薬食審・第二部会 モデルナの新型コロナワクチン3回目接種の特例承認了承 販売名は「スパイクバックス筋注」に
公開日時 2021/12/16 04:51
厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は12月15日、モデルナ社の新型コロナワクチン「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」の3回目接種(追加免疫)の用法・用量追加を特例承認することを了承した。厚労省は早ければ16日中に特例承認する。申請データから接種対象者は「18歳以上の者」とし、接種時期は「通常、本剤2回目の接種から少なくとも6カ月経過した後」とされた。2回目までは1回0.5mLを筋肉注射で用いるが、追加免疫は1回0.25mLと従来の半量を筋肉注射する。
また、部会では販売名を「スパイクバックス筋注」に変更することも確認された。国内販売名を海外製品名と統一する。追加免疫の特例承認の際に販売名変更も行う。
◎追加免疫で血清中和抗体価が約1.7倍に
同ワクチンの国内流通を担う武田薬品が11月10日付で追加免疫に係る申請を行った。この日の部会では、追加免疫による血清中和抗体価(50%阻害希釈倍率)に関して、2回目接種1ヶ月後の値(1033)に対し、3回目接種1ヶ月後の値(1768)は約1.7倍であり、非劣性が示されたことを確認。追加免疫について特例承認して差し支えないと判断された。
特例承認された場合、同ワクチンの追加免疫の「用法及び用量に関連する注意」で、接種対象者について、「18歳以上の者。SARS-CoV-2の流行状況や個々の背景因子等を踏まえ、ベネフィットとリスクを考慮し、追加接種の要否を判断すること」と記載され、接種時期は「通常、本剤2回目の接種から少なくとも6ヵ月経過した後に3回目の接種を行うことができる」と記載される予定。いずれもファイザーの新型コロナワクチン・コミナティ筋注の追加免疫の用法・用量の関連注意と同じ内容となる。
◎ワクチン分科会を16日開催 モデルナワクチン追加免疫の予防接種法上の取り扱いを審議
厚労省は16日に厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会を開き、モデルナ社ワクチンの追加免疫の予防接種法上の取り扱いを決める。同分科会ではこれまでに、追加免疫に使用するワクチンについて、「1回目・2回目に用いたワクチンの種類にかかわらず、mRNAワクチンを用いる」ことを確認している。mRNAワクチンであるコミナティと同様に、モデルナ社ワクチンも、2回目までのワクチンの種類に関わらず追加免疫に使用することが確認されるとみられる。