骨粗鬆症の“ドミノ骨折”をSTOP! 両輪のアプローチで治療率向上目指す 旭化成ファーマ
公開日時 2025/09/29 04:53

生涯、しなやかに歩き続けるために―。骨粗鬆症を原因に骨折を繰り返す“ドミノ骨折”を防ごうと、旭化成ファーマが疾患啓発活動「STOP ドミノ骨折キャンペーン」を展開している。6月からは俳優の山口智子さんを起用したCM放映を開始。骨粗鬆症のリスクを伝える資材作成を通じて、医療従事者のサポートにも力を入れている。患者と医療従事者への両輪のアプローチで目指すのは、治療介入率の向上だ。キャンペーンやCM制作に込めた思いを医薬事業統括本部領域マネジメント部骨領域企画室の矢島太一さんと医薬営業本部骨領域製品部の髙松遼太さんに聞いた。日本には約1590万人いるとされる骨粗鬆症患者。骨粗鬆症による脆弱性骨折の中で、最も多いのが椎体骨折で、大腿骨近位部骨折と同様に生命予後への悪影響が報告されている。一方で、治療薬による介入率は低く、十数%にとどまるのが実情だ。矢島さんは「我々として30年以上携わってきた領域。薬剤による価値提供だけでなく、根本的な課題である治療介入率にも積極的に貢献していきたい」とキャンペーンの背景を語る。
◎初の全国向けCM 「医療従事者のサポートがある安心感」 明るく前向きに表現
キャンペーンでは、ドミノ骨折を広く知ってもらおうと、同社では初めてとなる全国向けCMをはじめ、YoutubeやInstagram、TVerなどの媒体でも展開。CMでは、骨粗鬆症によるドミノ骨折と治療介入の必要性を表現しながら、「ドミノ骨折を止めて、あなたの人生を守りたい!」とのメッセージを伝える。「ポジティブな気持ちで治療に向き合ってもらえるように。同時に、あなたの周りにはサポートしてくれる医療従事者の方が居るという安心感も伝えたかった」との思いが込められているという。

CMキャラクターには、ドラマや私生活で前向きに活躍する姿が印象的な山口さんを起用。疾患啓発ではありつつも、明るくポジティブにメッセージを届ける内容に、撮影現場では山口さん自ら率先して雰囲気づくりに参加してくれたという。特にCMを締めくくる最後の場面では、山口さんがほかの出演者とハイタッチをしたり、声掛けをしたりして場を盛り上げ、自然体で生き生きとしたシーンにつながった。髙松さんは「“STOP ドミノ骨折”というキャッチ―なフレーズや山口さんの魅力でCMは医療従事者にも好評いただいている。CMを見て医療機関を訪れたという患者さんの反響もあり、疾患啓発にもしっかりとつながっている」と手応えを示した。
◎医療従事者の声を基に コミュニケーション資材を作成 MR通じて全国に展開

キャンペーンでは、CMをはじめとした患者向けの疾患啓発だけでなく、医療従事者向けのサポートにも力を入れる。医療現場では、腰痛などで来院しても痛みの治療にとどまり、根本的な原因となる骨粗鬆症治療につながらないケースも少なくなかったという。こうした医療従事者の声を基に、骨粗鬆症のリスクを伝えるコミュニケーション資材を作成。MRを通じて全国の病院や診療所の整形外科にアプローチしている。ドミノ骨折のリスクについてイラストやわかりやすい言葉で伝える内容で、限られた診察時間の中でも効率よく疾患理解につながると医療機関からの評判も上々だという。
矢島さんは「『人生100年時代』と言われ、骨粗鬆症の治療介入の重要性はますます上がっている。骨折や骨粗鬆症の治療や予防、そこにつなげていくための診療が当たり前になっていくよう、これからも製薬企業の立場として力を尽くしていきたい」と決意を込めた。