国内医療用薬市場 2016年に8兆円規模に 富士経済調査
公開日時 2009/09/02 04:02
富士経済はこのほど、国内医療用医薬品市場(メーカー出荷額ベース)が2016年に8兆円近くまで成長するとのレポートをまとめた。08年比で18%増となる。市場の成長には、糖尿病治療薬、痛風・高尿酸血症治療薬、抗がん剤、抗リウマチ薬、骨粗鬆症治療薬、過活動膀胱・神経因性膀胱治療薬、前立腺肥大症治療薬――など、団塊世代の高齢化によって患者数が増加する領域が寄与する。さらに糖尿病、がん、リウマチの各領域で新規性の高い薬剤が相次ぎ上市される見込みであることも成長要因としている。
同社のレポートによると、08年の医療用医薬品市場は前年比1.5%増の6兆7365億円だった。業界平均5.2%の薬価マイナス改定があったものの、リウマチやがんの領域で高薬価の新薬が上市されたことなどが成長要因と分析した。今後、日本は人口減少していくが、高齢化の進行や新薬効果、治療概念の薄い疾患領域(過活動膀胱など)の認知度アップによって、16年には08年比18.2%増の7兆9642億円まで成長すると予測した。
このレポートは、同社がこれまでに実施した27疾患・74薬剤領域の市場調査結果をまとめ、分析したもの。27疾患・74薬剤領域で「ほぼ国内の医療用医薬品市場をカバーしている」(富士経済広報部)という。調査方法は、同社専門調査員が調査対象企業や関連企業・団体にヒアリング調査したほか、関連文献で補完した。