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厚労省・制度部会 リスク高い新薬・新規後発品のGMP調査は「原則、実地調査」を 定期品目調査は合理化も

公開日時 2024/06/07 04:51
厚生労働省医薬局は6月6日、次期薬機法改正に向けて、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会に、新薬や新規後発品のGMP適合性調査について、原則実地調査とすることを提案した。一方で、製造所が低リスクと評価された場合は品目ごとの定期GMP調査を免除するなど、合理化する方針。リスクの高い製造業者もあぶりだし、集中的に実地調査を実施するなど、高リスクなケースに査察リソースを集約・拡充したい考え。厚労省医薬局監視指導・麻薬対策課の佐藤大作課長は、「現在、薬機法違反が増加しているような状況の中で、立入検査や実地検査を今後重点的に拡充したい。リソースを集約・拡充したいというのが規制当局側の願いだ」と述べ、理解を求めた。

GMP適合性調査は承認時とその後定期的(3年毎)に実施されるが、原則は品目単位となっている。すべての対象品目について書面・実地調査を行うこととされているが、査察リソースが限られていることから、書面調査が大半を占める状況にある。実際、PMDAでは87%(23年度実績)が書面調査という。佐藤課長は、「本来であれば実地調査に注力したいところだが、リスクの低い製造所や、本来毎回行く必要のないような製造所に対しても書面調査を行わなければならず、査察リソース上の課題がある。現在、薬機法違反が増加しているような状況の中で、立入検査や実地検査を今後重点的に拡充したい。リソースを集約・拡充したいというのが規制当局側の願いだ」と説明した。

◎低リスク評価の製造所の品目単位調査は免除へ

具体的には、新薬や新規後発品など、リスクの高い品目についての適合性調査は原則、実地調査とする。一方で、品目ごとの定期的なGMP調査は適合状況を製造業者に申告させ、製造所の品質リスクや直近調査からの経過期間等を施設ごとに評価。リスクの高い製造業者に対して集約的に実地調査を実施する制度に切り替える方針を示した。

一方で、低リスクの製造所と評価された場合や、製造所区分単位の調査でGMPに適合しているとされた場合に交付される「基準確認証」が有効期間中であれば、品目ごとの定期GMP調査(3年毎)は免除される仕組み。中等度変更申請の場合も、基準確認書が有効期間内であれば、個別の調査は免除される。また、基準確認書の制度の対象に輸出用医薬品を追加することも提案した。

◎東京都・中島委員 厚労省案に賛同「都道府県の意見を考慮した上で通知で提示を」

中島真弓委員(東京都保健医療局健康安全部薬務課長)は、「GMP適合性調査の制度見直しについて、査察のリソースが限られる中でメリハリを付けて調査を行うことについては賛同する。リスクに応じた調査の強化する部分、免除する部分があるが、リスク評価の方法など具体的な運用方法は都道府県の意見、状況を考慮したうえで、通知等で示していただきたい」と述べた。

◎製造管理者の薬剤師要件見直しに否定的 川上委員「人材育成は事業者の一般的な努力」

製造所における製造管理者の要件についても焦点となった。製造管理者は薬剤師が要件とされているが、ヒアリングで製薬業界が要件緩和を要望しており、「薬剤師以外の者」が担えるような要件見直しを議題に上げた。製薬業界は、製造管理者の職位が係長以下の施設が20%程度存在するなどのデータがあることから、ガバナンス強化の観点から要件緩和を要望していた。しかし、この日の検討会では製薬企業以外の委員からは否定的な意見が相次いだ。

川上純一委員(浜松医科大医学部附属病院薬剤部教授・薬剤部長)が「あまり賛同できない。大変恐縮だが、法令要件としての資格者を雇用し、社員として高い職位に就くように育成するのは通常、事業者の一般的な努力によるものではないか」と指摘。病院などでも薬剤師不足が起きており、確保が難しいのは製造業だけの課題ではないとして、「製造や品質に端を発した供給不足が生じている中で、薬学教育の中で薬機法や倫理、薬が使える現場を学んでいない、会社で職位の高いだけの人が責任者をすることに我々は不安を覚える。供給不安が解消した後に法令の要件は見直す機会があるのではないか」と述べた。

森昌平委員(日本薬剤師会風会長)も、供給不安が起きている最中で、「いまなぜこの要件を見直すのか」と指摘。「モダリティが多様化する時代だからこそ、製造管理者として必要なことを正式な大学のカリキュラムで学び、能力があることを国家試験で担保されているのが薬剤師だ。原則として薬剤師とすべき」と述べた。

茂松茂人委員(日本医師会副会長)も、「GMP違反に端を発した後発品を中心とした供給不安が続く中で、いまなぜ見直しをしなければならないのか。本当に疑問に思うところだ」と強調した。

委員から否定的な声が相次ぐ中で、厚労省の佐藤監麻課長は、「薬機法違反は、製造管理が適切に行われていない現場の状況を反映している。それをもって薬剤師を中心としてやっている製造管理者が適切に機能してないと申し上げるつもりはないが、本来製造管理者はモノの品質に責任を持って対処しなければいけない方達なのにもかかわらず、低い職位の方が相当数いる。現状が、製造品質管理に影響を与えてないのか。社内での意志系統も本当に大丈夫なんだろうかというのが我々の懸念。薬剤師が機能を発揮するのであればいいが、企業からも要望をいただいたところで検討になっている」と説明した。

業界代表の中濱明子委員(エーザイ執行役)は、「業界としても薬剤師として基本とすることは変わりないと思っている。薬剤師といった要件に加え、技術的知識、実務経験、薬機法で求められている品質問題について責任役員等にも意見を言える立場も必要と考えている」と説明。企業が育成に取り組む必要性を認めながらも、バイオでは発酵工学など専門的知識を有する人などに「範囲を広げていただき、かつ実務経験で縛るというようなことも検討いただきたいと思っている。詳細な要件、時期等についてはご協議いただきたい」と訴えた。

◎自家細胞を用いた再生医療等製品の規格外品 一定要件満たす場合に販売・授与許容を提案

自家細胞を用いた再生医療等製品の規格外品の取り扱いが焦点となる中で、厚労省は、安全性が確保されていることを大前提に、患者の求めに応じたものであることや、効果の低下に比べて疾患の重篤性や患者の状態から治療を受ける機会の損失の影響が多大であること、医師が有用性を認めた提供であることなど一定の要件を満たす場合に限り、販売・授与などを許容することを提案した。

規格外品は現行法令上、承認内容と異なるため、販売・授与は禁止されている。ただ、疾患の重篤性や患者の状態によっては治療機会の先延ばしが大きなリスクとなり、死に至るケースもあることが指摘されていた。規格外品を活用する場合には、治験の枠組みを活用した治療が行われている。医療機関にとっては治験実施体制の整備が必要となるなど、医療機関、患者双方への負担も指摘されていた。規格外品の提供を可能にすることで、こうした課題を解消することが期待されている。

なお、規格外品については現行では製薬企業が無償提供しており、今後も保険は適用されない方向で議論が進められている。一方で、患者への治療全体についての詳細な制度設計については今後詰める方針。
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