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厚労省・安川課長 タブネオスの安全対策「肝機能障害の防止につながるか検証」 ブルーレター発出を踏まえ

公開日時 2026/06/11 04:50

厚生労働省医薬安全対策課の安川孝志課長は6月9日、くすりの適正使用協議会の講演会で、キッセイ薬品のタブネオスカプセル10mg(一般名:アバコパン)に関する安全性速報(ブルーレター)の発出について、「この対策が本当に肝機能障害の防止につながるかどうか引き続き検証していかなければならない」と述べた。タブネオスについては、胆管消失症候群(VBDS)を含む重篤な肝機能障害で死亡に至った症例が薬剤との因果関係不明を含めて20例報告されたことから、5月21日付でブルーレターが発出されている。

安川課長は、「タブネオスの肝機能障害については臨床試験の中でも出ることが分かっていたので、添付文書でも重大な副作用として注意喚起を行ってきた」と説明した。また、同剤をめぐっては死亡例の報告が上がるものの、当初は因果関係が明確ではなかったと指摘。ただ、改めて精査した結果、「因果関係があるのではないかという症例が20例の中で2例出てきた」と明かし、対策に踏み切った経緯を説明した。添付文書の重大な副作用の肝機能障害の項に「胆管消失症候群」を追記する改訂を5月1日に行っている。

さらに、死亡例を分析したところ、肝機能障害に対する検査を行うことが重要だとし、5月15日に医療現場へ注意喚起を実施。21日には肝機能障害の早期発見や症状の重症化を防止するための措置としてブルーレターを発出した。安川課長は、「元々分かっていた肝機能障害に対し、早期発見や重症化防止のためのどんな検査をやるべきかの考え方を示す改定をしたところが一つのポイントだ」と強調した。

◎薬剤疫学委員会に新チーム立ち上げ 経験や学習の蓄積と発信

くすりの適正使用協議会の俵木登美子理事長は、薬剤疫学委員会において医療情報データベースを用いた新しい共同研究チームを立ち上げたと報告した。リアルワールドデータ(RWD)を活用した薬剤疫学の推進に向け、経験や学習の蓄積と発信を目的としている。俵木理事長は「得られた知見を学会発表や論文化を通じて会員会社にフィードバックするため、各社でもいろいろなデータベース研究に役立てていただきたい」と述べた。

新たな共同研究チームでは、「単独企業では取り組みにくいが、協議会として実施する意義のあるテーマ」を掲げる。単に特定の薬剤に関するリスクについての研究成果獲得を目的としておらず、利活用の際の留意事項や限界点を明文化して会員企業にフィードバックする狙いがある。これにより、製薬各社が市販前後のデータベース研究などに役立ててもらう方針だ。

同協議会ではこれまで、国立成育医療研究センターと共に妊婦と薬の関係性についてのデータベース研究を行っているほか、MDV社のデータベースを用いた研究も実施している。俵木理事長は、「新しいデータベース研究に関してはこれから作業が始まる。まさにスタート地点に立ったところであるため、ぜひ会員各社の皆様の参加を初めからいただけると大変ありがたい」と呼び掛けた。

◎新中期活動計画期間(26年~28年) 信頼できる情報の充実と発信を強化

同協議会では2026年から28年を新中期活動計画期間と定め、「信頼できる情報の充実と発信の拡充」を目指す。俵木理事長は「情報をさらに充実させ、必要とする人に効果的に届くよう情報発信を進める」とし、各種デジタルルートを介して患者へアプローチを行う方針を示した。

なかでも同協議会が運営するミルシルサイトは22年4月の開始後、月間400万前後のPV数を維持している。俵木理事長は今後のサイトの方向性として、ミルシルプラットフォームで「情報を一元管理する」構想を示した。具体的には、「将来的に対面のほかにチャットやオンラインの服薬指導・フォローアップが行われ、電子的な服薬指導が増えていく。一元管理したプラットフォームで患者さんにもっとみていただき、各社の情報を載せていただくことで、医療関係者も活用して服薬指導ができるようになる」と考えを述べた。

さらに、薬剤情報にQRコードを紐づけてサイトにアクセスできる仕組みなどを提案。「皆様が作っている患者向けのいろいろな資材を一緒に届けていくために、このミルシルプラットフォームを大事に育てていきたい」と述べ、各社の協力を呼び掛けた。

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