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久光製薬・磯部氏 モーラステープ GE切替から「徐々に戻っている」 GE薬価引上げで選定療養影響緩和

公開日時 2025/10/10 04:51
久光製薬の磯部雄一・取締役執行役員経営企画本部長は10月9日の2025年度第2四半期(25年3月~8月)決算説明会で、選定療養などの影響を受けるモーラステープについて、「ジェネリックから徐々にモーラステープに戻ってきている状況」との認識を示した。モーラステープ後発品の一部に安定供給問題があったことに加え、25年4月の薬価改定でモーラステープ後発品の一部に不採算品再算定が適用されて薬価引上げとなり、選定療養による患者負担が緩和されたことが背景にあるという。磯部氏は、「患者負担の実際の金額を薬局に丁寧に説明した」と営業活動の一端を紹介した。

24年10月から選定療養の対象となった長期収載品は、長期収載品の薬価と後発品の最高価格帯との価格差の4分の1に相当する額を患者が追加負担することになった。磯部氏は、最主力品のモーラステープに対するこの1年間の選定療養の影響について、「24年10月、11月は大きく影響を受けたものの、12月には一部のジェネリックメーカーの供給の問題からモーラステープにまた戻るという動きがあった」と振り返った。

さらに、25年4月の薬価改定で後発品の一部に不採算品再算定が適用されたことを指摘した上で、「ジェネリックの薬価が少し上がり、選定療養における患者様の追加負担額が大きく圧縮することになった」とし、「患者負担の実際の金額について薬局に丁寧に説明したところ、モーラステープに徐々に戻ってきている状況」と説明した。

ただ、国内のモーラステープ群の25年度上期売上は前年同期比19.2%減の85億8800万円だった。4月に汎用規格のモーラステープL40mgで3.5%の薬価引下げを受けたことに加え、処方が戻ってきているものの選定療養の影響が小さくない状況も垣間見える結果となった。

◎ジクトルテープは47%増収 講演会などで唯一の全身性経皮吸収型NSAIDsの特長を訴求

モーラステープ群に次ぐ売上規模の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)含有全身性経皮吸収型製剤・ジクトルテープは前年同期比47.3%増の57億4100万円と大きく伸長した。磯部氏は、前期から積極的に実施している講演会や学会などを通じて世界唯一の全身性経皮吸収型NSAIDsの特長を訴求し、処方拡大につなげてきたと説明。「先生の処方や患者様の役に立てるよう、引き続き努力していく」と力を込めた。

ジクトルテープは25年度通期で26.3%増の112億円を計画しており、「今年度の業績見通しでは国内の医療用医薬品において、ジクトルテープの売上伸長が大きなドライバーとなる」と同剤への期待の大きさも示した。

◎25年度上期の国内医療用薬売上3.8%減収

25年度上期の国内医療用医薬品売上は前年同期比3.8%減の254億5800万円だった。ジクトルテープや原発性手掌多汗症治療薬・アポハイドなどの新薬群は伸長したが、25年4月の薬価改定(改定影響率2%台半ば)や選定療養導入を含む後発品使用促進策による減収影響をカバーできなかった。

なお、25年度上期の連結業績は、売上高は前年同期比0.7%減の749億4300万円となった。ジクトルテープや海外での女性ホルモン製剤の売上伸長があった一方で、国内のOTC医薬品の減収や円高影響を受けた。25年度業績予想に対する進捗率は45.4%。根本剛・執行役員BU本部財務部長は進捗率に関し、「前期末の出荷タイミングの影響によるもので、第2四半期単体では復調しており、通期業績予想は達成できる見込み」と述べた。営業利益は、9.7%減の81億2800万円、親会社帰属当期利益は、22.8%減の70億2200万円となった。

【25年度上期連結業績(前年同期比) 25年度通期予想】
売上高 749億4300万円(0.7%減) 1650億円(5.8%増)
営業利益 81億2800万円(9.7%減) 200億円(5.8%増)
親会社株主帰属純利益 70億2200万円(22.8%減) 220億円(1.1%増)

【25年度上期の国内医療用主要製品売上(前年同期実績) 25年度予想、億円】
モーラステープ群 90.51(106.23) 166
ジクトルテープ 57.41(38.97) 112
ハルロピテープ 18.75(20.05) 38
フェントステープ 15.30(14.99) 29
モーラスパップ群 13.97(16.11) 26
エストラーナテープ  9.4(9.45) 19
アポハイドローション  10.94(7.88) 18
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