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卸連・宮田会長 流通改善の加速呼びかけ「まさに正念場」 診療報酬・調剤報酬での施設基準化など受け

公開日時 2026/05/29 04:51
日本医薬品卸売業連合会の宮田浩美会長は5月28日の通常総会で、流通改善の取組みをさらに加速させるよう会員各社に呼びかけた。2025年度に国政レベルで医薬品卸の価値や医薬品の安定供給の重要性が認知された。加えて、今年3月には流通改善ガイドライン(GL)が改訂され、26年度診療報酬・調剤報酬改定では施設基準に流通改善の取組みが盛り込まれた地域支援・医薬品供給対応体制加算が新設された。宮田会長は、「流通改善の実効性が一層高まる環境が整った。我々にとってまさに正念場の年になる」と強調。会員各社に、過去からの商慣習を一新し、単品単価交渉により製品価値を守り、医薬品の安定供給につながる行動を求めた。

25年度は、政府の「骨太の方針2025」に医薬品流通に関する文言が初めて盛り込まれ、補正予算でも医薬品卸売業者を対象とする補助金が初めて措置された。宮田会長は「医薬品卸の価値や医薬品の安定供給の重要性が国政レベルで認知された画期的な一歩になった」と振り返った。

さらに26年3月には、流通関係者が一体となって将来にわたり流通機能の安定性を確保することを目的に流通改善GLが改訂され、6月1日施行の26年度診療報酬・調剤報酬改定では地域支援・医薬品供給対応体制加算が新設された。同加算では、施設基準として「個々の医薬品の価値及び流通コストを無視した値引き交渉を慎むこと。原則として全ての品目について単品単価交渉すること」や、医薬品卸への頻回配送や急配に係る過度な依頼を慎むこと、在庫調整を目的とした返品を慎むことなど、流通改善に関する事項が盛り込まれた。宮田会長は、市場での流通改善への意識や実効性がより高まると見通し、会員各社の理解向上に取り組む考えを示した。

◎中間年改定廃止とインセンティブ付与を要望 コスト上昇に「流通の実態に即した議論を」

27年度中間年改定の対応については、中医協の業界意見陳述などの場で、持続的な安定供給の阻害要因だとして引き続き「廃止」を求めていくと表明した。加えて、「流通当事者の行動変容を促すインセンティブの付与」を要望していく考えを示した。

そして、「医薬品卸が医薬品の安定供給という使命を果たし続けていくためには、薬価制度における流通の構造を見直す必要がある」と指摘。さらに物流費、燃料費、人件費などあらゆるコストが上昇していることに触れながら、「流通コストの増加分が十分に反映できない構造が続いており、このままでは医薬品の安定供給を支える基盤が損なわれかねない」と訴えた。「薬価制度の下で(医薬品が)流通しているとの特性を踏まえつつ、流通の実態に即した議論を深めることが重要」と強調し、“流通の実態”をしっかり関係者に伝えて議論を深めていく構えをみせた。

◎上野厚労相 医薬品卸は「我が国の重要なインフラ」 安定供給に「流通改善GLの遵守重要」

総会後に開かれた卸連と日本薬業政治連盟(薬政連)共催の特別功労賞受賞祝賀会及び懇親会で、上野賢一郎厚生労働相が挨拶に立った。

上野厚労相は、「国民の健康を守るうえで欠くことのできない医薬品を安定的に供給していただいている医薬品卸売業の皆さまは、重要な我が国のインフラだ」との認識を示した。

昨今の物価高や物流費などのコスト上昇により、「(医薬品卸売業を)取り巻く環境は一層厳しさを増していると承知している」と理解を示しつつ、生命関連製品である医薬品は「安定供給が強く求められる」と強調した。そして、25年度補正予算で「医薬品安定供給支援補助金(医薬品卸業者に対する継続的な安定供給支援事業)」を措置したことを紹介しながら、「薬の適正価格を形成し、医薬品の安定供給を確保していくためには、流通改善ガイドラインを遵守していくことも重要になる」と指摘した。

厚労省としては流通改善GLの遵守状況のフォローアップ調査を行い、総価取引の改善や過度な薬価差の偏在の是正に向けた課題を整理する考え。上野厚労相は、「引き続き皆さま方と更なる流通改善に向けた取り組みを進めたい。これからも医薬品の安定供給と更なる流通改善に向け尽力をお願いしたい」と述べた。
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