日まで)。

細胞表面の糖タンパク質であるSignaling Lymphocyte Activation Molecule Family member 7(SLAMF7)を特異的に標的とする免疫賦活抗体。現在はレナリドミド、デキサメタゾンと併用して用いるが、今回、ポマリドミド、デキサメタゾンとの3剤併用療法を可能にする。海外では、2019年10月時点で、米国とEUで承認されている。

カイプロリス点滴静注用10mg、同40mg(カルフィルゾミブ、小野薬品):「再発または難治性の多発性骨髄腫」を効能・効果とする新用量医薬品。再審査期間は残余(2026年7月3日まで)。

プロテアソーム阻害薬で、骨髄腫細胞の機能的細胞死を誘導する。デキサメタゾンとの2剤併用療法について、現在は週2回投与で用いるが、今回、週1回投与を可能にする。週1回投与の場合、本剤を1、8、15日目に点滴静注したあと、13日間休薬するという28日間を1サイクルとして投与を繰り返す。海外では2019年7月現在、米国など8か国で週1回投与が承認されている。

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