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国立がんセンター中央病院 小児・AYA世代がんの医師主導臨床研究にDCT導入 鹿児島大学病院と連携へ

公開日時 2026/07/15 04:52
国立がん研究センターは7月14日、小児・AYA世代がんを対象に患者申出療養制度を利用した医師主導臨床研究 「PARTNER試験」にDCT(分散型臨床試験)を導入すると発表した。同試験は2024年1月から国立がん研究センター中央病院と北海道大学病院など計6施設で実施してきたが、今回新たにDCTで参加できるパートナー施設に鹿児島大学病院を加えることになった。患者は初回のみ国がん中央病院で適格性確認や同意取得を行い、2回目以降の通院はDCTに移行し、自宅に近いパートナー施設での検査や中央病院とのオンライン診療で試験を実施する。今後は、北陸や東北地方のDCTパートナー施設にも拡大する計画だ。

◎DCTの対象薬剤 MEK阻害剤・トラメチニブ(錠剤)、EZH1/2阻害剤・バレメトスタット

医師主導臨床研究 「PARTNER試験」は、0歳~29歳までの小児・AYA(思春期・若年成人)世代のがん患者を対象に、患者申出療養制度を活用して適応外薬または未承認薬を投与し、安全性と治療効果を評価するもの。薬事承認にも活用し得るデータの収集を目指す。なおPARTNER試験の対象薬剤はイマチニブメシル酸塩など10種類だが、今回DCTの対象となる医薬品はMEK阻害剤・トラメチニブ(錠剤)およびEZH1/2阻害剤・バレメトスタットとなる。

◎荒川歩小児腫瘍科長「受診のたびに長距離移動が求められ、学校、仕事、家庭への影響も多い」

研究代表医師で国立がん研究センター中央病院小児腫瘍科の荒川歩科長は同日の記者会見で、「全国6施設で試験を実施しているが、実施病院との距離が遠いことが患者・家族の負担になっている」と指摘。受診のたびに長距離移動が求められ、学校、仕事、家庭への影響も多くなっているとし、こうした社会背景から、小児の医師主導治験にDCTシステムを導入することになったと説明した。

◎「1コース目」は中央病院で適格性確認 「2コース目以降」はオンライン診療で

PARTNER試験におけるDCT導入は、「1コース目」として参加者は国がん中央病院で適格性確認、説明・同意取得、治療導入、安全性確認を実施。「2コース目以降」は、パートナー病院で検査(血液検査・画像検査)を実施。その検査結果を国立がん研究センター中央病院と共有し、パートナー病院の医師同席の元で中央病院の医師とオンライン診療を実施する。一方で国立がん研究センター中央病院の役割としては、試験薬の投与や毒性を含む試験に係る評価を実施。オンライン診療での試験継続・中止の判断や有効性評価・安全性評価を行い、患者宅への治験薬配送まで担当する。なお、DCTの対象は、国立がん研究センター中央病院で本試験に参加する患者のみ。荒川科長は、「今後、対象医薬品、パートナー病院の拡大を進め、患者・家族の負担軽減と小児・AYA世代のドラッグアクセス改善につなげたい」と述べた。

◎中村健一臨床研究支援責任者 「都道府県の中でDCTネットワーク構築」も一考

国立がん研究センター臨床研究支援部門 臨床研究支援責任者の中村健一氏は会見で、勇往病院が主導するオンライン治療について、「全部で6例目、小児は初めて」と説明。今後の取り組みについては、「適応のあるものは簡単にDCTができるように基盤を徐々に発展させていきたい」と述べた。一方、パートナー施設については「今10施設まで増えたが、今後も徐々に増やしていきたい」と語り、理想的には都道府県に1施設くらいを考えていると述べた。また注射剤のDCTについて相談が増えているとし、今後の検討課題にあげた。

このほか国立がん研究センター中央病院が、「すべてのDCTをやるという体制は相応しいと思っていない」と強調。むしろコモンキャンサーは、「都道府県の中でDCTのネットワークをつくる。なぜなら都道府県の中で電子カルテ情報を共有するような仕組みはあるので、特別な体制をつくらなくてもDCTは比較的容易にできるのではないか」との見解を示した。
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