医療用薬6製品 新効能などの追加承認取得
公開日時 2015/11/24 03:51
医療用医薬品6製品が11月20日、新効能などを追加承認を取得した。各製品の製造販売企業が発表した。
承認された医薬品は次のとおり(カッコ内は一般名と申請企業名)
▽ゼローダ錠300(カペシタビン、中外製薬)
▽エルプラット点滴静注液50mg、同100mg、同200mg(オキサリプラチン、ヤクルト本社):術後補助化学療法にも使えるように効能・効果を改めた。これまでは「治癒切除不能な進行・再発の胃がん」に対し認められていた。
申請に用いられた治験データのうち海外フェーズ3(「CLASSIC試験」)、
では、外科的切除が実施されたステージ2、3の胃がん患者1035例を対象に、両剤の併用療法(併用群)と、手術単独による経過観察(観察群)の2群にランダムに割り付けて検証したところ、主要評価項目の3年無病生存期間を達成したのは併用群は74%と、観察群59%を上回り、DFSの統計学的に有意な延長が認めらた。
▽ハイカムチン注射用1.1mg(ノギテカン塩酸塩、日本化薬):「進行または再発子宮頸がん」を効能・効果に追加。この適応は厚労省の「未承認薬・適応外薬検討会議」を経て、同省から開発要請されていた。
▽タイケルブ錠250mg(ラパチニブトシル酸塩水和物、グラクソ・スミスクライン):HER2陽性手術不能または再発乳がんに対しアロマターゼ阻害剤との併用を追加。これまではカペシタビンとの併用のみだった。この適応は厚労省の「未承認薬・適応外薬検討会議」を経て、同省から開発要請されていた。
なお、タイケルブ錠に関する情報提供活動は、GSKのがん領域事業の移管に伴いノバルティスファーマが行う。同剤の承認承継は2016年前半に完了を目指している。
▽レクサプロ錠10mg(エスシタロプラムシュウ酸塩、持田製薬):「社会不安障害」を効能・効果を追加。
同剤はうつ病に用いられるSSRI。今回追加された社会不安障害の効能・効果を持つ薬剤としてフルボキサミンマレイン酸塩(一般名、製品名デブロメールなど)やパロキセチン塩酸塩水和物(同パキシルなど)がある。レクサプロは、田辺三菱製薬と共同販売し、吉富製薬とコ・プロモーション。
▽献血グロベニン-I 静注用500mg、同静注用2500mg、同静注用5000mg(乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン、日本製薬):「水疱性類天疱瘡(ステロイド剤の効果不十分な場合)」の効能・効果を追加。
水疱性類天疱瘡は表皮基底膜部に対する自己抗体の関与により、表皮下水疱を生じる自己免疫性水疱症。ステロイド剤で効果不十分な水疱性類天疱瘡患者に対する治療で保険適用されている治療法は血漿交換療法のみで、同剤が新たな治療選択肢となる。現時点において、国内外で水疱性類天疱瘡の効能・効果で承認された免疫グロブリン製剤はない。