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28年医薬品市場予測 日本はマイナスまたは低成長も世界3位を維持 新薬は伸長も特許切れ後市場は縮小

公開日時 2024/01/30 04:51
IQVIAの情報研究機関であるIQVIA INSTITUTEは1月29日までに、医療用医薬品の国別の市場規模予測をまとめ、日本の2024年~28年の5年間の年平均成長率はマイナス2%~プラス1%になると予測した。新薬群の5年間の年平均成長率は1.3%前後で推移する一方、毎年改定の影響で特許切れ後の市場は大きく縮小し、28年まで国内市場はほぼ横ばいで推移すると分析した。28年時点で、日本は、米国、中国に次ぐ第3の市場を維持することも予測された。

今回の市場予測の調査レポートの名称は、「Global Use of Medicines 2024 OUTLOOK TO 2028」。各国の市場規模は為替変動を含む。新型コロナの治療薬及びワクチンの売上は除外した数値となる。また、23年9月時点の市場データを用いた分析のため、日本の24年度薬価制度改革の影響は含まない。

◎28年まで5年間の国内市場 新薬市場プラス1.3% 長期収載品市場マイナス8.6%

日本の市場規模予測は28年に840億ドル~1040億ドル。28年まで5年間の年平均成長率をマイナス2%~プラス1%の中間値となる“マイナス0.1%”で推移するとした場合、新薬市場の5年間の年平均成長率はプラス1.3%、長期収載品市場はマイナス8.6%、後発品市場はマイナス0.4%になると分析した。IQVIA INSTITUTEは、「従来の隔年薬価改定から毎年の薬価改定に移行した結果、市場にはブランド医薬品が強力に取り込まれたにもかかわらず、日本の支出成長は、CAGR(年平均成長率)でマイナス2%~プラス1%で、比較的横ばい傾向になる」と指摘した。

世界全体の5年間の年平均成長率は6~9%。国別では米国が6~9%、西欧が4~7%と日本以外の医薬品先進国は1ケタ台後半の成長が見込まれるとしており、日本だけが唯一のマイナス成長国又は低成長国になる見通し。

◎日本市場 28年も世界3位を維持

全世界の医薬品市場は28年に2兆2250億ドル~2兆2550億ドルになると予測した。このうち最大市場の米国が1兆500億ドル~1兆800億ドルを占め、西欧は3900億ドル~4100億ドルになるとした。

米国市場を100%として各国の対米比率を算出すると、18年時点で日本は米国市場の17.2%の規模があったが、28年には9.3%にまで小さくなるとした。ただ、28年時点で日本は米国、中国に次ぐ世界3位の市場であり続けるとも分析した。

IQVIA INSTITUTEは21年12月に公表した26年までの市場規模予想で、日本は26年にドイツに抜かれて世界4位の市場になると指摘していた。日本が世界3位であり続ける理由についてIQVIA INSTITUTEは、「為替影響によるもの」だとし、「日本とドイツ2国の市場規模が近似しているため、5年後予測算出に際しては今後もランク変動の可能性をはらんでいる」としている。なお、ドイツの市場規模は今回開示していないが、ドイツの市場規模の対米比率は28年に8.9%になるとしている。

◎中国市場 失速を予測

このほか、これまで成長著しかった中国市場が失速する可能性も指摘された。中国市場の28年まで5年間の年平均成長率は2~5%で、28年の市場規模は1850億ドル~2150億ドルと予測した。中国市場の対米比率は、18年は27.7%あったが、28年は20.0%になるとしている。
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