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薬食審・再生医療等製品部会 がん治療用ウイルス・デリタクト注は条件期限付き承認で了承

公開日時 2021/05/25 04:51
厚生労働省の薬食審再生医療等製品・生物由来技術部会は5月24日、再生医療等製品2製品の承認可否を審議し、第一三共のがん治療用ウイルス「デリタクト注」(一般名:テセルパツレブ)は条件及び期限付き(7年間)承認とすることで了承された。デリタクトは悪性神経膠腫を対象疾患とし、標準治療後の治療選択肢となる。原発性脳腫瘍の中でも悪性度の高いグレード3、4は悪性神経膠腫と呼ばれる。

デリタクトは、7年間に有効性と安全性を評価するためのデータを収集し、改めて承認申請して審査することが求められる。

◎J-TECの自家培養口腔粘膜上皮「オキュラル」は承認了承

もう1製品はジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)の自家培養口腔粘膜上皮「オキュラル」(一般名:ヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シート)で、この日の部会で承認することが了承された。最も重症度の高いグレード3の角膜上皮幹細胞疲弊症に対する治療法となる。

オキュラルは患者自身の口腔粘膜組織を採取し、分離した細胞を培養して作製する自家培養口腔粘膜由来上皮細胞シートで、同シートの移植により患者自身の口腔粘膜上皮細胞を生着・増殖させ、欠損した角膜上皮を再建・修復させることを目的としている。

両製品とも通常、1か月程度で正式承認される。

【審議品目】(カッコ内は一般的名称、申請企業)】

デリタクト注(一般名:テセルパツレブ、第一三共):「悪性神経膠腫」を効能・効果又は性能とする再生医療等製品。先駆け審査指定品目。希少疾病用再生医療等製品。最適使用推進ガイドラインの対象品目。7年間の条件及び期限付き承認品目。

遺伝子組換え技術により、がん細胞でのみ増殖するよう設計された人為的三重変異を有する増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルス1型(第3世代がん治療用単純ヘルペスウイルス1型)。がん細胞に同ウイルスを感染させると、ウイルスが増殖するとともにがん細胞を破壊・死滅させ、抗腫瘍免疫も誘導するとされる。

同製品はグレード3、4の悪性神経膠腫に対する治療法。基本的に、放射線治療及びテモゾロミドの治療歴を有し、治療後にも腫瘍が残存または治療後に再発した病変数が1つの膠芽腫患者に対する治療法となる。厚労省によると、グレード3、4の患者数は年間概ね3600例で、同製品の適応患者はさらにしぼられることになる。

用法・用量又は使用法は、通常、成人には1回あたり、1mLを腫瘍内に投与し、原則として1回目と2回目は5~14日の間隔、3回目以降は前回の投与から4週間の間隔で投与する。投与は6回までとする。

同製品は東京大学医科学研究所の藤堂具紀教授らにより創製されたもので、第一三共は藤堂教授と共同開発している。承認申請は、藤堂教授が実施した、悪性神経膠腫の一種の膠芽腫の患者を対象とした国内第2相臨床試験(医師主導治験)の結果に基づくもので、主要評価項目の1年生存率の達成基準は満たしているとしている。

なお、同製品はこれまで「G47Δ」と呼称していた。第一三共によると、G47Δは、単純ヘルペスウイルス1型の3つのウイルス遺伝子を改変して、藤堂教授らが作製した世界初の第三世代のがん治療用遺伝子組換えヘルペスウイルスの総称のこと。

オキュラル(一般名:ヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シート、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング):「角膜上皮幹細胞疲弊症」を効能・効果又は性能とする再生医療等製品。希少疾病用再生医療等製品。

自家培養口腔粘膜上皮オキュラルは、患者自身の口腔粘膜組織を採取し、分離した細胞を培養して作製する自家培養口腔粘膜上皮由来細胞シートで、同シートの移植により、患者自身の口腔粘膜上皮細胞を生着・増殖させ、欠損した角膜上皮を再建・修復させることを目的としている。

角膜上皮幹細胞疲弊症で最も重要度の高いステージ3(角膜表面全体が結膜組織で被覆されている状態)に対する治療法となる。

大阪大学大学院医学系研究科の西田幸二教授(眼科学)が開発した自家培養口腔粘膜上皮細胞シート技術を同社が導入するとともに、同社が同教授が実施した医師主導治験を引き続いで企業治験を行った。

角膜上皮幹細胞疲弊症は、結膜と角膜の境界領域である角膜輪部に存在する角膜上皮幹細胞が、先天的または外的要因などによって消失することで発症する疾患。角膜が混濁し、視力の低下や、眼痛などの臨床症状が見られる。

同製品が承認されれば、患者自身の健常眼から採取した角膜輪部を患眼に移植する既存治療法では困難だった、正常な角膜輪部が残存していない角膜上皮幹細胞疲弊症を治療でき、患者QOLの向上が期待できる。なお、患者自身の眼から採取した角膜輪部を患眼に移植する治療法として、J-TECのネピックが承認されている。
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