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武見厚労相 中核担う後発品企業に奮起促す「業界再編への動き牽引を」 安定供給「1成分5社が理想」

公開日時 2024/07/05 04:53
武見敬三厚労相は7月4日、大手後発品企業13社の社長らを省内に集め、「業界の中核を担う自覚と気概のある企業には、業界団体を通じて産業構造改革の動きを牽引して業界再編を行った上で、生産能力を持ち、安定供給を担う活動をぜひ示していただきたい」と要請した。安定供給の観点から、「一つの成分について多くの企業が参入し、少ないシェアを持ち合う状況は安定供給や生産性の向上に資するとは言えない」と指摘。「理想的には、1成分ごとに5社程度が適当ではないか」と述べた。厚労省としても、業界の意見を踏まえて産業構造改革に向けた支援を行う姿勢を示したうえで、業界自らの奮起を促した。

◎数量シェアや品目の大きい企業は総合商社型へ成長を 領域特化型は品目集約を

「将来的にも低分子の後発医薬品市場の大きな拡大は見込めない中で、今のような少量多品目構造のままでは、これまでのようなビジネスモデルは成り立たない。後発医薬品業界の再編は待ったなしと考えている。数量シェアや品目等の大きい企業は、再編統合、適切な品目削除によるシェアの拡大や生産収益性の向上により、総合商社型の企業へ成長していくこと。一定の領域では他をリードする領域特化型の企業は、自社の強みを生かした領域で品目を集約し、生産性の確保できる適切な規模の安定的な供給を行うことが、後発医薬品産業の理想的な姿ではないか」-。武見厚労相は冒頭の挨拶の中で、後発品の安定供給に向けた後発品産業の姿をこう語った。

◎規模の経済活かせる規模へ再編を 「1成分5社」はシェア構造などから安定供給に資する体制 

供給不安が長引く状況について武見厚労相は「異常事態」との見方を表明。「国民に品質の確保された後発医薬品を安定的に供給するという産業全体の責任はいまだ果たされているとは言えない。このような状況では後発医薬品が国民から真に信頼を得ることはあり得ない」として、早期の対応を求めた。長引く供給不安は個々の企業などの問題ではなく、「産業構造上の問題」と指摘。「課題の解決には、過当競争状況の是正、過度な低価格競争からの脱却、規模の経済が活かせる企業規模への再編が必要だ」と産業構造改革の必要性を強調した。

安定供給を実現するうえで、少ないシェアを持ち寄る現在の構造に懸念を示し、「成分ごとの過当競争を適正化することにより、適度な価格の下落を防いだ生産性の向上を促す必要性がある。安定供給の観点からは、成分ごとに適正な供給者数は、理想的には5社程度が適当であるのではないかと考えている」と述べた。後発品789成分中、8社以上供給している成分は166成分あり、参入企業が多いほど、各社のシェアが少なく、価格競争が激しいことも想定される。一方で、5社が供給している53成分は、シェア1位が40~60%、シェア2位が20~30%、シェア3位が10~20%であることなどから、安定供給に資する体制として、「1成分5社」を目安にあげた。

武見厚労相は製薬業界との意見交換を踏まえ、厚労省としても後発品の構造改革を支援する姿勢を強調。「厚労省としても解決策5年程度の集中改革期間の中で、後発医薬品産業の構造改革を強力に進める。このため、独占禁止法との関係の整理や金融財政措置など関係省庁と連携して、産業構造改革に必要な支援を行っていきたい」とも述べた。

◎サワイHD・澤井会長 自社製造できる企業として「あるべき姿」への貢献に意欲 

企業側からは産業構造改革に前向きな声も聞かれた。サワイグループホールディングスの澤井光郎代表取締役会長兼社長は、「安定供給の確保のためには自社製造ができる企業の貢献が不可欠であり、あるべき姿の実現に貢献したい」と意欲をみせた。「重複投資を続けることは社会的損失が大きい。公共事業の考え方で大規模設備や多品目生産の改善に取り組みたい」として、サワイグループ内の生産能力を活用し、他社から依頼のあった不採算品目を引き受け、増産することを検討していることも紹介した。

