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米FDA 乾癬治療薬Siliqを承認

公開日時 2017/02/22 03:50

米食品医薬品局(FDA)は2月15日、成人における中等症~重症の尋常性乾癬治療薬Siliq(一般名:ブロダルマブ)注射剤を承認した。同剤は、炎症性サイトカインであるインターロイキン(IL)-17受容体Aに対する完全ヒト抗体。同剤は、米アムジェン社の創製で、国内では協和発酵キリンが2010年10月にキリンアムジェン社から日本・アジアにおける独占的開発販売権を取得。昨年8月31日にルミセフの製品名で尋常性乾癬、関節症性乾癬など4つの適応で世界に先駆けて販売を開始した。

同剤は、IL-17受容体Aに特異的に結合し、シグナル伝達を阻害することで、炎症を抑制する。適応は、全身療法もしくは光線(紫外線)療法の適格者で他の全身療法が無効だった中等症から重症の尋常性乾癬。


臨床試験では、因果関係は明らかになっていないものの、自殺念慮や自殺行為に及んだ症例があった。そのため、添付文書の枠組み警告で、この点を明記した。同時にリスク評価緩和プログラム(REMS)の対象となり、処方者、薬局および患者にそれぞれ所定の義務が課せられた。また、患者には自殺念慮および自殺行為に言及した患者用メディケーションガイドも配布される。


同剤は免疫系に作用するため、感染症、アレルギー疾患および自己免疫疾患を発現するリスクの増加に対する注意喚起が行われている。そのほか、主な副作用は、関節痛、頭痛、疲労感、下痢,咽喉通、悪心、筋肉痛、好中球減少症、真菌感染症など。


FDA医薬品評価研究センター(CDER)のJulie Beitz医薬品評価第3部長は、「中等症から重症の尋常性乾癬は患者に著しい皮膚炎と不快感をもたらすので、今日の同剤の承認は、患者に新たな治療選択肢を提供するものだ」と同剤の登場を歓迎した。同時に、重篤な副作用のリスクを念頭に、「患者と医療供給者は、治療前に同剤のリスクとベネフィットについてよく相談しなければならない」と慎重な投与を求めた。


同剤は、米バイオベンチャーValeant Pharmaceuticals社(本社:ニュージャージー州ブリッジウォーター)が販売する。


Valeant社のJoseph C Papa会長兼CEOは、「我々は、Siliqがアンメットメディカルニーズを充足させると信じている。また、わが開発チームが中等症から重症の尋常性乾癬患者に対して、本治療法を開発し、提供できたことを誇りに思う」と話した。同社は、今年、第2四半期には同剤の販売を開始する予定。

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