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経済財政諮問会議・骨太方針原案 「オンライン診療・服薬指導」一気通貫 拡大・定着へ

公開日時 2020/07/09 04:52
政府の経済財政諮問会議は7月8日、「経済財政運営と改革の基本方針2020」(骨太方針)の原案を取りまとめた。新型コロナウイルス感染症の拡大が続くなかで、デジタルを活用した“新たな日常”の実現を強く打ち出した。医療分野では、オンライン診療について、「電子処方箋、オンライン服薬指導、薬剤配送によって、診察から薬剤の受取までオンラインで完結する仕組みを構築する」ことを明記した。オンライン診療・服薬指導が一気に広まる可能性が高まった。

今回の骨太方針を貫く最大のテーマは、デジタル化の加速だ。骨太方針では、「リモートサービスの活用・定着が進み始めたことは、国民の意識変化につながっている」と指摘。「新たな動きを後戻りさせず社会変革の契機と捉え、通常であれば10年かかる変革を将来を先取りする形で一気に進め、「新たな日常」を実現する」と明記した。

◎診療から服薬指導、薬の受け取りまで完結


医療分野で盛り込まれたオンライン診療・服薬指導は、新型コロナの感染拡大が医療現場に影響を及ぼすなかで、感染拡大を防ぐとともに医療アクセスを確保する手段として必要性が高まっている。一方で、現状では処方箋の受け渡しや、支払いがオンラインでできず、来院・来局が必要になってしまうケースもあった。診療から服薬指導、薬の受け取りまで一気通貫のモデルを構築することで、患者の利便性を高め、一気にデジタル化が加速する可能が出てきた。

新型コロナが拡大するなかで、時限的・特例的措置として初診も含めたオンライン診療の全面解禁もなされたが、「時限的措置の効果や課題等の検証について、受診者を含めた関係者の意見を聞きエビデンスを見える化しつつ、オンライン診療や電子処方箋の発行に要するシステムの普及促進を含め、実施の際の適切なルールを検討する」とした。電子処方箋については、2022年夏を目途に運用を開始する考えだ。さらに、医師による遠隔健康相談についても「既存事業の検証を行いつつ、効果的な活用を図る」とした。

オンライン診療をめぐっては、骨太方針だけでなく、未来投資会議のまとめる成長戦略実行計画や規制改革会議、自民党行政改革推進本部の提言にも盛り込まれている。

◎薬価調査・薬価毎年改定「対応方針に変更はない」-西村経済再生担当相


医薬品関連では、薬価調査・薬価改定の記載はなく、これまで通り2020年9月に薬価調査を実施し、21年度に薬価改定を導入する方針だ(本誌既報)。骨太方針案では、「骨太方針2018、骨太方針2019 等の内容に沿って、社会保障制度の基盤強化を着実に進め、人生100年時代に対応した社会保障制度を構築し、世界に冠たる国民皆保険・皆年金の維持、そして、持続可能なものとして次世代への継承を目指す」と明記されている。

会議後の会見で西村康稔経済再生担当相は、骨太方針2018、2019に、薬価制度抜本改革に基づき患者負担の軽減を目的に中間年の薬価調査と薬価毎年改定が盛り込まれていることを引き合いに、「薬価調査、薬価改定についての具体的な記載はしていないが、骨太方針に基づき、社会保障制度改革を順次実行する。対応方針に変更はない」と述べた。

◎「サプライチェーンの多元化・強靭化推進」明記 

原薬の確保などで課題があぶり出されたサプライチェーンについては、「生産拠点の集中度が高いもの等について、国内外でサプライチェーンの多元化・強靭化を進める」と明記。航空便の欠航などの影響も懸念されたが、「航空や鉄道などの必要な輸送能力を図る」ことも盛り込まれた。

このほか、新型コロナ対策としての「治療薬・ワクチンの開発加速」の必要性を明記したほか、「AIを活用した医療機器の開発や、医薬品等の開発の促進に資する薬事規制の体制の整備・合理化を進める」ことなども盛り込まれた。

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