自民党・創薬力強化PT 23年度改定で提言取りまとめへ 製薬業界取り巻く状況は国民の理解も必要に
公開日時 2022/11/15 04:50
自民党の社会保障制度調査会「創薬力の強化育成に関するプロジェクトチーム(PT)」(橋本岳座長)は11月14日、日米欧製薬団体と日本医薬品卸売業連合会からヒアリングを行った。出席議員からも、「中間年改定は実施すべきではないのではないか」との意見が出たことを踏まえ、23年度改定に向けて提言を提出する方向で早急に調整を進める方針。会議後のブリーフィングで橋本岳座長は、毎年改定の実施による影響などを明確に整理したうえで、中間年改定について言及する必要性を指摘。「政府に提言を出すことが目的というのもあるが、国民に状況を知っていただくということも大事だと思っている」と話した。
ヒアリングでは、日本製薬団体連合会(日薬連)の眞鍋淳会長が23年度改定について「実施の是非も含めて慎重に検討すべき」と改めて訴えた。出席議員からは、「中間年改定はやめるべきだ」、「いまの薬価改定の制度は限界にきているので見直すべき」、「新薬創出等加算の対象品目、ジェネリックや基礎的医薬品で赤字な品目、出荷調整をしているような品目についてはせめて外すべき」などの意見が出た。
会議後のブリーフィングで橋本座長は、「新薬の上市が遅れている、日本が国際共同治験に入れてもらえないなどの状況を明らかにし、かつなぜそうした状況が起きるか整理する。改定により医薬品の特性上、乖離率が発生せざるを得ず、それが次の改定の発射台となってまた薬価が下がる議論が始まるという構造を書いて、国民に知ってもらうことは大事だと思っている」と説明。毎年薬価改定の今後の影響を明確にしたうえで、中間年改定がどうあるべきか、主張することが必要との考えを示した。
革新的新薬の上市が遅れる背景には、治験環境の整備や薬事規制など、構造的な課題も指摘されている。橋本座長は、構造的な課題については引き続き検討を進める方針も示した。