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流改懇 逆ザヤ仕切価率は6.9% 流通コスト踏まえて仕切価引下げ企業も 医療機関の経営を圧迫

公開日時 2026/07/24 09:00
厚生労働省医薬産業振興・医療情報企画課は7月23日、医療用医薬品の流通改善に関する懇談会に、逆ザヤ仕切価率が設定されているのは6.9%(包装単位)と増加傾向にあることを報告した。逆ザヤのうち、後発品が包装単位ベースでは8割を占めたが、川下の委員からは高額薬剤などの仕切価の高止まりが病院経営を圧迫していることを指摘する声もあがった。一方、「流通コスト等の実情を考慮」して仕切価率を下げる企業もみられた。今年3月に公表された流通改善ガイドラインでは、逆ザヤへの対応として、メーカーが流通コストを意識して仕切価を設定することを求めており、今後の影響が注目される。

◎仕切価率、納入価率ともに増加傾向

医薬品卸5社の集計データによると、25年度の仕切価率は96.8%、納入価率は94.6%で、いずれも増加傾向にある。日本製薬工業協会(製薬協)又は日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)に加盟している企業97社を対象としたアンケート調査によると、逆ザヤ仕切価率が設定されていたのは包装単位で6.9%(26年3月)。24年3月は5.8%、25年3月は6.4%と右肩上がりで増加していた。カテゴリー別にみると、後発品が「100%」のうち81.7%(789品目)、「100%超過」のうち83.1%(226品目)を占めた。

26年4月時点の仕切価率は、「上昇」と回答したのは25.9%、「同水準」は67.2%だったが、「下降」との回答も7.0%あり、25年4月の3.4%から増加していた。逆ザヤの多後発品の仕切価率(包装単位)をみると、「上昇」は32.7%、「同水準」は56.0%、「下降」は11.3%だった。「下降」と回答した企業の理由として、「流通コスト等の実情を考慮」との声も寄せられた。

厚労省の安中健医薬産業振興・医療情報企画課長は、「メーカーのコストではなく、それ以降のコストが取れるよう、仕切価を低く設定したものが含まれている」と説明した。今年3月に改訂された「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」では、「卸売業者と保険医療機 関・保険薬局との川下取引の妥結価格(市場実勢価)水準を踏まえた適切 な一次仕切価の提示に基づく適切な最終原価を設定すること。なお、医薬 品の安定的な製造販売及び供給に必要なコスト(物価水準等を考慮した人件費や流通コスト等)の実情も考慮しながら設定すること」とされている。安中課長は調査のタイミングが4月であったことから、この効果について「もう少し継続して見ていく必要があると思っている」と述べた。

◎「医薬品を使用すればするほど経営を圧迫している状況にはなっている」

「ユーザー側とすると、仕切価がどんどんこの調子で上がっていくのは困る」(小山信彌構成員・日本私立医科大学協会参与)、「逆ザヤ品が増えているという現状で、非常に薬局の状況が厳しい状況が続いている」(豊見敦構成員・日本薬剤師会副会長)と川下の委員からは病院・薬局経営への影響の大きさを懸念する声があがった。

貞弘光章構成員(全国自治体病院協議会常務理事)は病院薬剤部の意見として、「仕切価が高止まりする傾向があり、薬価の引下げが続くなかで、結果として医薬品を使用すればするほど経営を圧迫している状況にはなっている。特に高額医薬品では、赤字が増えていく現状を勘案した薬価の設定をすることが重要だ」とする声を紹介した。原靖明構成員(日本保険薬局協会医薬品流通検討委員会副委員長)は、「このままいくと、全品逆ザヤになるのではないか。構造上の問題でどうしようもないのかもしれないが、問題が大きい」と指摘した。

小山構成員は、「金額ベースを考えると、(仕切価が)上昇している元はどこなのか。ジェネリックとは思えないので、やっぱりメーカーだと思う。メーカーがいま、全然違うところにいるような感じなので、メーカーをなんとかこちらの議論の中に引きずり込んで議論しないといけない」との認識を示した。

◎GE薬協 逆ザヤ解消へ「不採算品再算定の適用」働きかけの必要性も

逆ザヤの大半を後発品が占めたが、村岡英徳構成員(日本ジェネリック製薬協会流通適正化委員会委員長)は「協会としては、例え赤字であっても、可能な限り薬価を超えた仕切価を設定すべきではないというのが大前提。必要な品目について品目統合も含め、いわゆる片寄せするなど、効率化を図りながら、ジェネリック医薬品の安定供給に全力で取り組んでいる」と説明。「原材料費や人件費の高騰などによって企業努力だけで限界ということになれば、不採算品採算定などの制度を活用しながら、逆ザヤとならないように努力していく」と説明。26年度薬価改定では不採算品再算定の対象範囲が限定的だったことに触れ、「不採算最低採算点品目の適用をもうちょっとしていただけるように働きかけも必要かと考えている」と述べた。

折本健次構成員(日本医薬品卸売業連合会参与)は仕切価率が100%であっても「医療機関、保険薬局に多大な悪影響を与え、卸は全くコストを取れない」と指摘。流通改善ガイドラインの改訂で別枠での単品単価交渉が推進されているで「効果も出つつあるが、本格的に考えないといつまでたっても議論は収まらないのではないか。抜本的に考える時期が来たのではないか」と述べた。

◎逆ザヤめぐり製薬企業の説明責任問う声あがる 卸連「かなり温度差があると感じている」

製薬企業に対して、逆ザヤの説明責任を問う声もあがった。逆ザヤの理由等を卸に説明しているケースは87.2%と大半を占めているとの調査結果が示されていることについて問われた松田茂委員(日本医薬品卸売業連合会卸・薬価問題検討委員会委員長)は、「正直申し上げると、かなり温度差があると感じている」と吐露。折本健次構成員(日本医薬品卸売業連合会参与)は、後発品や最低薬価、不採算品再算定などで逆ザヤが多いことに触れながら、「低薬価品と高額薬剤との乖離が非常に激しくなっている。乖離率や仕切価の問題を同時に語れなくなったというのが実感。医療機関、薬局に対して不十分な説明しかできていないというのが実態」と話した。

原構成員は「川上が濁れば川下が濁るのは当たり前の話であって、川上でしっかりとそういう話をしていただけないことには、流通改善は成り立たない」と指摘。病院経営の厳しさを引き合いに、「川下としてはしっかり川上の方でお話をしていただきたい」とクギを刺した。

菅間博構成員(日本医療法人協会副会長)は、医療機関が患者に説明をしている実態を説明し、「説明責任は本来、メーカーある。卸だけでなく、最終的な医療機関でもできるような説明をきちんと下ろしていただきたい」と製薬企業の説明責任を問うた。

村岡英徳構成員(日本ジェネリック製薬協会流通適正化委員会委員長)はGE薬協が実施した調査では、逆ザヤがあった企業すべてが医薬品卸や販売会社に説明していると回答したいたことを紹介。議論を踏まえて「中身も、きちんと説明するべきだと思っている」と話した。

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