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協和キリン・21年12月期決算 クリースビータ伸長で中計初年度の目標達成 次期主力品の申請時期遅れも

公開日時 2022/02/08 04:50
協和キリンの宮本昌志代表取締役社⻑は2月7日の2021年12⽉期決算説明会で、米リアタ・ファーマシューティカルズ社から導入した低分子化合物バルドキソロンメチル(RTA 402)について、国内で承認申請中のアルポート症候群(AS)適応及び開発中の糖尿病性腎臓病適応の承認見込み時期を先送りしたことを明らかにした。ASについては22年→TBD(未定)に、糖尿病性腎臓病については23年→24年にそれぞれ変更した。

同社は21年2月に発表した「2021~25年中期経営計画」の中で、RTA 402を次世代戦略品の一つと位置付けている。21年7月に厚労省に、ASの適応で承認申請。希少疾病用医薬品の指定を受けており、22年の承認取得を期待していた。

しかし、米国でAS適応で承認申請していたリアタ社が21年12月、FDAの循環器・腎臓病薬諮問委員会から、ASに対する有効性・リスクベネフィットに関して否定的⾒解を受領したと発表。この日の決算説明会で、宮本社長は「⽇本においてはリアタ社の対応⽅針等を踏まえ、PMDAの審査対応中である」とし、1Q(1~3月期)以降も審査が継続する⾒込みと説明した。

また、RTA 402についは、18年3月に厚労省から糖尿病性腎臓病を対象に先駆け審査指定を受けている。同適応で実施中の国内フェーズ3について宮本社長は、6か⽉の試験延⻑を決定したことを明らかにした。「PMDAとの協議の中で長期データを重視するという見解を頂いている。これに伴い中計の策定時に見積もっていた本剤に関する予定が後ろ倒しとなるが、できるだけ多くの被験者から長期データをしっかりと収集することで信頼性の高いエビデンスを蓄積したいと考えている」と語った。

RTA 402のもう一つの開発中の適応である常染色体優性多発性嚢胞腎については、承認見込み時期を25年から変更していない。RTA 402以外の次世代戦略品では、パーキンソン病を対象に開発中のKW-6356について、承認見込み時期を25年→26年に変更した。

◎国内売上高は1.9%減の1569億円 ネスプAGの11.4%減も

21年12⽉期通期業績は、売上収益が前期比10.6%増の3522億4600万円、コア営業利9.6%増の656億8500万円、親会社所有者帰属当期利益11.3%増の523億4700万円と、中期経営計画初年度の計画を達成した。

国内売上は1.9%減の1569億円。薬価中間年改定のマイナス影響があったほか、バイオシミラー浸透により腎性貧血治療薬(ESA製剤)ネスプのオーソライズドジェネリック(AG)の売上が11.4%減少した。これを19年12月 に発売したFGF23関連疾患治療薬クリースビータをはじめとする新製品群や、持続型G-CSF製剤ジーラスタなどの伸長によりカバー。20年の潰瘍性大腸炎治療薬アサコールの共同販売等終了による影響が⼤きく全体では減収となった。

国内製品では、20 年 8 月 に発売した腎性貧血治療薬(HIF-PH阻害剤)ダーブロックは20億円増の26億円。21年9月から長期処方制限が解除されたが、計画の40億円には届かなかった。19年12月発売のパーキンソン病治療薬ハルロピは22億円増の31億円となったが、計画の46億円には未達。19年6月の再生不良性貧血の適応追加に伴う需要増加が想定を上回り、一時出荷調整に至った(21年3月解除)ロミプレートは3億円減の73億円となったが、計画の87億円に未達となった。

宮本社長は「対計画比を見ると、コロナの影響でMR活動が思うようにできなかったダーブロック、ハルロピがそれぞれ64%と68%、出荷調整解除後の回復に時間を要したロミプレートは83%など大きく未達となった。直近ではダーブロック、ハルロピともに順調に伸びている。ロミプレートも出荷調整前以上の水準で進捗しており、今年(22年)は期待している」と語った。

グローバル戦略3製品の海外売上は、X染色体連鎖性低リン血症治療薬Crysvita(国内販売名クリースビータ)が239億円増の783億円、抗悪性腫瘍剤Poteligeo(ポテリジオ)が37億円増の153億円、パーキンソン病治療剤Nourianz(ノウリアスト)が19億円増の45億円といずれも伸長した。Crysvitaの22年売上計画は、海外1052億円、国内100億円の計1152億円で同社創製品初のブロックバスターとなる見通し。

米アムジェンからのアトピー性皮膚炎を対象とするヒト型OX40抗体KHK4083の共同開発・販売契約一時金(4億ドル)を21年7月から6ヵ月分繰延収益計上。22年は12ヵ月分を計上する。1ヵ月当たりの額は非開示。

費用面では、販売費及び⼀般管理費が、Crysvita北⽶プロフィットシェア費⽤の増加に加え、グローバル戦略品の価値最⼤化とグローバルな事業基盤の早期確⽴に向けたITデジタル基盤や⼈材への積極的な投資により190億円増の1456億円となった。22年計画は1640億円で、Crysvitaの北⽶売上伸⻑に伴うプロフィットシェア費⽤増加に加え、23年春から始まる北⽶Crysvitaの⾃社販売に向けた準備(販売体制構築等)のための⼀過性投資により増加。また、ITデジタル基盤や⼈材への積極的な投資を継続する。


【連結業績(前年同期比)22年通期予想】

売上収益 3522億4600万円(10.6%増)3800億円(7.9%増)
コア営業利益 656億8500万円(9.6%増)670億円(2.0%増)
親会社所有者帰属当期利益 523億4700万円(11.3%増)530億円(1.2%増)

【国内主要製品売上(前年同期実績)22年通期予想、億円】
ネスプ 40(44)31
ダルベポエチン アルファ注シリンジ「KKF」 223(252)164
ダーブロック 26(6)55
ジーラスタ 294(267)315
ロミプレート 73(76)100
ハルロピ 22(9)55
クリースビータ 72(38)100

【グローバル戦略3製品の海外売上(前年同期実績)22年通期予想、億円】
Crysvita 783(544)1052
Poteligeo 153(115)225
Nourianz 45(26)66
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