CAR-T細胞療法・アベクマ 2つ以上の前治療歴のあるMMの承認可否審議へ 11月6日の薬食審部会で
公開日時 2023/10/24 04:47
厚生労働省は11月6日に薬食審の再生医療等製品・生物由来技術部会を開き、アベクマ点滴静注について、免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬、抗CD38抗体を含む2つ以上の前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫(MM)に係る効能追加の承認可否を審議する。現在は免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬、抗CD38モノクローナル抗体を含む3つ以上の前治療歴を有する再発又は難治性のMMに対する適応になっている。
ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が製造販売するアベクマは、ファースト・イン・クラスのB細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするCAR-T細胞免疫療法。アベクマが多発性骨髄腫細胞の表面にあるBCMAを認識し結合すると、CAR-T細胞が増殖することによりサイトカインを放出し、結果としてBCMA発現細胞が融解・殺傷される。日本では2022年1月に承認された。
主要な薬剤クラスである免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬、抗CD38抗体による治療を受けた再発又は難治性のMM患者の予後は前治療の数に関わらず不良で、治療選択肢は限られている。また、近年は初回治療または初回再発時の治療に抗CD38抗体と免疫調節薬又はプロテアソーム阻害薬との併用療法を使用する頻度も増加している。そのため、前治療歴が少ないにも関わらず、これらの薬剤に対して再発又は難治性のMM患者にも高い有効性が期待される新規作用機序を有する治療薬が必要とされている。