◎東和・吉田社長 他社アライアンスによるバックアップ体制構築で安定供給へ 「官民あげた努力の必要性」指摘

Webで参加した東和薬品の吉田逸郎代表取締役社長は、個社として「バックアップ生産体制」を含む安定供給の強化を進めていると説明。長期的には、「他社とのアライアンスによるバックアップ生産体制の構築により、供給の安定性を回復させ、堅牢な生産体制の構築に務めていきたい」と意欲をみせた。ジェネリック業界全体としては、「産業構造の見直しと強化に、官民上げて努力をするべきだ」とも述べた。

◎MeijiSeika・小林社長 コンソーシアム構想で「既存設備活用で屋号統一を検討」

Meiji Seika ファルマの小林大吉郎代表取締役社長は、特定重要物質の国産化に取り組んできた経験から「後発品の生産効率化に向けた企業間連携のリーダーとなる用意がある」と表明した。企業間連携(コンソーシアム構想)の手法として、機能統合法人を設立することを提唱。販売の一本化などにより、「ガバナンス体制が確立され、迅速な意思決定の下、利益配分・製品の品質責任・供給責任の明確化を図ることが可能となる」と説明。「機能統合法人を作って生産開発機能を残しつつ、既存設備を用いながら屋号を統一し、品目統合ができないかと考えている」と展望した。

◎日医工・岩本社長「構造改革に向けて積極的に取り組みたい」 

日医工の岩本紳吾代表取締役社長は、「構造改革に向けて積極的に取り組みたい。製品統合や集約、少量多品目生産の改善には個社のみでは対応が困難であり、他社と相談しつつ進めたい」と前向きな姿勢を示した。

◎政府に法的枠組み含めた政策誘導、品目統合のインセンティブ、AG見直しなど求める声あがる

政府に支援策として望むこととして、東和薬品の吉田社長は「国策、行政によるご支援、或いは新たな薬価制度をはじめとするさらなる法的枠組みを含めた政策誘導」の検討を要望。MeijiSeikaファルマの小林社長は、「政府による規制面・金融面・財政面において支援がいただければ、企業間連携はなお一層加速化することができる」と表明した。屋号の統一をめぐっては、「数千万の規模の費用がかかる」との指摘もあり、「品目統合のインセンティブとして国の支援が必要ではないか」との声もあった。政府による規制面、金融面、財政面における支援を求める声もあった。このほか、AGのあり方の見直しを求める声や、産業の持続化の観点からの薬価制度のあり方、人員確保や設備投資に対する支援を望む声もあったという。

武見厚労相が「1成分5社」を目安としてあげたことに対しては、「5社」と明言したことに対する反発の声も聞かれた。要請の場でも、「社数にこだわらずに分散させることが大事ではないか」、「生産量や成分によって慎重に判断する必要があるのではないか」などの意見も出たという。

今回の要請では、業界の中核を担うことを期待される企業を省内に集め、大臣自ら製薬企業に奮起を促した格好だ。武見厚労相と面談したのは、共和薬品・稲村稔代表取締役社長、日本ジェネリック・井上祐 弘代表取締役社長、日医工・岩本紳吾代表取締役社長、日新製薬・川俣知己代表取締役社長(日本ジェネリック製薬協会会長)、陽進堂・北村博樹代表取締役社長、Meiji Seika ファルマ・小林大吉郎代表取締役社長、サワイグループホールディングス・澤井光郎代表取締役会長兼社長、第一三共エスファ・新堰毅代表取締役社長、高田製薬・高田浩樹 代表取締役社長、ニプロ・西田健一常務取締役、キョーリンリメディオ・橋爪浩代表取締役社長、サンド・マンリオ・フレンザーノ代表取締役社長。東和薬品の吉田逸郎代表取締役社長はWebで参加した。


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