帝人 生成AI「chatテイジン」を導入 グループ社員8000人が利用社内業務効率化・生産性向上に期待
公開日時 2023/11/15 04:52
帝人は11月14日、グループ社員8000人が利用する生成AI「chatテイジン」を導入したと発表した。社員の社内業務効率など生産性向上を目的としたもの。日常業における文章の作成・翻訳・要約やデータの分析などに活用する。今年12月末は試用期間と位置づけ、データの取得・分析、社員からのフィードバックを集約し、24年1月以降にサービスに拡充して本格展開する方針だ。同社は、イノベーション創出の重点施策としてデジタル・IT技術の活用に積極的に取り組んでおり、今回の独自仕様の生成AIサービス導入は、その一環と位置づけている。
生成AIを社内業務の改善や社員一人ひとりの生産性向上に活かそうと試みる企業が増えてきた。ミクス編集部でも小野薬品、住友ファーマ(Monthlyミクス9月号)、中外製薬(ミクスOnline10月2日付)などの事例を報告している。今回、同社が導入した「chatテイジン」の活用にはグループ会社の帝人ファーマの社員も含まれる。「chatテイジン」は独自仕様の生成AIサービスで、入力情報が外部に漏洩しないクローズドな環境を構築し、かつ、社内用の認証システムと連動させることによりセキュリティ対策を施した。
◎8月に「生成AIガイドライン」を策定法令違反や情報漏洩などのリスク抑制でルール化
生成AIの導入にあたっては、今年8月に生成AIを適切に使用するための「生成AIガイドライン」を策定し、法令違反や情報漏洩、知財や著作権などのリスクを抑制するためのルールづくりを行った。また、導入にあたっては生成AIを使用するために必要な“プロンプト”や注意事項などを解説する入門セミナーを行い、社員同士で活用事例を共有するためのコミュニティを開設するなど、社員がAIへの理解を深めながら積極的に活用できる環境整備を推進している。
◎グループ全社員向けたDX研修にも注力 DX 推進人財を育成
なお、同社はグループ全社員向けたDX研修を開始している。4月に新設した「DX推進部」が中心となり、23年度から3か年計画でグローバルに実施するもの。日本国内では「リテラシーコース」として、DXの重要性やデータの利活用方法、他社事例などを学び、ITおよびDXの基礎的知見を身につける研修プログラムを eラーニング形式で実施する。12月からは管理職を対象にデジタルに関する適切な意思決定プロセスを養成する「マネージャーコース」、24年度からは「リテラシーコース」で一定以上の成績を収めた社員を対象として職場における DX 推進リーダーを養成する「アドバンスコース」などを設け、レベルの高いプログラムを提供し、グループ全体で DX 推進人財の育成を図る方針だ。