医師セントリックから患者セントリックへ(上)
公開日時 2015/01/31 00:00
マッキンゼー・アンド・カンパニーディレクター菅原章従来の日本の医療界においては、基本的に医師が治療方法に関する意思決定の中心にあった。当然薬の選択もそれに準じていた。しかし、昨今の情報氾濫のご時世にあっては、医療選択において患者の声が大きくモノを言うようになってきている。製薬業界はその変化を見逃してはならない。起きつつある大きな変化不連続な不可逆の動き薬剤選択でも海外では、以前からペイヤーに代表されるように医師以外のステークホルダーの影響は大きい。一方、医師の社会的地位が特段高い日本においては、他のステークホルダー同様、患者の立場は受身であることが多かった。ところが、こうした「モノいわぬ患者」が、独自に知識や情報を獲得できるようになり、気に入らなければ医師の知らないうちに通院先自体を変えてし...