小野薬品 抗てんかん薬・セノバメートを承認申請
公開日時 2025/10/01 04:48
小野薬品は9月30日、抗てんかん薬・セノバメート(一般名、開発コード:ONO-2017)について、「てんかん部分発作(二次性全般化発作を含む)」を予定効能・効果に日本で承認申請したと発表した。臨床試験では、セノバメートと既存治療の併用療法により、主要評価項目の発作頻度の変化率において既存治療と比較して統計学的に有意な改善を示し、良好な安全性プロファイルも確認された。
小野薬品は、がんや免疫疾患ととも神経疾患も注力領域の一つに位置付けている。セノバメートが承認されると、小野薬品にとって抗パーキンソン病薬・オンジェンティス錠に続く神経疾患領域の取扱製品となる。
セノバメートが治療的効果をもたらす詳細な作用機序は不明だが、電位依存性ナトリウム電流を阻害することにより、反復的な神経発火を減らすと考えられているという。また、γアミノ酪酸A型(GABAA)イオンチャネルの正の調節作用がある。
今回の承認申請は韓国、中国、日本で実施されたプラセボ対照の国際共同第3相試験(YKP3089C035試験)の結果に基づく。1~3種類の抗てんかん薬の投与にもかかわらず部分発作を有する18~70歳の成人を対象に、セノバメートの併用療法としての有効性と安全性を評価した。患者は、併用療法としてプラセボ群か、セノバメートの100mg、200mg、400mgを1日1回投与する群に1:1:1:1の比率で無作為に割り付けた。
主要評価項目の6週間の維持期での発作頻度の変化率(中央値)は、全ての用量群でプラセボ群に比べて有意に減少した。セノバメート400mg投与群では発作頻度が100%減少した(プラセボ群:25.9%、セノバメート:100mg群で42.6%、200mg群で78.3%、400mg群で100%)。
有効性の副次評価項目の6週間の維持期での発作消失率でも、セノバメートは全ての用量群でプラセボ群に比べ有意に高いことが示された(プラセボ群:2.6%、セノバメート:100mg群で12.4%、200mg群で30.1%、400mg群で52.4%)。なお、小野薬品は、既存の抗てんかん薬の併用療法における発作消失率は「最大でも6.4%程度と報告されている」としている。
安全性は、「セノバメートと既存治療との併用療法で良好な安全性プロファイルが確認された」(小野薬品)。セノバメート投与群で多く認められた有害事象(20%以上)は、浮動性めまいと傾眠だった。
セノバメートは韓国SKバイオファーマシューティカルズ社の創製品。小野薬品はSK社から日本における独占的な開発及び商業化権を獲得している。セノバメートは9月現在、欧米を含む世界25の国又は地域でてんかん部分発作に対する治療薬として販売されている。