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MSD PAH治療薬・エアウィン、腎細胞がん及びVHL病治療薬・ウェリレグを発売

公開日時 2025/08/19 04:50
MSDは8月18日、肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬・エアウィン皮下注用(一般名:ソタテルセプト)と、腎細胞がん及びVHL病関連腫瘍の治療薬・ウェリレグ錠(ベルズチファン)を発売した。両剤とも大型化を期待する新薬で、ピーク時売上予想はエアウィンが544億円、ウェリレグが404億円としている。

◎持田製薬 リアルダ錠600mgを9月8日発売予定

また、持田製薬は潰瘍性大腸炎治療薬・リアルダ錠600mgを9月8日に発売する予定と発表した。3剤とも新医薬品として14日付で薬価収載されたもの。

【8月18日発売】
エアウィン皮下注用45mg、同60mg(ソタテルセプト(遺伝子組換え)、MSD)
薬効分類219 その他の循環器官用薬(注射薬)
効能・効果:肺動脈性肺高血圧症
薬価:
45mg1瓶 108万2630円
60mg1瓶 144万1677円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数2.8千人、販売金額544億円

肺動脈性肺高血圧症(PAH)の根本原因を標的とするアクチビンシグナル伝達阻害薬。PAHの本態である肺血管リモデリングを標的とし、主にアクチビンAと結合し細胞増殖を促進するアクチビンシグナル伝達を阻害することで、シグナル伝達のバランスを改善し、肺血管平滑筋細胞の増殖を抑制し血行動態を改善する。

用法・用量は「通常、成人には初回に0.3mg/kgを投与し、2回目以降は0.7mg/kgに増量し、3週間ごとに皮下投与する」。

MSDのプラシャント・ニカム社長は、「PAH治療薬としては肺の血管を広げる薬が主に使用されているが、エアウィンはPAHの根本原因を標的とした初めての治療薬。この革新的な医薬品を通じて、PAHの患者さんに新たな希望をお届けできるものと確信している」とコメントしている。

ウェリレグ錠40mg(ベルズチファン、MSD)
薬効分類429 その他の腫瘍用薬(内用薬)
効能・効果:フォン・ヒッペル・リンドウ病関連腫瘍、がん化学療法後に増悪した根治切除不能又は転移性の腎細胞がん、
薬価:40mg1錠 2万1916.80円
市場予測(ピーク時9年後):投与患者数1.9千人、販売金額404億円

ファーストインクラスの経口低酸素誘導因子2アルファ(HIF-2α)阻害剤。用法・用量は、2つの適応共通で「通常、成人には、1日1回120mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する」。

がん細胞においてフォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)蛋白質の機能が喪失している状態において、ベルズチファンは、HIF-2αとHIF-1βのヘテロ二量体形成を選択的に阻害する。その結果、血管新生・増殖および腫瘍代謝に関連する低酸素下で誘導される遺伝子の転写を阻害することで抗腫瘍効果を示す。VHL病は、VHL遺伝子変異によって腫瘍が引き起こされる難治性の希少疾患で、国内推定患者数は600~1000人。

腎細胞がん(RCC)は腎臓がんの約9割を占める。RCCでの承認申請は、PD-1またはPD-L1阻害剤とVEGFR-TKIを逐次または同時に用いた治療後に進行した患者を対象とした第3相LITESPARK-005試験に基づく。主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)で、対照薬のmTOR阻害剤・アフィニトールに統計学的有意差を示した。

MSDのプラシャント・ニカム社長は、ウェリレグについて、「希少疾患であるVHL病における初めての全身療法であるとともに、PD-1またはPD-L1阻害剤といった免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬VEGFR-TKIによる治療後に進行した腎細胞がんに対する新しい治療選択肢」と紹介。その上で、「特に繰り返し腫瘍が発生するVHL病に対しては、これまで手術での腫瘍摘出や放射線照射といった患者さんの負担が大きな治療に限られていた」とし、「(経口薬である)ウェリレグの発売により、新たな治療を待ち望んでいた患者さんに貢献できる選択肢を提供できることを大変嬉しく思う」とコメントしている。

【9月8日発売予定】
 ▽リアルダ錠600mg(メサラジン、持田製薬)
薬効分類239 その他の消化器官用薬(内用薬)
効能・効果:潰瘍性大腸炎(重症を除く)
薬価:600mg1錠 96.10円(1日薬価:384.40円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数0.8千人、販売金額1.0億円

5-アミノサリチル酸製剤(5-ASA製剤)。リアルダ錠600mgは、小児用量が追加されたことに合わせて、従来のリアルダ錠1200mgより小型で、体重に応じて投与量を柔軟に選択できる製剤として開発された。

小児の用法・用量は「通常、体重23kg超の小児には1日1回40mg/kgを食後経口投与するが、2400mgを上限とする。活動期は、通常、体重23kg超の小児には1日1回80mg/kgを食後経口投与するが、4800mgを上限とし、患者の状態により適宜減量する」。
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