厚労省 オンライン服薬指導を全国に解禁へ 「対面服薬指導義務の例外」に位置付け

公開日時 2018/11/26 03:50
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厚生労働省は11月22日、オンライン服薬指導を次期通常国会に提出する改正医薬品医療機器等法(薬機法)の中で「対面服薬指導義務の例外」に位置付けることを厚科審・医薬品医療機器制度部会に提案し、大筋で了承された。これまで国家戦略特区に限り運用されてきたオンライン服薬指導を事実上解禁する。ただし、あくまで対面の補完であるなどの“限定的”な運用に止める考え。このほか、同日の制度部会では「服用期間を通じた服薬状況の把握や、薬学的知見に基づく指導の実践」を薬剤師・薬局開設者の責務として明記することも了承された。

オンライン服薬指導をめぐっては、政府が6月に閣議決定した規制改革実施計画、骨太方針2018、未来投資戦略2018に、薬機法改正の必要性も踏まえ、「ユーザー目線で、現状をさらに前進させる取り組みを進める」ことが明記されていた。特区内で実証的に遠隔診療が行われ、対面で服薬指導ができず、離島・へき地に居住する患者に限定して行われてきた。福岡県福岡市、愛知県、兵庫県養父市で実証事業の実施計画が認定され、21薬局が登録されたものの、6人の患者に実施するにとどまっている(18年11月時点)。一方、オンライン診療については、18年4月の診療報酬改定で保険診療上明確に位置付けられており、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」で対面診療の原則など、診療体制が定められている。

厚労省はこの日の制度部会に、テレビ電話などを活用して適切な服薬指導が行われると考えられる場合を法令上、「対面服薬指導義務の例外」に位置付けた。具体的な例外規定については、オンライン診療の適切な実施に関する指針を参考に特区の実証を踏まえたルールの整備を提案。対面の補完であることを明確化するほか、緊急時の対応や服薬計画を策定することなどを求める考えを示した。また、現行の薬機法では薬局や患者宅でしか調剤や服薬指導を行えないが、オンライン診療との整合性を図り、職場などを含めることも提案した。

伊藤由希子委員(津田塾大学総合政策学部教授)は、「患者にとってのメリットが大きい。履歴も残る。薬を取りに行けない病状の患者もいる。服薬指導だけでも継続的にできるのは患者にとってメリットがある」と有用性を強調。対面原則を“時代遅れ”と指摘した。一方で、山口育子委員(認定NPO 法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)は、「ICTありきで進めるべきではない。薬局対面でということでも十分情報提供できていない状況にある中で時期尚早」と述べ、限定的な運用を求めた。中川俊男委員(日本医師会副会長)も「オンライン診療、服薬指導はあくまで対面の補完だ。診療報酬改定で、オンライン診療をこれだけ時間をかけて慎重に議論を尽くして、道を開いた。それでもその要件は慎重にということが一貫している」と述べ、慎重な運用を求めた。さらに抗がん剤や医療用麻薬など、取り扱いに注意が必要な場合は除外することを求めた。

乾英夫委員(日本薬剤師会副会長)は対面を原則としたうえでの導入に理解を示したうえで、「対面原則を形骸化させないよう厳格なルール作りが必要」と強調。そのうえで、対象患者は慢性期を基本とし、かかりつけ薬剤師の実施に限定することや、患者の希望があっても実施の有無は薬剤師の判断であること、プライバシーの確保された場所で行うことなどの必要性を強調した。

◎服薬状況や服薬指導の内容を記録 改正薬機法に明記

厚労省はこの日の制度部会に再度、改正薬機法に「服用期間を通じて、必要な服薬状況の把握や薬学的知見に基づく指導を実践すること」を明記することを提案した。改正薬機法では薬局開設者の義務を明確にし、薬剤師の義務としては薬剤師法に明記する考え。また、患者の服薬状況や服薬指導の内容については調剤録に記録することを法律上明確化することも提案した。さらに、違反した場合について、自治体が立ち入り検査の実施(69条2項)や、必要に応じて改善命令(72条の4第1項)、業務停止(75条1項)が行えること、さらに薬歴への未記載などについても、薬剤師法に違反するものとして指導可能であると説明した(薬剤師法32条)。

これまで反対の姿勢を崩していなかった中川委員(日本医師会副会長)は、「薬剤師にとって侮辱ではないか」などと述べたが、「ここまで来たら認めるが、次期診療報酬改定でやるべきことをやって褒められて評価することは絶対ないように保険局に伝えるよう、お願いする」と調剤報酬上の評価については釘を刺した。罰則規定が設けられることから、乾委員(日本薬剤師会副会長)は、「十分な経過措置を設け、慎重に進めてほしい」と要望した。

◎薬食審血液事業部会が血液法改正案を報告


このほか、この日の制度部会には19年の通常国会に提出を見込む血液法改正案について薬食審薬事分科会血液事業部会からの報告もあった。採血事業者が複数の採血所を開設する場合、採血業許可は事業者単位の規制とすることや、現場における採血業務を管理する管理者・責任者について法律上で規定し、その責任を明確化することを盛り込み、採血事業者のガバナンスを強化する方針。

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